関節リウマチ患者の異常歩行の特徴をスマホで評価できる?

提供元:ケアネット

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公開日:2013/07/04

 

 関節リウマチ患者において、歩行パターンの乱れは深刻な問題である。本研究は関節リウマチ患者の歩行パターン測定におけるスマートフォンの有用性を検討するために、京都大学の山田 実氏らにより行われた。本研究は、歩行パターンの計測にスマートフォンを用いた初の研究となる。Rheumatology international誌2012年12月号の掲載報告。

関節リウマチ群は歩行速度が対照群より有意に低いスコアという特徴

 スマートフォン歩容分析アプリにより39例の 関節リウマチ患者(平均年齢65.9±10.0歳、罹病期間11.9±9.4歳)と同齢の対照群(平均年齢69.1±5.8歳)の歩容(歩いているときの身体運動の様子)を評価した。

 関節リウマチ患者の歩行パターン測定におけるスマートフォンの有用性を検討した主な結果は以下のとおり。

・関節リウマチ群は、対照群よりも歩行速度、歩行バランス、および歩行変動性において有意に低いスコアを示した。
・両群間の歩行周期に有意差はなかった。
・歩行周期は歩行速度と軽度の相関があった(p<0.05)。
・歩行バランスは疾患活動性スコア(DAS28)、健康評価質問票(mHAQ)、歩行能力、および歩行速度と中程度の相関があった(p<0.05)。
・歩行変動性はDAS、歩行能力、および歩行速度(p<0.05)と中程度の相関があった。
・以上の結果より、スマートフォンで記録したいくつかのパラメーターは、関節リウマチ患者の歩容を評価するのに適したツールとなることが示唆された。

(ケアネット 有田 衣里)