アトピー性皮膚炎患者が避けるべきスキンケア用品

提供元:ケアネット

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公開日:2014/02/06

 

 アトピー性皮膚炎(AD)患者は、ホルムアルデヒド放出防腐剤が使われているスキンケア用品の使用は避けるべきであることが明らかにされた。米国・ルイビル大学医学部のCristin N. Shaughnessy氏らがAD患者の皮膚の遅延型過敏反応として、局部的な防腐剤の反応を調べた結果、報告した。AD患者では乾燥肌が慢性化しているが、その多くが防腐剤入りのスキンケアを使用しており、遅延型過敏反応を呈する温床となっている。Journal of the American Academy of Dermatology誌2014年1月号(オンライン版2013年11月9日号)の掲載報告。

 研究グループは、AD患者と非AD患者について、北米接触性皮膚炎共同研究班(North American Contact Dermatitis Group:NACDG)標準のアレルゲンパッチテストの陽性率を比較し、AD患者が防腐剤に陽性を示しやすいかについて検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・合計2,453例の患者が、NACDG標準スクリーニングシリーズのパッチテストを受けた。AD患者は342例、非AD患者は2,111例であった。
・解析(カイ二乗検定)の結果、AD患者は非AD患者と比較して、パッチテストで陽性反応を示す割合が統計学的により多い傾向がみられた。
・ADと接触性過敏症との関連が示された防腐剤は、クオタニウム-15、イミダゾリジニル尿素、DMDMヒダントイン、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール(ブロノポール)であった。
・パラベン、ホルムアルデヒド、ジアゾリジニル尿素とは関連がみられなかった。
・本検討は、被験者が疑い例を含むアレルギー性の接触性皮膚炎のみを有する患者であった点、検討地域がカンザスシティとミズーリ州、およびニューヨークの都市部に限られていた点で限定的であった。
・以上を踏まえて著者は、「AD患者は、ホルムアルデヒド放出防腐剤が使われているスキンケア用品の使用は避けるべきである」と結論している。

(ケアネット)