筋骨格系慢性疼痛へのウォーキングは有用?

提供元:ケアネット

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公開日:2015/01/26

 

 英国・クイーンズ大学ベルファストのSean R. O’Connor氏らは、筋骨格系慢性疼痛患者の疼痛や機能に対するウォーキングの効果を検討する目的でシステマティックレビューを行った。その結果、ウォーキングは対照と比較して疼痛や機能の有意な改善と関連していることを明らかにした。ただし、長期的な効果については不明であったとしている。著者は、「筋骨格系慢性疼痛に対する効果的な介入法としてウォーキングが推奨されるが、介入維持を目的とした戦略、ならびに健康に関連した効果に関するさらなる検討が必要」とまとめている。Archives of Physical Medicine and Rehabilitation誌オンライン版2014年12月18日号の掲載報告。

 研究グループは、6つのデータベース(Medline、CINAHL、PsychINFO、PEDro、Sport Discus and the Cochrane Central Register of Controlled Trials)を用いて1980年~2014年3月までの論文を検索し、慢性腰痛、変形性関節症または線維筋痛症の成人患者を対象に、ウォーキングと非運動/非ウォーキングを比較した、ランダム化および準ランダム化試験26件(2,384例)を選択した。

 データの方法論的質については、米国予防医学専門委員会(USPSTF)のシステムを用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・17件がランダム効果モデルを用いたメタ解析の対象となった。
・追跡期間別に解析した結果、ウォーキングは短期(無作為化後8週)、および中期(無作為化後2ヵ月超12ヵ月以内)の疼痛軽減(軽度~中等度改善)と関連した。それぞれ平均群間差(MD)は-5.31(95%信頼区間[CI]:-8.06~-2.56)、-7.92(同:-12.37~-3.48)であった。
・機能については、短期(MD:-6.47、95%CI:-12.00~-0.95)、中期(同:-9.31、-14.00~-4.61)および長期(12ヵ月超)(同:-5.22、-7.21~-3.23)のいずれにおいても改善が認められた。

(ケアネット)