日本語でわかる最新の海外医学論文|page:210

ALK陽性NSCLCにおける術後アレクチニブ、健康関連QOLへの影響(ALINA)/ASCO2024

 ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対するアレクチニブの術後補助療法における有用性を検討したALINA試験では、アレクチニブがプラチナベースの化学療法と比較して、無病生存期間(DFS)を有意に改善したことが報告されている1)。今回、本試験における健康関連QOL(HRQOL)を解析した結果、精神的、身体的項目のベースラインからの改善が認められ、投与期間中維持されたことが米国臨床腫瘍学会年次総会(2024 ASCO Annual Meeting)で、がん研有明病院の西尾 誠人氏より発表された。

統合失調症に対する抗精神病薬の有効性および安全性の性差

 抗精神病薬は、精神疾患患者にとって中心的な治療薬であるが、有効性と安全性のバランスをとることが求められる。治療アウトカムを改善するためにも、抗精神病薬の有効性および安全性に影響を及ぼす個別の因子を理解することは重要である。オーストラリア・モナシュ大学のMegan Galbally氏らは、抗精神病薬に関連する有効性および忍容性における性差について、調査を行った。CNS Drugs誌オンライン版2024年5月7日号の報告。  大規模抗精神病薬比較試験であるClinical Antipsychotic Trials of Intervention Effectiveness(CATIE)の第IおよびIa相試験のデータを2次分析した。CATIE試験では、統合失調症患者を経口オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、ziprasidone、ペルフェナジンによる治療にランダムに割り付け、二重盲検治療を行った。評価基準には、陽性陰性症状評価尺度(PANSS)、臨床全般印象度(CGI)、Calgary Depression Rating Scale、自己報告による副作用、服薬コンプライアンス、投与量、体重、さまざまな血液パラメータを含めた。

適正年収、実年収プラス200万円が妥当!?/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2月20日(火)に会員医師1,004人を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で、自身の業務内容や仕事量に見合った適正年収について尋ねたところ、最も回答数が多かったのは2,000~2,500万円(15.2%)、次いで3,000万円以上(12.7%)、1,800~2,000万円(12.6%)、1,400~1,600万円(10.9%)と続いた。また、実際の年収が600~1,800万円の範囲において、各年収層の半数以上が実際の年収より高い金額を希望しており、1,600~1,800円層を除く600~1,600万円の層では実年収に200万円程度上乗せした金額を希望していることが明らかになった。

EGFR-TKI治療後の再発NSCLC、ivonescimab追加でPFSが改善/JAMA

 上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)による治療後に病勢が進行したEGFR変異陽性の局所進行または転移のある非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において、化学療法単独と比較してivonescimab(抗プログラム細胞死-1[PD-1])/血管内皮細胞増殖因子[VEGF]二重特異性抗体)+化学療法は、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善し、安全性プロファイルは忍容可能であることが、中国・中山大学がんセンターのWenfeng Fang氏らHARMONi-A Study Investigatorsが実施した「HARMONi-A試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2024年5月31日号で報告された。

造血幹細胞移植後GVHDにROCK2阻害薬ベルモスジル発売開始/Meiji Seikaファルマ

 2024年5月、Meiji Seikaファルマは造血幹細胞移植後の慢性移植片対宿主病(GVHD)に対する新薬、選択的ROCK2阻害薬ベルモスジル(商品名:レズロック)を発売開始した。本薬剤はKadmon(現サノフィ)が開発したもので米国では2021年に発売されており、今回国内治験が終了し、保険承認、販売開始に至った。6月6日には慢性GVHDと本薬剤についてのプレスセミナーが行われ、北海道大学大学院 血液内科の豊嶋 崇徳氏が「造血幹細胞移植の最新動向と移植後の健康問題」と題した講演を行った。  「造血幹細胞移植には、患者自身の細胞を使う自家移植と、血縁者や白血球の型が合う他人の細胞を使う同種移植があり、近年では自家移植が年間約2,000件超の一方で、同種移植は4,000件弱と倍近く行われている。この背景には、骨髄バンク・さい帯血バンクなどが充実したことや、以前は移植不適とされたHLA(ヒト白血球抗原)が半合致の人からも新たなGVHD予防法の開発によって移植できるようになったことがある。

