日本人成人強迫症患者におけるADHD併発の影響
最終更新:2023/08/30

医療一般
これまでの研究において、小児および青年における強迫症と注意欠如多動症(ADHD)との関連が報告されている。しかし、成人における強迫症とADHDとの生涯併発率との関連を調査した研究は、ほとんどなかった。兵庫医科大学の宮内 雅弘氏らは、日本人成人強迫症患者におけるADHDの併発に関連する臨床的および精神病理学的特徴を調査した。Comprehensive Psychiatry誌2023年8月号の報告
日本人成人強迫症患者におけるADHD併発の影響
最終更新:2023/08/30
医療一般
これまでの研究において、小児および青年における強迫症と注意欠如多動症(ADHD)との関連が報告されている。しかし、成人における強迫症とADHDとの生涯併発率との関連を調査した研究は、ほとんどなかった。兵庫医科大学の宮内 雅弘氏らは、日本人成人強迫症患者におけるADHDの併発に関連する臨床的および精神病理学的特徴を調査した。Comprehensive Psychiatry誌2023年8月号の報告
中等症~重症の尋常性乾癬へのリサンキズマブ、5年追跡結果
最終更新:2023/08/30
医療一般
中等症~重症の尋常性乾癬患者に対するリサンキズマブ治療の長期安全性と有効性が報告された。最長5年の継続投与の忍容性は良好であり、持続的かつ高い有効性が示された。ベルギー・Alliance Clinical Research and Probity Medical ResearchのKim A. Papp氏らが、進行中の第III相非盲検延長試験「LIMMitless試験」の中間解析の結果をJournal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2023年8月6日号で報告した。乾癬は慢性の炎症性皮膚疾患で、長期にわたる治療が必要になることが多い。リサンキズマブはヒト化抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤で、IL-23のp19サブユニットに結合し、IL-23の作用を中和することで乾癬による皮膚症状や関節炎などを改善する。
ファイザーとモデルナ、高齢者により安全なワクチンはどっち?
最終更新:2023/08/30
医療一般
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)mRNAワクチンの安全性と有効性は、モデルナ社製ワクチンでもファイザー社製ワクチンでも高いとされている。しかし、高齢者におけるワクチン接種後の有害事象の発生という点では、軍配はモデルナ社製ワクチンに上がるとする研究結果が報告された。米ブラウン大学公衆衛生大学院、老年学・ヘルスケア研究センターのDaniel Harris氏らが米国立老化研究所の資金提供を受けて実施した研究で、詳細は、「JAMA Network Open」に8月2日掲載された。 Harris氏は、「COVID-19にまつわる有害事象の発生リスクは、新型コロナウイルスに自然感染した場合の方が、mRNAワクチンを接種した場合よりもはるかに高い。しかし、世界人口の70%以上が何らかのCOVID-19ワクチンを接種した今となっては、ワクチンの供給についてさほど心配する必要はない」と説明する。そして、現時点で必要とされているのは、どのワクチンを接種するかを決める際の判断材料となる、ワクチンの安全性と有効性に関する詳細な情報だと強調する。
心房・心室の期外収縮は心血管イベントと関連
最終更新:2023/08/30
医療一般
心血管疾患を発症していなくても、ウェアラブル心電計で心室性期外収縮(PVC)または心房性期外収縮(PAC)が検出された人では、心房細動および心不全のリスクが高いという研究結果が、「European Heart Journal - Digital Health」3月号に掲載された論文で明らかにされた。 英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのMichele Orini氏らは、心血管疾患のないUKバイオバンクの参加者5万4,016例〔UKB-1コホート、年齢中央値58歳(四分位範囲50~63)、女性54%〕を対象に、PVCまたはPACと心血管アウトカムとの関連を検討する研究を実施した。
主要な精神疾患に伴う抑うつ症状に主観的な不眠が関与
最終更新:2023/08/30
医療一般
