肺炎球菌ワクチン 接種間隔はどのくらい? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/04/22 インフルエンザの時期が過ぎ、花粉症の季節となった。一般的に肺炎は冬に多いが、高齢者の肺炎リスクは年間を通じて高いため、引き続き注意が必要である。先日、本サイトに高齢者肺炎に関する記事を掲載したところ、大きな反響があった。 肺炎の原因である肺炎球菌感染症の予防には、ワクチン接種が有効である。昨年(2014年)10月より、従来使用されてきた23価肺炎球菌多糖体ワクチン(PPSV23)の65歳以上の成人を対象とした定期接種が開始となった。また、同年6月から13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)が、65歳以上の成人に適応拡大になった。そのため、2種類のワクチンをどのように使い分けるか、併用接種する場合はどのような接種間隔が適切かなどを判断していく必要が生じている。そこで、今回は肺炎球菌ワクチンの接種間隔にフォーカスして、基本的な考え方を紹介する。 PPSV23とPCV13の接種間隔に関する考え方は、以下のとおり(図)1)。 (1)PPSV23単剤で使用する:5年以上間隔を空けて接種する (2)PPSV23とPCV13を併用する: (I)PPSV23を先に接種し、その後PCV13を接種する場合:1年以上間隔を空けて接種する (II)PCV13を先に接種し、その後PPSV23を接種する場合:6ヵ月~4年以内に接種する 図 画像を拡大する 肺炎球菌ワクチンの接種によってすべての肺炎を予防できるわけではないが、リスクを小さくすることができる。ワクチン接種対象者の年齢や基礎疾患、経済的な負担を考慮したうえで適切なワクチンを選択し、適正に使用していくことが求められる。 【参考】 1)日本呼吸器学会呼吸器ワクチン検討 WG 委員会/日本感染症学会ワクチン委員会・合同委員会.65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方.日本感染症学会(参照 2015.4.17) (ケアネット 中野 敬子) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 COVID-19ワクチンに関する提言(第1版)を公開/日本感染症学会 医療一般(2020/12/30) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] IgA腎症、sibeprenlimabは蛋白尿を有意に減少/NEJM(2025/12/11) BRAF変異陽性大腸がん、最適な分子標的療法レジメンは?/BMJ(2025/12/11) SGLT2阻害薬の腎保護作用:eGFR低下例・低アルブミン尿例でも新たな可能性/JAMA(解説:栗山哲氏)(2025/12/11) 日本の精神科外来における頭痛患者の特徴とそのマネジメントの現状(2025/12/11) 認知症リスク低減効果が高い糖尿病治療薬は?~メタ解析 (2025/12/11) 日常生活のルーティンの乱れが片頭痛を誘発か(2025/12/11) 膵管拡張は膵臓がんの警告サイン(2025/12/11) ビタミンDの個別化投与で心筋梗塞リスクが半減(2025/12/11) [ あわせて読みたい ] 「もっと高く売れるはず…」、その思い込みが売れ残りにつながる【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第18回(2021/05/24) 診療所を売った後、「もう少し働く」メリット&デメリット【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第17回(2021/05/10) Dr.林の笑劇的救急問答16<下巻> 皮膚科救急編(2021/05/10) 診療所の後継者は自分で育てる!が失敗してしまう理由とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第16回(2021/04/26) 総合内科専門医試験オールスターレクチャー 内分泌・代謝(2021/04/20) 総合内科専門医試験オールスターレクチャー 神経(2021/04/20) 総合内科専門医試験オールスターレクチャー 呼吸器(2021/04/20) 総合内科専門医試験オールスターレクチャー 血液(2021/04/20) 総合内科専門医試験オールスターレクチャー アレルギー(2021/04/20) この診療所を子供に継いでもらいたい…、がうまくいかない理由【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第15回(2021/04/12)