リンパ節転移陽性早期乳がん、dose-dense FEC-Pは有益か/Lancet 最終更新:2015/03/18 ジャーナル四天王 リンパ節陽性早期乳がん患者に対し、エピルビシン、シクロホスファミド、パクリタキセル(EC-P)にフルオロウラシル(F)を追加し投与間隔を短縮して行うdose-dense化学療法としてのFEC-Pは、無病生存率を有意に改善することが示された。一方で、投与間隔を短縮しない場合は、フルオロウラシルを追加しても無病生存アウトカムは改善しなかった。イタリア・IRCCS AOU San Martino-ISTのLucia Del Mastro氏らが、第III相の非盲検2×2因子無作為化試験の結果、報告した。これまで、同患者へのdose-dense化学療法としてのFEC-P療法が有益性を増大するかどうかについては、議論の的となっていた。Lancet誌オンライン版2015年2月27日号掲載の報告より。
統合失調症の治療成績にD2/3結合能は影響するか 最終更新:2015/03/18 医療一般 これまでの統合失調症研究で確認された最も優れた知見の1つが、陽性症状におけるドパミンD2受容体遮断と抗精神病薬効果の関連性である。デンマーク・コペンハーゲン大学のSanne Wulff氏らは、統合失調症初回エピソード未治療患者における線条体D2/3結合能(BPp)と治療アウトカムの相関性について調べた。結果、両者間の相関性を確認し、低BPp患者は高BPp患者と比べて治療反応が良好であること、またドパミン受容体遮断が高レベル時に機能が低下する可能性がある示唆が得られたことを報告した。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2015年2月18日号の掲載報告。
禁煙アプリは本当に効果があるのか? 最終更新:2015/03/18 医療一般 禁煙志向が高まる昨今、スマートフォンなどからダウンロードできる無料のモバイル禁煙支援アプリが多数開発されている。このアプリは、本当に禁煙の補助手段になりえるのだろうか?禁煙アプリの効果の予備評価結果を紹介する。
スタチンの効果、遺伝子リスクで異なる/Lancet 最終更新:2015/03/17 ジャーナル四天王 米国ハーバード・メディカル・スクールのJessica L Mega氏らは、JUPITER、CAREなど5試験の被験者データを分析し、冠動脈疾患の初発と再発両リスクを増大する遺伝子型に基づく遺伝リスクスコアを特定した。また、同スコアが最も高い人でスタチン治療の効果が最も大きいことも明らかにした。これまでの検討で、冠動脈疾患リスクと関連する複数の遺伝子型があることが示されていた。Lancet誌オンライン版2015年3月3日号掲載の報告より。
SSRI中止は離脱症状に注意を 最終更新:2015/03/17 医療一般 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)は臨床現場で広く用いられている。SSRIは幅広い症状と関連しており、その臨床的意義は十分に理解されているわけではない。イタリア・ボローニャ大学のGiovanni A Fava氏らは、SSRI中止による影響について検討するシステマティックレビューを行った。Psychotherapy and psychosomatics誌オンライン版2015年2月21日号の報告。
週1回の投与で血友病患者のQOL向上へ イロクテイトがもたらす定期補充療法 最終更新:2015/03/17 医療一般 3月10日、都内においてバイオジェン・アイデック・ジャパン株式会社による血友病のプレスセミナーが、花房 秀次氏(荻窪病院 理事長/血液科 部長)を講師に迎え、開催された。これは同社の血友病A治療薬エフラロクトコグアルファ(商品名:イロクテイト)の発売に関連し行われたものである。
日本発エビデンスを! 胃がん治療の未来とは 最終更新:2015/03/17 医療一般 科学技術の進歩と、その高度な技術を駆使する優れた外科医の存在により、本邦の胃がん切除術は大きく変化しつつある。胃がんの外科的治療はどのように展開していくのだろうか? セミナーの内容を紹介する。
