産後女性の精神症状軽減へ、ハーブティーの可能性 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/11/19 出産後の女性において、睡眠の質を確保することは重要な問題である。カモミールは、催眠鎮静作用を有するといわれていることから、広く民間療法として使用されている。台湾・輔英科技大学のShao-Min Chang氏らは、カモミールが出産後女性の睡眠の質や疲労、うつ病に及ぼす影響を評価した。Journal of advanced nursing誌オンライン版2015年10月20日号の報告。 プレテスト・ポストテストデザインの無作為化対照試験を実施した。対象は、睡眠の質が悪い出産後の台湾女性80人(2012年11月~2013年8月、PSQS[Postpartum Sleep Quality Scale]スコア16以上)。対象者を、介入群40人、対照群40人にランダムスタートで系統的に割り付けた。介入群は、2週間カモミールティーを飲むように指示された。対照群は、定期的な産後ケアのみを受けた。PSQS(産後睡眠の質スケール)、エジンバラ産後うつ病スケール、Postpartum Fatigue Scale(産後疲労スケール)を用い評価した。2標本t検定は、2群間のアウトカム変数の平均差を使用した。 主な結果は以下のとおり。 ・対照群と比較し、介入群は身体症状関連の睡眠の非効率(t=-2.482、p=0.015)とうつ症状(t=-2.372、p=0.020)において有意に低い得点を示した。 ・しかし、3つの評価尺度すべてにおいて、試験後4週時点で両群とも同様であり、カモミールティーの効果は短期的なものに限定されていることが示唆された。 結果を踏まえ、著者らは「カモミールティーは、産後女性のうつ病や睡眠の質の問題を軽減する補助的なアプローチとして勧めることができる」とまとめている。 関連医療ニュース 妊娠に伴ううつ病、効果的なメンタルヘルス活用法 産後うつ病への抗うつ薬治療、その課題は 栄養補助食品は産後のうつ病予防に有用か 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Chang SM, et al. J Adv Nurs. 2015 Oct 20. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 術後VTEの予防、REGN7508Catがエノキサパリンを上回る/Lancet(2025/12/08) 宅配DASH食+カウンセリングで血圧は改善するか/JAMA(2025/12/08) 成人期発症の再発型ネフローゼ症候群に対する抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/12/08) 10人に1人が糖尿病疑い、男性は3割が肥満/国民健康・栄養調査2024(2025/12/08) HR+/HER2-進行乳がん1~2次治療、パルボシクリブvs.ribociclib vs.アベマシクリブ(2025/12/08) 若年女性の4人に1人が低体重:運動習慣が与える影響はBMIで異なる(2025/12/08) 多くの若者がAIチャットボットにメンタルヘルスの問題を相談(2025/12/08) 代謝異常を伴う脂肪肝「MASLD」、慢性腎臓病の独立リスクに(2025/12/08) [ あわせて読みたい ] 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 産婦人科医ユミの頼られる「女性のミカタ」 (2014/10/08) 化療スタンダードレジメン:卵巣がん(2014/06/17) 化療スタンダードレジメン:卵巣がん(2014/06/03) 診療よろず相談TV(2013/10/25)