DPP-4阻害薬がよく効く患者の特徴

提供元:ケアネット

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公開日:2015/09/11

 

 2型糖尿病患者において、DPP-4阻害薬による治療12ヵ月後に高い有効性を示すのは、肥満でない患者、冠動脈疾患を持っていない患者であることが、徳島大学の八木 秀介氏らの研究により明らかになった。また、DPP-4阻害薬の長期の有効性は、治療3ヵ月後のHbA1cの低下によって予測することができるという。Diabetes and metabolism journal誌2015年8月号(オンライン版2015年7月21日号)の報告。

 2型糖尿病患者において、DPP-4阻害薬の有効性の予測因子は不明である。そのため、本研究では、治療12ヵ月後の血糖降下作用を評価し、DPP-4阻害薬の有効性の予測因子を明らかにすることを目的とした。

 対象は、DPP-4阻害薬を用いて治療を行った2型糖尿病患者 連続191例(男性105例、女性86例、平均68.3±35.8歳)。カルテにて治療12ヵ月後のHbA1c値を調査し、血糖降下作用をレトロスペクティブに評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・DPP-4阻害薬による12ヵ月の治療後、血糖値は167±63 mg/dLから151±49 mg/dL (p<0.01)に低下、HbA1c値は7.5±1.3%から6.9±0.9% (p<0.01)に低下し、重篤な副作用は認められなかった。
・重回帰分析の結果、治療12ヵ月後の治療効果の予測因子は、治療開始から3ヵ月後にHbA1cが低下すること、ベースラインのHbA1cが高いこと、ベースラインのBMIが低いこと、冠動脈疾患を持っていないことであった。

(ケアネット 武田 真貴子)