日本語でわかる最新の海外医学論文|page:201

ドライバー遺伝子陰性NSCLC、CGP検査で20%超にドライバー遺伝子異常を検出

 肺がんにおいては、診断時にマルチ遺伝子検査によってドライバー遺伝子が調べられることが一般的である。しかし、進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者におけるドライバー遺伝子の種類は年々増加しており、長期生存例などでは十分に調べられていない可能性もある。遺伝子パネル検査(がんゲノムプロファイリング[CGP]検査)が2019年に保険適用となり実施され始めているが、診断時にドライバー遺伝子異常が陰性であった患者のCGP検査でのドライバー遺伝子異常の検出状況は明らかになっていない。そこで、診断時にドライバー遺伝子異常が陰性であった進行NSCLC患者におけるCGP検査の結果が解析され、24.5%にドライバー遺伝子異常が認められた。本研究結果は、京都府立医科大学の石田 真樹氏らによってCancer Science誌オンライン版2024年3月7日号で報告された。

デュルバルマブ+化学療法±オラパリブの進行子宮体がん第III相試験、副次評価項目も改善(DUO-E)/SGO2024

 デュルバルマブ+化学療法による1次治療とデュルバルマブ+オラパリブの維持療法の組み合わせは、進行子宮体がんに対する全生存期間(OS)の延長など有効性を示した。  ベルギー・Cliniques大学のJean-Francois Baurain氏が米国婦人科腫瘍学会(SGO2024)で発表した進行・再発子宮体がんに対する上記レジメンの第III相試験DUO-Eの副次評価項目の結果である。

ビデオ喉頭鏡、手術室での気管内挿管の試行回数を改善/JAMA

 外科的処置時の全身麻酔で気管内挿管を要した成人患者において、直接喉頭鏡と比較してhyperangulatedブレードを用いたビデオ喉頭鏡は、気管内挿管の達成に必要な試行回数を減少させ、挿管失敗のリスクも低いことが、米国・クリーブランドクリニックのKurt Ruetzler氏らが実施した検討で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2024年3月18日号で報告された。  本研究は、米国の単一施設(クリーブランドクリニック)で実施したクラスター無作為化多重クロスオーバー試験であり、2021年3月~2022年12月の期間に参加者を登録した(研究助成はクリーブランドクリニックの支援のみ)。

高リスク局所進行子宮頸がん、ペムブロリズマブ追加でPFS改善/Lancet

 新規に診断された高リスクの局所進行子宮頸がん患者の治療において、PD-1阻害薬ペムブロリズマブを化学放射線療法と併用し、化学放射線療法終了後も継続投与することで、化学放射線療法単独と比較して統計学的に有意で臨床的に意義のある無増悪生存期間(PFS)の改善が得られ、安全性は各レジメンの既知のプロファイルと一致することが示された。イタリア・Fondazione Policlinico Universitario A Gemelli IRCCS and Catholic University of Sacred HeartのDomenica Lorusso氏らが「ENGOT-cx11/GOG-3047/KEYNOTE-A18試験」の結果を報告した。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2024年3月20日号に掲載された。

ゾルベツキシマブ、CLDN18.2陽性の進行胃がんに承認/アステラス

 アステラスは2024年3月26日、ゾルベツキシマブ(商品名:ビロイ)について、CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がんを効能・効果として日本における製造販売承認を取得した。  今回の承認は、CLDN18.2陽性HER2陰性の切除不能な局所進行または転移のある胃/食道胃接合部腺がんの1次治療に対する第III相SPOTLIGHT試験およびGLOW試験の結果に基づいている。両試験とも、ゾルベツキシマブ+化学療法群(mFOLFOX6またはCAPOX)は、主要評価項目である無増悪生存期間および重要な副次評価項目である全生存期間に対し統計的に有意な延長を示している。ゾルベツキシマブ+化学療法群で発現頻度の高かった(20%以上)治療関連有害事象は、悪心、嘔吐、食欲減退、好中球減少症、体重減少であった。なお、CLDN18.2陽性はSPOTLIGHT試験およびGLOW試験スクリーニングされた患者の約38%を占めた。

統合失調症における幻聴の状態と特性のネットワーク局在化

 統合失調症における幻聴の神経回路を調査した神経画像研究では、さまざまな結果が得られているが、ネットワーク局在化により調整される可能性が示唆されている。中国・安徽医科大学のFan Mo氏らは、統合失調症における幻聴の状態および特徴的な脳変化が共通のネットワークに局在化するか否かを調査した。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2024年2月24日号の報告。  統合失調症における幻聴の状態、および特徴的な脳変化を報告した48の研究を特定した。影響を受けた脳のデータを、安静状態の大規模な発見と検証の機能的磁気共鳴機能画像法(fMRI)データベースと統合し、次に機能的結合ネットワークマッピングを活用して、幻聴の状態および特徴の機能不全ネットワークを構築した。

