BPSDに対する抗精神病薬使用、脳血管障害リスクとの関連

第2世代抗精神病薬(SGA)は、しばしばBPSDの治療に用いられるが、脳血管障害(CVA)リスク増大を引き起こすことを示唆する臨床試験結果が使用の妨げとなっている。英国・セント・メアリーズ病院のAhsan Rao氏らは、認知症者におけるCVAの相対リスクについて、SGAと第1世代抗精神病薬(FGA)との違いを、集団ベースのメタ分析研究により評価した。International journal of methods in psychiatric research誌オンライン版2016年4月27日号の報告。
いくつかの関連データベースを用いて、文献検索を行った。5件の研究がレビューされ、データは逆分散法を用いたメタ分析を行うためにプールされた。
主な結果は以下のとおり。
・7万9,910例がSGA治療を受け、1,287例のCVAが報告された。
・4万8,135例がFGA治療を受け、511例のCVAが報告された。
・SGA群のCVA相対リスクは、1.02(95%CI:0.56~1.84)であった。
・2群間の脳卒中リスクに有意な差はなかったが(p=0.96)、研究結果に有意な不均一性が認められた(p<0.001)。
本検討では、BPSD治療において、FGAと対照的にSGA使用とCVAリスクの有意な増加との関連性は認められなかった。
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(鷹野 敦夫)
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