ニンニク油、潰瘍性大腸炎の保護薬として有望か

提供元:ケアネット

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公開日:2016/01/27

 

 ニンニク油(GO)は、ラットにおいてデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発性大腸炎を抑制し、その効果は抗酸化作用、抗炎症作用、免疫調節作用による可能性があることを、エジプト・タンタ大学のMohamed Balaha氏らが報告した。結果を踏まえて、著者らは、「GOが、潰瘍性大腸炎患者に推奨される有望な保護剤になりうる」とまとめている。Life Sciences誌オンライン版2016年1月9日号掲載の報告。

 GOは、炎症性疾患など多くの疾患に対する治療法として、民間療法の中で何世紀にもわたって使われてきたが、最近になって、強力な抗酸化作用、抗炎症作用、免疫調節作用を有することが明らかになった。そこで、著者らは、DSS誘発性大腸炎ラットモデルにおけるGOの保護効果を評価した。

 DDS誘発性大腸炎は、ラットに1日目~7日目までの7日間、5%DSSを含む水を自由に飲ませることで誘発した。GOは、25、50、100mg/kg/日の用量を経口投与し、メサラジン(15mg/kg/日)を標準薬として使用した。すべてのラットは、1日目~7日目の7日間、毎日2時間(午前10時~11時に行う処置前後の1時間)絶食させた。ラットの体重、大腸の重量、大腸ミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性、大腸還元型グルタチオン(GSH)、マロンジアルデヒド(MDA)、腫瘍壊死因子(TNF-α)、インターロイキン(IL)-1βレベル、IL-10レベル、大腸組織の肉眼的、顕微鏡的変化を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・GO投与により、大腸の重量、MPO活性、MDA、TNF-α、IL-1βレベルの増加は有意に抑制された。

・体重、大腸SOD活性、GSH、IL-10レベルの低下が増強した。

・用量依存的に、大腸粘膜の著明な肉眼的、顕微鏡的変化が改善した。

(ケアネット 佐藤 駿介)