精神疾患の患者に高頻度で見られる抑うつ症状に、不眠が影響を及ぼしていることを表すデータが報告された。大うつ病性障害だけでなく、統合失調症や不安症などの主要な精神疾患の抑うつ症状が不眠と関連しており、そのことが疾患の重症度に影響を及ぼしている可能性も考えられるという。日本大学医学部精神医学系の中島英氏、金子宜之氏、鈴木正泰氏らの研究によるもので、「Frontiers in Psychiatry」に4月24日掲載された。 精神疾患で現れやすい抑うつ症状は、生活の質(QOL)や服薬アドヒアランスの低下、飲酒行動などにつながるだけでなく、自殺リスクの上昇との関連も示唆されている。一方、精神疾患に不眠が併存することが多く、大うつ病性障害(MDD)患者では不眠への介入によって抑うつ症状も改善することが報告されている。ただし、MDD以外の精神疾患での抑うつ症状と不眠の関連はよく分かっていない。MDDと同様にほかの精神疾患でも抑うつ症状と不眠が関連しているのであれば、不眠への介入によって抑うつ症状が改善し、予後に良好な影響が生じる可能性も考えられる。鈴木氏らはこの仮説に基づき、以下の検討を行った。
看護師による簡易型睡眠制限療法が、不眠症に有効/Lancet
最終更新:2023/08/29
ジャーナル四天王
プライマリケアでの不眠症の治療において、看護師による簡易型の睡眠制限療法は、これを行わない場合と比較して、不眠症状を軽減し、費用対効果が優れる可能性があることが、英国・オックスフォード大学のSimon D. Kyle氏らが実施した「HABIT試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2023年8月10日号で報告された。 HABIT試験は、イングランドの35の総合診療施設で実施された優越性を検証する実践的な非盲検無作為化対照比較試験であり、2018年8月~2020年3月に参加者の登録を行った(英国国立健康研究所[NIHR]の医療技術評価プログラムによる助成を受けた)。
IgA腎症のメサンギウム領域に障害をもたらすIgA1は腸管由来が主体?(解説:浦信行氏)
最終更新:2023/08/29
CLEAR!ジャーナル四天王
つい先日のNEJM誌オンライン版(2023年6月16日号)に、欧州における多施設共同研究であるCONVINCE研究の結果が報告された。その結果は、従来のハイフラックス膜の血液透析(HFHD)に比較して、大量置換液使用のオンライン血液透析濾過(HDF)は全死亡を有意に23%減少させたと報告された。それまでの両者の比較はローフラックスHDとの比較が多く、またHFHDとの比較では一部の報告では有意性を示すが、有意性がサブクラスにとどまるものも見られていた。また、置換液量(濾過量+除水量:CV)の事前設定がなされておらず、階層分析で大きなCVが確保できた症例の予後が良好であった可能性も報告され、患者の病状によるバイアスが否定できなかった。本研究においては目標CVが23±1Lと定められ、患者背景にも群間に差はなかった。そのうえでの予後の改善の報告は大変意義の大きいものである。
オミクロン感染した高齢者、再感染リスクが高い!?
最終更新:2023/08/29
医療一般
高齢者は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンの接種率が高いにもかかわらず、SARS-CoV-2オミクロン株への感染および重症化のリスクが高く、とくに介護施設などで共同生活をしている高齢者はそのリスクが高いことが知られている。また、高齢者において、SARS-CoV-2オミクロン株感染後のハイブリッド免疫(ワクチン接種と感染をいずれも経験した人の免疫)の再感染に対する予防効果は明らかになっていない。そこで、カナダ・McMaster UniversityのJessica A. Breznik氏らの研究グループは、介護施設や老人ホームに入所しているワクチン接種済みの高齢者を対象に、SARS-CoV-2感染リスクに関連する因子を検討した。その結果、SARS-CoV-2オミクロン株への感染歴を有する高齢者は再感染リスクが低下せず、むしろ高かったことが明らかになった。本研究結果は、eClinicalMedicine誌オンライン版2023年8月21日号で報告された。
レビー小体型認知症のパーキンソニズムに対するゾニサミド補助療法
最終更新:2023/08/29
医療一般
レビー小体型認知症(DLB)患者のパーキンソニズムに対してレボドパで効果不十分な場合、レボドパの増量とゾニサミド併用の効果および安全性の違いについては、よくわかっていない。大阪大学の池田 学氏らは、レボドパ300mg/日以下で治療されたパーキンソニズムを伴うDLB患者を対象に、ゾニサミド25mg/日併用療法とレボドパ100mg/日増量療法の比較を行った。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2023年7月20日号の報告。 本DUEL研究は、多施設共同ランダム化非盲検並行群間非劣性試験として実施された。観察期間中、レボドパ300mg/日以下で4週間投与を行った。その後患者は、ゾニサミド25mg/日併用群またはレボドパ100mg/日増量群にランダムに割り付けられた。主要評価項目は、16週目および24週目のMDS-UPDRS Part III総スコアの平均変化とした。
