アルツハイマー病に対する新規疾患修飾薬とリチウムの有用性比較~ネットワークメタ解析

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2024/02/22

 

 米国食品医薬品局(FDA)により承認、または審査中の軽度認知障害およびアルツハイマー病に対する疾患修飾薬(donanemab、レカネマブ、aducanumabなど)と潜在的な疾患修飾薬であるリチウムの臨床的有用性の比較は、これまで十分に行われてなかった。iこころクリニック日本橋の寺尾 樹氏らは、アルツハイマー病に対する疾患修飾薬とリチウムの認知機能低下に対する有効性、忍容性、受容性を比較するため、ランダム効果ネットワークメタ解析を実施した。Ageing Research Reviews誌2024年2月号の報告。

 2023年11月7日までに公表されたランダム化比較試験(RCT)をMEDLINE、CENTRAL、CINHAL、ClinicalTrials,govよりシステマティックに検索し、ランダム効果ネットワークメタ解析を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・8件(6,547例)のRCTをネットワークメタ解析に含めた。
・ミニメンタルステート検査(MMSE)では、リチウムは、donanemab、aducanumab、プラセボよりも有意に優れていた。
・アルツハイマー病評価尺度の認知サブスケール(ADAS-Cog)では、新規疾患修飾薬およびリチウムのいずれも、プラセボと比較し、有意な有効性が認められた。
・臨床認知症評価尺度(CDR)総合得点では、donanemab、レカネマブは、プラセボよりも有意に高かった。
・プラセボと比較し、donanemab、レカネマブは、受容性および忍容性が有意に低かった。
・aducanumabはプラセボよりも忍容性が劣っていた。
・他の比較では、有意な差が認められなかった。

 著者らは「リチウムとdonanemabまたはレカネマブは、どちらがより有効であるかは不明であるものの、リチウムはaducanumabよりも有用である可能性が示唆され、3つの新規疾患修飾薬には、認知機能に対する有効性に差がない」ことを報告し、「低用量リチウムは、新規疾患修飾薬よりも安全である可能性がある」としている。

(鷹野 敦夫)