わきが治療としての経皮的エタノール注入療法

提供元:ケアネット

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公開日:2013/07/30

 

 わきが(腋臭症)治療として、経皮的エタノール注入療法(PEI)が有効かつ安全であることが報告された。中国医学科学院 中国協和医科大学のX. Han氏らが、PEI治療者165例に対して行った調査の結果で、術後の追跡調査(中央値14.5ヵ月)で、9割を超える人が治療成果に満足していることが示されたという。結果を踏まえて著者は、「PEIは手術に代わる治療の選択肢になると思われた。PEI治療には回復と術後の固定を最小化できるという利点があり、また安価で、相対的に安全、かつ外来手術で行える可能性もある」と報告をまとめている。Clinical and Experimental Dermatology誌2013年7月号の掲載報告。

 わきがに対しては、アポクリン腺切除が頼みの治療となっており、そのほかのさまざまな治療法が試されてきたが、いずれも侵襲性の高い手術療法や治療であり、合併症の可能性も高い。

 研究グループは、わきがに対する治療法としてのPEIの有効性と安全性を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・被験者は、両側性のわきが患者165例であった。
・局所麻酔後、90%エタノール(片側につき平均8.9mL)を皮膚表面近くの汗腺がある皮下層に注射した。
・フォローアップは、中央値14.5ヵ月(範囲:10~28)であった。
・アウトカムについて、165例のうち80例(48.5%)が「非常によい」、72例(43.6%)が「よい」、10例(6.1%)が「普通」、3例(1.8%)が「不良」と評価した。
・患者の大半(152/165例、92.1%)が治療結果を高く評価し、満足していた。
・患者2例において、腋窩の皮膚に壊死が起こり、修復手術が行われた。
・表在性表皮融解あるいは局所的皮膚壊死は15例で発生した。それらに対しては抗菌薬塗布による保存的治療を行い、後遺症を伴うことなく治癒した。

(ケアネット)