頻繁な入浴で長期的な抑うつリスク低減
最終更新:2023/08/29
医療一般
湯に浸かる入浴(浴槽入浴)の頻度と長期的な抑うつ発症との関連を調査した6年にわたるコホート研究の結果、冬に浴槽入浴を頻繁に行う高齢者では新たな抑うつの発症が有意に少ないことを、東京都市大学の早坂 信哉氏らの研究グループが明らかにした。日本温泉気候物理医学会雑誌2023年オンライン版7月24日号掲載の報告。 これまでの研究において、頻繁な浴槽入浴が高い自己評価と関連していることや、介護保険が必要になる可能性が低いことなどが報告されているが、生活習慣としての浴槽入浴が健康にどのような影響を及ぼすかについてはまだ十分に解明されていない。
ビタミンD、p53免疫反応性の消化管がんの再発/死亡を抑制
最終更新:2023/08/29
医療一般
最近発表された無作為化試験のメタ解析では、ビタミンD3補充ががん死亡率に有益な影響を与えることが明らかになっている。今回、東京慈恵会医科大学の菅野 万規氏らの研究で、p53免疫反応性を有する消化管がん患者において、ビタミンD補充が再発/死亡リスクを低下させることが明らかになった。JAMA Network Open誌2023年8月22日号に掲載。
PCI後のステント血栓症、P2Y12阻害薬+コルヒチンで減少~MACT Pilot Study
最終更新:2023/08/29
医療一般
PCI後の急性冠症候群(ACS)患者において、PCI翌日からアスピリンを中止、P2Y12阻害薬(チカグレロルまたはプラスグレル)に低用量コルヒチン(0.6mg/日)の併用が有効であることがMACT (Mono Antiplatelet and Colchicine Therapy) Pilot Studyより明らかになった。Journal of the American College of Cardiology Cardiovascular Interventions誌2023年8月14日号掲載の報告。 韓国・高麗大学九老病院のSeung-Yul Lee氏らは、ACS患者に対しPCI直後のチカグレロルまたはプラスグレルP2Y12阻害薬単独療法へのコルヒチン併用は実行可能性があるものなのかを調査するために本研究を行った。対象者は薬剤溶出性ステントで治療されたACS患者を含む200例。
在宅アルブミン尿スクリーニング、最適な方法は?/Lancet
最終更新:2023/08/28
ジャーナル四天王
一般住民におけるアルブミン尿増加の在宅スクリーニングは、採尿器(UCD)法で参加率が高く、アルブミン尿高値ならびに慢性腎臓病(CKD)や心血管疾患のリスク因子を有する個人を正しく同定した。一方、スマートフォンのアプリケーションを用いる方法(スマホアプリ法)は、UCD法より参加率が低く、精密スクリーニングによる個人のリスク因子の正確な評価のためには検査の特異度が低かった。オランダ・フローニンゲン大学のDominique van Mil氏らが、前向き無作為化非盲検試験「Towards Home-based Albuminuria Screening:THOMAS試験」の結果を報告した。結果を踏まえて著者は、「UCDスクリーニング戦略により、CKD患者の進行性腎機能低下と心血管疾患を予防するための早期の治療開始が可能となるだろう」とまとめている。Lancet誌オンライン版2023年8月16日号掲載の報告。
スマホによる介入、不健康な飲酒を抑制/BMJ
最終更新:2023/08/28
ジャーナル四天王
不健康なアルコール使用を自己申告した大学生において、アルコール使用に対する介入としてスマートフォンのアプリケーションへのアクセスを提供することは、12ヵ月の追跡期間を通して平均飲酒量の抑制に有効であることが、スイス・ローザンヌ大学のNicolas Bertholet氏らが実施した無作為化比較試験の結果で示された。若年成人、とくに学生において、不健康なアルコール使用は発病や死亡の主な原因となっている。不健康なアルコール使用者に対する早期の公衆衛生的アプローチとして、世界保健機関(WHO)はスクリーニングと短期的介入を推奨しているが、スマートフォンによる介入の有効性については明らかではなかった。BMJ誌2023年8月16日号掲載の報告。
治療前の統合失調症患者におけるメタボリックシンドローム有病率
最終更新:2023/08/28
医療一般
メタボリックシンドローム(MetS)は、性別により臨床パターンの異なるさまざまな病理学的状態を伴う臨床症候群である。統合失調症患者では、MetS有病率が有意に高いことが知られている。中国・Wuhan Mental Health CenterのKuan Zeng氏らは、初回治療および未治療の統合失調症患者におけるMetS有病率とそれに関連する要因、重症度に影響を及ぼす要因についての性差を調査した。その結果、統合失調症患者のMetS有病率とその要因には、男女間で違いが認められた。女性のほうがMetS有病率は高く、影響を及ぼす要因もより広範であることを報告した。Annals of General Psychiatry誌2023年6月28日号の報告。
