加水分解小麦含有石鹸による運動誘発アナフィラキシーの臨床経過

提供元:ケアネット

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公開日:2013/08/07

 

 近年、加水分解物小麦含有石鹸の使用により接触感作された、小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(WDEIA:wheat-dependent exercise-induced anaphylaxis)が相次いで報告され、社会問題となっている。WDEIAは小麦含有食品を摂取しただけでは症状を呈さないが、小麦含有食品摂取と運動負荷が重なることで発症する即時型の食物アレルギーである。

 広島大学の平郡 真記子氏らは、加水分解物小麦含有石鹸とWDEIAの関連、およびその経過について報告した。その結果、加水分解物小麦含有石鹸の使用とWDEIAには関連がみられ、石鹸の使用中止により、加水分解物小麦への感受性は経時的に減少、治癒する可能性が示された。Allergology International誌オンライン版2013年7月25日掲載報告。

 平郡氏らは、2010年1月から2011年6月に広島大学でWDEIAと診断された患者36例に対して、詳細な病歴の確認、皮膚プリックテスト、抗原特異的IgE抗体検査およびヒスタミン遊離試験を実施した。その後、患者の臨床症状の経過を調査した。

 主な結果は以下のとおり。

・患者は大部分が女性で、36例中30例は同一の加水分解物小麦含有石鹸を使用していた。
・主な症状は顔の症状と血管性浮腫であった。なお、従来のWDEIAよりも血圧低下の頻度は低かった。
・ω-5グリアジン特異的IgE抗体価よりも、グルテン特異的IgE抗体価のほうが高値であった(p<0.05、一元配置分散分析)。
・加水分解物小麦は、ヒスタミン遊離試験を実施したすべての患者で陽性であった。
・従来の小麦抗原のうち、好塩基球からのヒスタミン遊離はグルテニンで最も多かった。
・グルテンとグルテニンに対する感受性は、加水分解物小麦含有石鹸の使用中止により、減少した。

(ケアネット 森 幸子)