お酒の種類と血圧の関係

 アルコールの摂取量が血圧と強い正の相関関係を示すことが報告されているが、アルコールの種類が血圧に及ぼす影響についてのデータは十分ではなく、赤ワインは女性において血圧を低下させる可能性、ビールは血管内皮機能に有益な効果を有する可能性が指摘されている。デンマーク・University of Southern DenmarkのGorm Boje Jensen氏らによる10万人以上を対象とした大規模研究の結果、アルコール摂取量は用量依存的に血圧の上昇と関連しており、その影響はアルコールの種類によらず同様であった。The American Journal of Medicine誌オンライン版2024年5月14日号の報告より。  アルコールの種類と摂取量はアンケートにより収集された。参加者は赤ワイン、白ワイン、ビール、スピリッツ、デザートワインの週当たりの摂取量を報告。アルコールの週当たりの総摂取量に応じ、7群に層別化された(0/1~2/3~7/8~14/15~21/22~34/35杯以上、1杯のアルコール量は約12gとして評価)。血圧はデジタル自動血圧計で測定され、週当たりのアルコール摂取量と血圧の関係の評価には、多変量線形回帰モデルを使用。年齢・性別により層別化され、関連する交絡因子が調整された。各アルコールの種類別の評価については、他の種類のアルコールについて調整済みのモデルで解析された。

アルツハイマー病のアジテーションに対するブレクスピプラゾールの有用性〜メタ解析

 最近のランダム化比較試験(RCT)において、アルツハイマー病患者の行動障害(アジテーション)のマネジメントに対するブレクスピプラゾールの有用性が示唆されている。しかし、その有効性および安全性は、まだ明らかとなっていない。ブラジル・Federal University of CearaのGabriel Marinheiro氏らは、アジテーションを有するアルツハイマー病患者を対象にブレクスピプラゾールとプラセボを比較したRCTのメタ解析を実施した。Neurological Sciences誌オンライン版2024年5月20日号の報告。

CKD-MBDガイドライン改訂に向けて新たな治療の方向性を議論/日本透析医学会

 日本透析医学会による『慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD)の診療ガイドライン』の改訂に向けたポイントについて、2024年6月9日、同学会学術集会・総会のシンポジウム「CKD-MBDガイドライン 新時代」にて発表があった。  講演冒頭に濱野 高行氏(名古屋市立大学病院 腎臓内科・人工透析部)が改訂方針について、「CKD-MBDの個別化医療を目指して、さまざまなデータを解析して検討を積み重ねてきた。新しいガイドラインでは、患者の背景に合わせた診療の実現へつなげるためのユーザーフレンドリーな内容になるよう努めていきたい」とコメント。続いて、6人の医師が今後の改訂のポイントに関して解説した。

悪性黒色腫への術前ニボルマブ+イピリムマブ、EFSを大きく改善(NADINA)/NEJM

 切除可能なIII期の肉眼的な悪性黒色腫の治療では、ニボルマブによる術後補助療法と比較して、イピリムマブ+ニボルマブによる2サイクルの術前補助療法は無イベント生存率(EFS)が有意に優れ、病理学的奏効も良好であることが、オランダがん研究所のChristian U. Blank氏らが実施した「NADINA試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2024年6月2日号に掲載された。  NADINA試験は、オランダとオーストラリアの施設を中心とする国際的な無作為化第III相試験であり、2021年7月~2023年12月に参加者の無作為化を行った(Bristol Myers Squibbなどの助成を受けた)。  年齢16歳以上の切除可能なIII期の肉眼的な悪性黒色腫で、1つ以上の病理学的に証明されたリンパ節転移および最大3つのin-transit転移を有する患者423例を登録し、術前補助療法としてイピリムマブ+ニボルマブの投与(3週ごと)を2サイクル行う群に212例(年齢中央値60歳[範囲:22~84]、女性33.5%)、術後補助療法としてニボルマブの投与(4週ごと)を12サイクル行う群に211例(59歳[19~87]、36.0%)を割り付けた。

