1回の健診で26年後の心疾患やがんを予測可能?

提供元:ケアネット

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公開日:2015/06/01

 

 1回の健康診断の結果から、26年後の心血管疾患やがん、糖尿病を予測することは可能だろうか。スウェーデン・Habo健康管理センターのLars-Goran Persson氏らは、ベースライン時33~42歳の若年男性のコホートにおいて、1回の健康診断で得られた生活習慣および生物学的リスクマーカーの結果と26年後の心血管疾患やがんの罹患率・死亡率、糖尿病の罹患率との関連を検討した。その結果、1回の検査で確認されたリスク因子(とくに喫煙、BMI、血清コレステロール)により、26年後における心血管疾患、がん、糖尿病を予測できる可能性が報告された。BMJ Open誌2015年5月6日号に掲載。

 対象は、1985年にHaboに住んでいた男性(757人)のうち、1985~1987年に健康診断を受けた男性652人。健康プロファイルを調査・測定し、健康に関する看護師との対話を実施、さらに高リスク群には医師との対話と検査を実施した。介入プログラムは、プライマリケア医療機関および地元関連機関の協力の下、実施した。心血管疾患およびがんの罹患はスウェーデン保健福祉庁のデータから、糖尿病については薬局での医薬品販売データから評価した。健康プロファイルより、生活習慣(喫煙、身体活動、飲酒)と生物学的リスクマーカー(BMI、血圧、血清コレステロール)に関する項目を選び、そのリスクポイントの合計で参加者を3群に分け比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・リスクポイントの合計が最も低い群は、最も高い群と比較して、心血管疾患およびがんのリスクが有意に低かった。
・生活習慣に関するリスクポイントが最も低い群は、最も高い群に比べて、心血管疾患リスクが有意に低く、生物学的リスクマーカーに関するリスクが最も低い群は、心血管疾患およびがんの両方のリスクが有意に低かった。喫煙と血清コレステロールは、最も重要なリスク因子であった。
・糖尿病においては、BMIと喫煙が最も重要なリスク因子であった。

(ケアネット 金沢 浩子)