クロザピン誘発性好中球減少症、アデニン併用で減少:桶狭間病院 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/10/01 クロザピンで問題となる好中球減少症。桶狭間病院の竹内 一平氏らは、クロザピン誘発性好中球減少症を予防するためのアデニンの有用性を検討した。その結果、アデニンがクロザピン誘発性好中球減少症による治療中止率を減少させることを報告した。Clinical psychopharmacology and neuroscience誌2015年8月号の報告。 治療抵抗性統合失調症患者におけるクロザピン誘発性好中球減少症に対するアデニンの効果を、レトロスペクティブに検証した。本試験は2010年7月~2013年6月に桶狭間病院にて実施された。アデニンは2011年6月以降に使用可能であった。対象患者は、2010年7月~2011年4月にクロザピン治療を受けた21例(アデニン非服用群)、2011年5月~2013年6月にクロザピン治療を受けた47例(アデニン併用後群)。アデニンの効果は、患者の白血球数の変化、クロザピン誘発性好中球減少症による治療中止の頻度に基づいて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・2010年7月~2013年6月までにクロザピン治療を受けた患者は68例であった。 ・クロザピン誘発性好中球減少症による治療中止は、アデニン非服用群では21例中4例であったのに対し、アデニン併用群では47例中2例だけであった。 ・クロザピン誘発性好中球減少症による治療中止率は、アデニン非服用群よりもアデニン併用群で有意に低かった(p=0.047)。 結果を踏まえ、著者らは「治療抵抗性統合失調症患者に対するクロザピンとアデニンの併用治療は、安全かつ効果的な治療戦略であることが示唆された」とまとめている。 関連医療ニュース 難治例へのクロザピン vs 多剤併用 治療抵抗性統合失調症へのクロザピン投与「3つのポイント」 統合失調症、心臓突然死と関連するプロファイルは 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Takeuchi I, et al. Clin Psychopharmacol Neurosci. 2015;13:157-162. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 去勢抵抗性前立腺がん、タラゾパリブ+エンザルタミドがOS改善(TALAPRO-2)/Lancet(2025/07/24) 18歳未満の嘔吐を伴う急性胃腸炎、オンダンセトロンは有益か/NEJM(2025/07/24) バレット食道の悪性度リスク層別化に対する非内視鏡的検査法の有用性:日本と欧米の大きな違い(解説:上村直実氏)(2025/07/24) 高リスク早期TN乳がんへの術前・術後ペムブロリズマブ追加、日本のサブグループにおけるOS解析結果(KEYNOTE-522)/日本乳癌学会(2025/07/24) 次世代技術が切り拓くリンパ腫の未来/日本リンパ腫学会(2025/07/24) 緑茶摂取量が多い日本人は認知症リスクが低下(2025/07/24) ダイエット飲料より水の方が血糖・体重管理に有利(2025/07/24) 妊婦の有害転帰、心血管の健康と社会的孤立が複合的に影響か(2025/07/24) ふくらはぎが細くなったら筋量減少のサインかも?(2025/07/24) [ あわせて読みたい ] 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)