イサツキシマブ+VRd、移植非適応多発性骨髄腫の1次治療に有効/NEJM

 移植が非適応の多発性骨髄腫患者の1次治療において、標準治療であるボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメサゾン(VRd)と比較して抗CD38モノクローナル抗体イサツキシマブ+VRdは、60ヵ月の時点での無増悪生存(PFS)を有意に改善し、イサツキシマブを加えても新たな安全性シグナルの発現は観察されないことが、フランス・リール大学のThierry Facon氏らIMROZ Study Groupが実施した「IMROZ試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2024年6月3日号で報告された。

慢性腎臓病を伴う2型糖尿病に対するセマグルチドの腎保護作用 -FLOW研究から何を学ぶ-(解説:栗山哲氏)

GLP-1受容体作動薬は、LEADER/SUSTAIN-6/REWINDなど2型糖尿病の大規模研究において心血管主要アウトカムのリスク軽減が報告されている。一方、これらの研究で腎イベントは副次項目として設定されており、肯定論はあるものの正確な評価はされていない。今回のFLOW研究は、セマグルチドの効果を、腎疾患イベントを主要評価項目として評価した初の腎アウトカム研究である。慢性腎疾患(CKD)を有する2型糖尿病の成人を対象として、腎臓を主要評価項目とした。標準治療の補助療法として追加したセマグルチド1.0mg週1回皮下注とプラセボを比較した、無作為割り付け、二重盲検、並行群間、プラセボ対照試験のデザイン。両群のベースラインeGFRは、47mL/min/1.73m2である。

ストレスチェックで、その後の精神疾患による長期休職が予測できるか

 労働安全衛生法の改正に伴い、2015年より50人以上の労働者がいる事業所では、ストレスチェックの実施が義務化された。京都大学の川村 孝氏らは、ストレスチェックプログラムを用いた従業員の精神疾患による長期病欠の予測可能性を検討した。Journal of Occupational and Environmental Medicine誌2024年5月1日号の報告。  対象は、2016〜18年に精神疾患の長期病欠を取得した大学職員。対象者と性別、年齢、職種が一致した職場に出勤している大学職員を対照群に割り当てた。57項目の質問票より得られたデータの分析には多変量回帰分析を用い、最終的に予測モデルを開発した。2019年に検証を行った。

糖尿病とがんの相互関連性、最新の知見は?/日本糖尿病学会

 近年、糖尿病とがんの相互関連性が着目されており、国内外で研究が進められている。日本では、2013年に日本糖尿病学会と日本癌学会による糖尿病とがんに関する委員会から、医師・医療者・国民へ最初の提言がなされた。糖尿病は全がん、大腸がん、肝がん、膵がんの発症リスク増加と関連するとされている。5月17~19日に開催された第67回日本糖尿病学会年次学術集会で、シンポジウム11「糖尿病とがんをつなぐ『腫瘍糖尿病学』の新展開」において、能登 洋氏(聖路加国際病院内分泌代謝科)が「糖尿病とがんの関係 2024 update」をテーマに講演を行った。講演の主な内容は以下のとおり。

くも膜下出血の発症リスクが上がる/下がる薬は?

 オランダ・ユトレヒト大学医療センターのJos P. Kanning氏らは、動脈瘤によるくも膜下出血(aSAH:aneurysmal subarachnoid hemorrhage)の発症リスクを下げるとされる処方薬として、5剤(リシノプリル[商品名:ロンゲスほか]、アムロジピン[同:アムロジンほか]、シンバスタチン[同:リポバスほか]、メトホルミン[同:メトグルコほか]、タムスロシン[同:ハルナールほか])を明らかにした。一方で、aSAHの発症に関連している可能性がある薬剤についても示唆した。Neurology誌オンライン版2024年6月25日号掲載の報告。

導入化学療法後の転移HER2-乳がん、ペムブロリズマブ維持療法で効果持続

 転移のあるHER2-炎症性乳がんおよび炎症性乳がんではないトリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者において、導入化学療法後、ペムブロリズマブ単剤での維持療法で治療効果が持続したことが、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンター/ハワイ大学の岩瀬 俊明氏らによる第II相試験で示された。さらにバイオマーカー試験で、ベースライン時にT細胞クローナリティーが高い患者では、ペムブロリズマブ維持療法により病勢コントロール期間の延長がみられた。Clinical Cancer Research誌2024年6月3日号に掲載。