ロボット支援脊椎手術は有用か 最終更新:2015/03/17 医療一般 転移性または原発性脊椎腫瘍患者の治療において、外科手術は重要な役割を果たしている。近年、手術支援ロボットなどの新しい技術が開発され、正確なインストゥルメンテーションの設置や合併症の減少など有望な結果が示されている。米国・Texas Health Presbyterian Hospital PlanoのXiaobang Hu氏らは、ロボット支援脊椎手術の自験例について評価し、転移性または原発性脊椎腫瘍の治療においてロボット支援システムは安全かつ有用であることを報告した。著者は、「多数例におけるさらなる検討の実施を支持する結果である」とまとめている。International Journal of Spine Surgery誌オンライン版2015年2月3日号の掲載報告。
ゴセレリン、乳がん患者の卵巣機能を保護/NEJM 最終更新:2015/03/16 ジャーナル四天王 化学療法中の乳がん患者にゴセレリン(商品名:ゾラデックス)を併用することで、卵巣機能不全を予防し、早期閉経リスクの低下や、妊娠の可能性が向上することが報告された。米国・クリーブランドクリニックのHalle C.F. Moore氏らPOEMS/S0230研究グループによる無作為化試験の結果、示された。卵巣機能不全は、化学療法の頻度の高い毒性作用である。これまでに行われた卵巣機能の保護を目的としたゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)を用いた試験では、混在した結果が示され、妊娠アウトカムについてのデータは不足していた。NEJM誌2015年3月5日号掲載の報告より。
ナトリウム利尿ペプチド、急性心不全診断に有効/BMJ 最終更新:2015/03/16 ジャーナル四天王 2012年に欧州心臓病学会(ESC)が示した、血中B型(脳性)ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、NTproBNP、MRproANPの心不全除外診断の推奨閾値は、急性心不全について優良な診断能を有することが明らかにされた。英国・モーズレイ病院のEmmert Roberts氏ら研究グループGuideline Development Group for Acute Heart Failureが、急性期治療設定の試験データについてシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。ただし特異度はばらつきがみられ画像診断による確定が必要だと考察している。また、BNPとNTproBNPの診断精度には統計的な差はみられなかった。これらを踏まえて著者は「急性心不全が疑われる患者を対象とした、ナトリウム利尿ペプチド測定による試験を行うことで、より迅速で正確な除外診断が可能となるだろう」と述べている。BMJ誌オンライン版2015年3月4日号掲載の報告より。
第103回日本泌尿器科学会総会 開催のご案内 最終更新:2015/03/16 医療一般 日本泌尿器科学会は、2015年4月18日~21日の4日間、第103回日本泌尿器科学会総会を金沢市で開催する。会長は、並木 幹夫 氏(金沢大学大学院医学系研究科 泌尿器科学 教授)。今回は新たに「若手医師が創るプログラム」という企画を設け、若手医師自らが将来に向けた泌尿器科医のあり方を参加者と考えるセッションも予定されている。また、発表される一般演題数も今回は1,750を超え、過去最高となる。
高齢者焦点てんかん、治療継続率が高い薬剤は 最終更新:2015/03/16 医療一般 ドイツ・ヨハネス・グーテンベルク大学病院のKonrad J. Werhahn氏らは、高齢者の焦点性てんかんに対するカルバマゼピン徐放製剤(CR-CBZ)の有効性を、レベチラセタム(LEV)およびラモトリギン(LTG)と比較検討する無作為化二重盲検並行群間試験を実施した。その結果、CR-CBZに比べLEVのほうが高い治療継続率を示したことを報告し、LEVの良好な忍容性がこの結果の背景にあることを示唆した。Epilepsia誌オンライン版2015年2月12日号の掲載報告。
抗血栓療法中のNSAIDs、出血・心血管イベント増大/JAMA 最終更新:2015/03/13 ジャーナル四天王 心筋梗塞(MI)後の抗血栓療法中の患者における非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)の併用投与は、短期間であっても出血や心血管イベントリスクを増大することが明らかにされた。デンマーク・コペンハーゲン大学ゲントフテ病院のAnne-Marie Schjerning Olsen氏らが、同国患者データ6万1,971例を分析し報告した。著者は、「所見についてはさらなる検討を行い確認する必要があるが、MI後の患者へのNSAIDs処方には注意を払わなくてはならない」とまとめている。JAMA誌2015年2月24日号掲載の報告より。
