線維筋痛症患者、3割超が自殺念慮を有する

提供元:ケアネット

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公開日:2014/05/09

 

 線維筋痛症は、経過とともに自殺を図る患者の割合が増加することが知られている。スペイン・サンティアゴ・デ・コンポステーラ大学のYolanda Trinanes氏らによる検討の結果、線維筋痛症患者の自殺念虜は、うつや不安、日常生活への支障と密接に関連していることが明らかにされた。Pain Practice誌オンライン版2014年4月1日号の掲載報告。

 研究グループは、線維筋痛症における自殺念虜と、さまざまな社会人口統計学的、臨床的および心理的変数との関連を分析する目的で、線維筋痛症の女性患者117例を対象に調査を行った。

 評価項目は、睡眠障害(ピッツバーグ睡眠質問票)、うつ(ベックうつ病調査票:BDI)、健康関連QOL(SF-36および線維筋痛症質問票:FIQ)、疼痛(視覚的アナログ尺度)などであった。BDIの9番目の項目で自殺念慮を評価し、すべての変数について自殺念虜のある患者とない患者を比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・自殺念虜を有している患者の割合は、32.5%だった。
・自殺念虜の有無でさまざまなうつ病の指標に有意差が認められた。
・また、自殺念虜を有している患者では、不安レベルが高く、眠気のため日中の機能が障害され、感情的および身体的問題のため限界を感じていた。
・BDIにおける自己非難のクラスターでわかるような、認知的抑うつ症状が自殺念慮と密接に関連していた。

(ケアネット)