飲酒量と高血圧の関連、フラッシングと関係なし~NIPPON DATA2010

提供元:ケアネット

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公開日:2016/05/24

 

 高血圧における飲酒の影響はフラッシング反応の有無により異なる可能性があるが、確認されていない。今回、大規模コホートNIPPON DATA2010のデータを用いた研究で、日本人男性ではフラッシング反応に関係なく飲酒量と高血圧が正相関することを、東北大学の小暮 真奈氏らが報告した。Hypertension research誌オンライン版2016年5月12日号に掲載。

 著者らは、日本人集団の代表的なサンプルにおいて飲酒量と高血圧との関係を、フラッシング反応に応じて調査した。NIPPON DATA2010のベースライン調査への参加を依頼された、2010年国民健康・栄養調査の参加者のデータを用いて、フラッシング反応に応じた飲酒量と高血圧との関係を検討した。年齢、BMI、喫煙状態、糖尿病の有無、脂質異常症の有無の調整後、多重ロジスティック回帰モデルを用いて横断的に統計解析を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・男性1,139人、女性1,263人のうち、それぞれ659人、463人が高血圧であった。

・男性では、フラッシング反応に関係なく飲酒量と高血圧に正の相関がみられた(線形傾向のp<0.05)。この相関は、降圧薬使用の有無にかかわらず認められた。フラッシング反応による交互作用は認められなかった(交互作用のp=0.360)。

・女性では、フラッシング反応が見られる人と見られない人で傾向が異なるが、フラッシング反応に関係なく飲酒量と高血圧との相関は有意ではなかった。

(ケアネット 金沢 浩子)