過去10年間、日米間の抗がん剤ドラッグラグはどのくらいか
最終更新:2023/08/28
医療一般
抗がん剤の日米間のドラッグラグに関する既存の研究や統計では、ドラッグラグは減少したとするものもあるが、一方で日本では未承認の薬剤が多く残されている。北里大学の立花 慶史氏らは、未承認薬がドラッグラグに与える影響を定量化することを目的とした研究を行い、結果をInternational Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2023年8月10日号に報告した。 本研究では、2011~22年の間に米国で承認された抗がん剤136品目の情報が収集された。米国での承認日から日本での承認日までの日数として定義される承認ラグをすべての選択された薬剤について算出し、中央値をKaplan-Meier法で算出した。なお、日本で承認されていない医薬品の承認ラグについては、打ち切りデータとして扱った。承認ラグと関連する可能性のある因子を、Cox回帰分析を用いて検討した。
静脈血栓塞栓症での長期投与の安全性、DOAC vs.ワルファリン
最終更新:2023/08/28
医療一般
静脈血栓塞栓症(VTE)に対する経口抗凝固薬の投与期間は、海外では初回3~6ヵ月の治療期間からの延長が推奨される場合があるが、直接経口抗凝固薬(DOAC)またはワルファリンの臨床アウトカムの違いは明らかにされていない。そこで、米国・カルフォルニア大学のMargaret C. Fang氏らが急性VTE患者を対象にDOACまたはワルファリンの抗凝固療法の6ヵ月以上の延長による「VTEの再発」「出血による入院」および「全死因死亡の割合」への影響を比較した。その結果、DOAC治療はVTEの再発リスク低下と関連し、臨床アウトカムの観点からVTEの長期治療にDOACの使用を支持すると報告した。JAMA Network Open誌2023年8月1日号掲載の報告。
IgA腎症、新規腸管作用型ステロイドが有効/Lancet
最終更新:2023/08/25
ジャーナル四天王
IgA腎症患者において、ブデソニドの新規の腸管作用型経口剤であるNefeconは、9ヵ月間の治療でプラセボと比較し、臨床的に意義のあるeGFR低下および蛋白尿の持続的な減少をもたらし、忍容性も良好であった。米国・スタンフォード大学のRichard Lafayette氏らが、20ヵ国132施設で実施された2年間の第III相無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「NeflgArd試験」の結果を報告した。IgA腎症は、慢性免疫介在性腎疾患で腎不全の主な原因であり、発症機序には腸粘膜免疫システムが関与している。Nefeconは、ブデソニドが腸管で徐々に放出され腸粘膜で作用するようデザインされている。Lancet誌オンライン版2023年8月14日号掲載の報告。
脳卒中の病院間搬送、推奨時間内に収まらず/JAMA
最終更新:2023/08/25
ジャーナル四天王
急性脳卒中の病院間搬送において、最初の病院の救急部門(ED)到着から転院搬送開始までの時間(door-in-door-out time:DIDO時間)の中央値は174分であり、現在のガイドラインで推奨されている時間(120分以内)よりも長いことを、米国・ミシガン大学のBrian Stamm氏らが、米国心臓協会(AHA)のAmerican Heart Association Get With The Guidelines-Stroke(GWTG-Stroke)レジストリを用いた後ろ向きコホート研究の結果、明らかにした。一刻を争う急性脳卒中の治療は、すべての病院で実施できるわけではなく、しばしば病院間搬送を必要とする。今回の結果について著者は、「DIDO時間の延長に関連する格差や修正可能な医療システム要因は、医療の質の改善に向けた取り組みの目標として適している」と述べている。JAMA誌2023年8月15日号掲載の報告。
JAK阻害薬ルキソリチニブ、造血幹細胞移植後のGVHDに承認取得/ノバルティス
最終更新:2023/08/25
医療一般
ノバルティス ファーマは2023年8月23日、JAK阻害薬ルキソリチニブ(商品名:ジャカビ)について、「造血幹細胞移植後の移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)」の効能又は効果の追加承認を取得した。 移植片対宿主病(GVHD)は、同種造血幹細胞移植で多く認められる移植合併症である。ドナー由来の免疫細胞が、移植を受けた宿主の正常な組織を攻撃することにより引き起こされる。GVHDは急性GVHDと慢性GVHDに分けられる。