痩身クリームの効果は-0.46cm

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2014/01/30

 

 イタリア・ミラノ大学のF. Turati氏らは、塗るだけでセルライトを減らす(cellulite reduction)効果をうたうコスメ製品について、システマティックレビューとメタ解析を行った。同製品の有効性を調べたオリジナル研究論文は、過去10年間で急速に増加したが、これまでシステマティックレビューとメタ解析は行われていなかった。検討の結果、有効性は大腿囲減少についてわずかに認められるとする知見が得られたことを報告した。Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology誌2014年1月号の掲載報告。

 研究グループは、PRISMAガイドラインを適用しているヒトに対するin vivo のシステマティックレビューを行った。また、メタ解析的アプローチを用いて、1アーム10例以上の被験者を組み込み、転帰尺度として大腿囲減少を用いていた対照試験から痩身クリームの全体的な有効性を推算した。

 主な結果は以下のとおり。

・Medline、Embaseにより2012年8月までに発表された論文から適格試験を検索した。
・結果、オリジナル試験は21件であった。全試験が臨床試験であり、大半は女性だけを対象としており、67%は患者内試験として設計されたものであった。
・検証されていた痩身クリーム製品の約半数は、キサンテン、ハーブあるいはレチノイドのうち1種類の活性成分を含むだけのものであった。
・その他の試験では、痩身クリームをより複雑な手法で検証していたが、試験対象の大部分がキサンテンを含むものであった。
・メタ解析の適格基準を満たした対照試験は計7件であった。
・治療群と対照群間の大腿囲減少のプール平均差は、-0.46cm(95%信頼区間[CI]:-0.85~-0.08)であった。試験間の不均一性は有意であった(p<0.001)。
・以上を踏まえて著者は、「本稿は、セルライトを減らすというコスメ製品の有効性について、科学的エビデンスの系統的な評価を示すとともに、大腿囲減少の効果がわずかにあることを支持するものである」とまとめている。

(ケアネット)