切除不能大腸がん肝転移に対する肝移植の有効性(TransMet)/ASCO2024

 切除不能な肝転移のある大腸がん(uCLM)に対する現在の標準療法は化学療法(CT)だが、近年肝移植(LT)が有望な結果を示している。こうした背景からLT+CTの併用療法をCT単独と比較した初のランダム化試験TransMetが実施された。米国臨床腫瘍学会年次総会(2024 ASCO Annual Meeting)において、フランス・パリ・サクレー大学のRene Adam氏が本試験の中間解析結果を報告し、LT+CT併用療法が生存率を改善するとの結果に話題が集まった。

切除可能なdMMR大腸がん、ニボルマブ+イピリムマブ術前補助療法が有用/NEJM

 ミスマッチ修復機能欠損(dMMR)の局所進行大腸がん患者において、ニボルマブ+イピリムマブによる術前補助療法の忍容性および安全性は良好であり、高い病理学的奏効を得られたことが、オランダ・Netherlands Cancer InstituteのMyriam Chalabi氏らによる第II相多施設共同単群試験「NICHE-2試験」の結果で示された。dMMR腫瘍は、転移のない大腸がん患者の10~15%に認められ、化学療法の有効性は限られている。小規模なNICHE試験でニボルマブ+イピリムマブによる術前補助療法の有用性が示唆されていたが、さらに多くの症例において有効性と安全性を検討する目的でNICHE-2試験が行われた。NEJM誌2024年6月6日号掲載の報告。

リウマチ性心疾患、低中所得国で死亡率が高い/JAMA

 リウマチ性心疾患(RHD)成人患者の死亡率は高く、弁膜症の重症度と関連しており、一方で弁手術と弁形成術は死亡率の大きな低下と関連していることを、インド・All India Institute of Medical SciencesのGanesan Karthikeyan氏らが、国際多施設共同前向き観察研究「INVICTUS試験」の結果で報告した。RHDは、低中所得国において依然として公衆衛生上の問題となっているが、複数の流行国で患者を登録した大規模研究はほとんどなかった。今回の結果を受けて著者は、「抗菌薬による予防と抗凝固療法を中心とした現在のアプローチに加え、外科的治療とインターベンション治療へのアクセスを改善する必要性が高まっている」とまとめている。JAMA誌オンライン版2024年6月5日号掲載の報告。

aggressive ATLに対する同種造血幹細胞移植の有効性(JCOG0907)/ASCO2024

 成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)のうち、急性型、リンパ腫型、予後不良因子を有する慢性型のATL(aggressive ATL)は予後不良で、化学療法による生存期間中央値は約1年と報告されている。一方、aggressive ATLへの同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)による3年全生存割合(OS)は約40%とされるが、その多くが後ろ向き解析に基づくものである。日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)では、aggressive ATLに対するallo-HSCTの有効性と安全性を検証するため、第III相単群検証的試験(JCOG0907)を実施。琉球大学の福島 卓也氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2024 ASCO Annual Meeting)で結果を発表した。

年収額に満足している診療科は?/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2月20日(火)に会員医師1,004人を対象に、「年収に関するアンケート」を実施した。その中で、自身の年収額を妥当だと思うかどうか尋ねたところ、「そう思う」「ややそう思う」の合計が過半数を超えておおむね満足していることが伺えたが、「まったくそう思わない」と回答した医師も10%存在した。診療科別では、満足している診療科とそうでない診療科の差が明らかとなった。   年収額の妥当性について、全体では「そう思う」が25%、「ややそう思う」が36%、「あまりそう思わない」が29%、「まったくそう思わない」が10%であった。年収別の「そう思う」「ややそう思う」の割合は、600~800万円が44%、800~1,000万円が46%と半数を切ったが、その後は年収が上がるにつれほぼ上昇した。なお、600万円未満の「そう思う」「ややそう思う」は55%で、うち「そう思う」が31%で満足度の高さが目立った。