冠動脈疾患と脳卒中、死亡率と発症率に関連あり:JPHC研究 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/08/24 わが国の多目的コホート研究(JPHC Study)が各地域の冠動脈疾患および脳卒中の発症率と死亡率の関連を検討した結果が、International Journal of Cardiology誌オンライン版2016年7月30日号に掲載された。 心疾患の疾病負荷を推定するうえで発症率に関する情報が重要であるが、死亡率の測定が発症率の予測に有用であるかについては明らかではなかった。同研究班の斉藤 功氏らは、40~59歳の男女計9万4,657人が参加した1990~2010年(平均追跡期間18.5年)の8地域のコホートを対象に、冠動脈疾患および脳卒中の発症率と死亡率を検討した。 その結果、両疾患の死亡率と発症率に高い関連性があることが認められた。ポアソン回帰モデルを用いて、それぞれの男女別の発症率/死亡率の比率を検討したところ、冠動脈疾患の男性が2.06(95%CI:1.56~2.73)、女性が1.41(95%CI:1.01~1.95)、脳卒中の男性が3.99(95%CI:3.32~4.80)、女性が4.44(95%CI:3.73~5.29)であった。8地域の比率に著しい地理的変異はみられなかった。 これにより、人口動態統計に基づく死亡率から、冠動脈疾患や脳卒中の発症率予測が可能であることが明らかになった。報告者らは、冠動脈疾患や脳卒中による死亡率が高い地域ほど、冠動脈疾患予防に積極的に取り組む必要があるという結論を示している。 (ケアネット 河野 祐子) 詳細はこちら国立研究開発法人国立がん研究センター 多目的コホート研究(JPHC study)「心筋梗塞と脳卒中の死亡率と発症率の関連について」 原著論文はこちら Saito I, et al. Int J Cardiol. 2016 Jul 30. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 術後VTEの予防、REGN7508Catがエノキサパリンを上回る/Lancet(2025/12/08) 宅配DASH食+カウンセリングで血圧は改善するか/JAMA(2025/12/08) 成人期発症の再発型ネフローゼ症候群に対する抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/12/08) 10人に1人が糖尿病疑い、男性は3割が肥満/国民健康・栄養調査2024(2025/12/08) HR+/HER2-進行乳がん1~2次治療、パルボシクリブvs.ribociclib vs.アベマシクリブ(2025/12/08) 若年女性の4人に1人が低体重:運動習慣が与える影響はBMIで異なる(2025/12/08) 多くの若者がAIチャットボットにメンタルヘルスの問題を相談(2025/12/08) 代謝異常を伴う脂肪肝「MASLD」、慢性腎臓病の独立リスクに(2025/12/08) [ あわせて読みたい ] イワケンの「極論で語る感染症内科」講義 (2016/08/07) 総合内科専門医試験対策 アップデート問題はココが出る!2016 (2016/07/29) フィーバー國松の不明熱コンサルト (2016/04/07) Dr.たけしの本当にスゴい症候診断2(2016/02/07) ナベちゃん先生のだれでも読める心エコー(2015/12/07) Dr.香坂のすぐ行動できる心電図 ECG for the Action! (2015/10/07) ナベちゃん先生のだれでも撮れる心エコー(2015/09/08) HDLの質に注目した新たなアプローチ ―脂質異常症患者における高純度EPA製剤の投与意義―(2015/07/10) Dr.たけしの本当にスゴい症候診断(2015/07/07) 高血圧治療を再考する ~L/N型Ca拮抗薬/ARB配合錠の選択~(2015/04/06)