HCVとHIV重複感染に3D+リバビリンレジメン有効/JAMA 最終更新:2015/03/13 ジャーナル四天王 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)とC型肝炎ウイルス(HCV)の重複感染患者の治療において、インターフェロン(IFN)フリーの全経口3剤組み合わせ直接作用型抗ウイルス薬(3D)+リバビリン併用レジメンは、治療期間12週または24週についていずれも高い持続性ウイルス学的著効(SVR)率に結び付いたことが示された。米国ジョンズ・ホプキンス大学のMark S. Sulkowski氏らによる非盲検無作為化非対照試験TURQUOISE-Iのパイロット試験パート1aの結果、報告された。3Dレジメンは、オムビタスビル、パリタプレビル(またはリトナビル併用[パリタプレビル/r])、ダサブビルから成る。本検討の結果を受けて著者は、「重複感染患者について本療法の第III相試験を行うべき根拠が示された」とまとめている。JAMA誌オンライン版2015年2月23日号掲載の報告より。
精神疾患患者の安楽死、どう考える 最終更新:2015/03/13 医療一般 精神疾患や認知症の患者、また重篤な疾患はないが人生が嫌になっている患者における安楽死や医師による自殺幇助(EAS)は、非常に大きな論点となっている。このような場合、オランダの安楽死法の管轄に入るが、オランダ人医師はEASに消極的であるように見える。オランダ・アムステルダム自由大学医療センターのEva Elizabeth Bolt氏らは、オランダ人医師がEASの可能性を拒否しているか否かを調査した。Journal of medical ethics誌オンライン版2015年2月18日号の報告。
「骨粗鬆症」予防にはリスク認識が有効 最終更新:2015/03/13 医療一般 骨粗鬆症は公衆衛生上大きな問題となっているが、そのリスクは過小評価され、患者はきちんとした治療を受けていない場合も多い。骨粗鬆症の予防にリスク認識は必須であるが、どの程度知られているのだろうか。日本人大規模年次調査結果を紹介する。
2011年米国では50万例がC.difficileに感染/NEJM 最終更新:2015/03/12 ジャーナル四天王 米国2011年のClostridium difficile (C. difficile)感染症発生者数の推定値は45万3,000人で、そのうち死亡は推定約2万9,000人に上ることが明らかにされた。米国疾病予防管理センター(CDC)のFernanda C. Lessa氏らが、米国10地域について行った調査で明らかにした。NEJM誌2015年2月26日号掲載の報告より。
急性腎障害の自動通知システムは有効か/Lancet 最終更新:2015/03/12 ジャーナル四天王 急性腎障害(AKI)のある入院患者について、AKI発生時に自動的に担当医などに知らせるアラートシステムを導入しても、臨床アウトカムは改善しないことが示された。米国・エール大学のF. Perry Wilson氏らが、約2,400例を対象に行った単盲検並行群間比較無作為化試験の結果、報告した。AKIは早期であれば有効な治療選択肢があるものの、早期に治療を開始できることがほとんどない。研究グループは、発生を自動的に知らせる機器を導入することで、障害の進展を防ぎアウトカムを改善するのかを検討した。Lancet誌オンライン版2015年2月25日号掲載の報告より。
バレニクリンによる禁煙治療は“優柔不断な喫煙者”の禁煙治療に向いている!(解説:島田 俊夫 氏)-320 最終更新:2015/03/12 CLEAR!ジャーナル四天王 最近JAMA誌 2015年2月17日号に報告された、Jon O. Ebbert氏らのバレニクリン(varenicline)禁煙治療に関する無作為臨床試験についてコメントする。
EPA、DHA、ビタミンDは脳にどのような影響を及ぼすか 最終更新:2015/03/12 医療一般 米国・オークランド小児病院のRhonda P. Patrick氏らは、注意欠如・多動症、双極性障害、統合失調症などセロトニンが関与している脳機能障害患者では、ビタミンDおよび海洋性ω-3脂肪酸すなわちエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)のレベルがいずれも不十分であり、これらを適切に摂取することが脳機能障害の悪化を抑制・調節する可能性を報告した。FASEB Journal誌オンライン版2015年2月24日号の掲載報告。