コーヒーと大腸がんリスクの関連は? 日本人データでのメタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2016/05/20

 

 コーヒー摂取と大腸がんリスクとの関連は明らかになっていない。今回、国立がん研究センターがん予防・検診研究センター予防研究グループが、日本人での疫学研究の系統的レビューとメタ解析を行ったところ、日本人におけるコーヒー摂取と大腸がんリスクの関連を支持するには不十分な結果であった。Japanese journal of clinical oncology誌オンライン版2016年5月12日号に掲載。

 対象データは、PubMedを用いたMEDLINE検索または医中誌データベース検索を行い、手動検索で補完し収集した。研究デザインに応じた要約相対リスク、95%信頼区間を推定するために、ランダム効果モデルを用いてメタ解析を行った。最終的な判断は、疫学的エビデンスと生物学的妥当性の両方を考慮し、研究グループのメンバーの合意に基づいて行われた。

 主な結果は以下のとおり。

・5件のコホート研究と9件の症例対照研究を同定した。
・これらの研究のうち、1件のコホート研究では、(女性のみで)強い逆相関を報告し、3件の症例対照研究では、結腸がんもしくは直腸がんと強い逆相関を報告していた。
・メタ解析によると、コホート研究ではコーヒーの高摂取と大腸がんリスクとの間に明らかな関連は認められなかったが、症例対照研究ではコーヒーの高摂取が大腸がんまたは結腸がんのリスク低下に有意に関連していた。
・コーヒー摂取量の最高カテゴリの最低カテゴリに対する要約相対リスク比またはオッズ比(95%信頼区間)は、コホート研究で0.95(0.77~1.17)、症例対照研究で0.78(0.65~0.95)であった。

(ケアネット 金沢 浩子)