低用量アスピリンは肝脂肪を減らすか?~MASLD対象RCT/JAMA

 脂肪性肝疾患の1つであるMASLD(metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease)は、進行すると肝硬変や肝細胞がん、その他の合併症のリスクが高まるとされている。しかし、本邦においてMASLDに対する治療薬として承認されている薬剤はなく、治療法の開発が望まれている。アスピリンは前臨床研究や観察研究において、MASLDから肝線維化や肝細胞がんへの進展を抑制する可能性が示されており、MASLDの治療薬候補の1つと考えられている。そこで、米国・マサチューセッツ総合病院のTracey G. Simon氏らの研究グループは、海外第II相プラセボ対照無作為化比較試験を実施し、肝硬変を伴わないMASLDに対する低用量アスピリンの治療効果を検討した。その結果、低用量アスピリンは肝脂肪量を減少させることが示された。本研究結果は、JAMA誌2024年3月19日号にPreliminary Communicationとして掲載された。

医療誤情報の生成、防止できるAIは?/BMJ

 大規模言語モデル(LLM)は、患者の遠隔モニタリング、トリアージ、医学教育、管理業務の自動化を改善する大きな可能性を秘めているが、適切な安全措置(safeguard)が施されていない場合、詐欺的または操作的な意図によるコンテンツの大量生成に悪用される可能性がある。オーストラリア・フリンダース大学のBradley D. Menz氏らは、4つのLLMについて検討し、LLMは健康関連の誤情報の生成に悪用される脆弱性を有しており、これに対する十分な対応を欠いているものの、悪用を防ぐための強固な安全措置は実装可能と考えられることを示した。研究の詳細は、BMJ誌2024年3月20日号で報告された。

HER2過剰発現NSCLCへのT-DXd、第II相試験結果(DESTINY-Lung01)/Lancet Oncol

 抗HER2抗体薬物複合体(ADC)トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)は、既治療のHER2遺伝子変異陽性の進行・再発非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とした国際共同第II相試験(DESTINY-Lung02)において有用性が認められ、すでに用いられている。既治療のHER2過剰発現またはHER2遺伝子変異陽性の進行・再発NSCLC患者を対象とした国際共同第II相試験(DESTINY-Lung01)も実施されており、HER2過剰発現の集団における結果が、オランダ・Leiden University Medical CenterのEgbert F. Smit氏らによって、Lancet Oncology誌2024年4月号で報告された。なお、HER2遺伝子変異陽性の集団における結果はすでに報告されている。

うつ病に対する17種類の抗うつ薬の治療反応比較

 うつ病に対する抗うつ薬の治療反応を比較した長期的研究は不足している。デンマーク・Psychiatric Center CopenhagenのLars Vedel Kessing氏らは、うつ病患者に対する6つの抗うつ薬クラス17薬剤における2年間の治療反応を比較するため、システマティック人口ベース全国レジストリデータを報告した。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2024年2月20日号の報告。  対象は、1995~2018年にデンマークの精神科病院で初めてうつ病と診断され、その後抗うつ薬治療を行った入院患者または外来患者10万6,920例。2年間の研究期間において、最初の抗うつ薬治療に反応しなかった患者の定義は、他の抗うつ薬への切り替え、抗精神病薬・リチウムへの切り替えまたは追加、入院とした。分析では、年齢、性別、社会経済的地位、精神症状・身体症状の併存に従って標準化された集団を対象とした試験を参照した。

活性型ビタミンD3がサルコペニアを予防/産業医大

 前糖尿病と糖尿病はサルコペニアの独立した危険因子であることが報告されている。今回、前糖尿病患者への活性型ビタミンD3投与がサルコペニアを予防するかどうか調べた結果、筋力を増加させることでサルコペニアの発症を抑制し、転倒のリスクを低減させる可能性があることが、産業医科大学病院の河原 哲也氏らによって明らかにされた。Lancet Healthy Longevity誌オンライン版2024年2月29日号掲載の報告。  これまでの観察研究では、血清25-ヒドロキシビタミンD値とサルコペニア発症率との間に逆相関があることも報告されている。しかし、ビタミンDによる治療がサルコペニアの発症を防ぐかどうかは不明である。そこで研究グループは、活性型ビタミンD3製剤エルデカルシトールによる治療が前糖尿病患者のサルコペニアの発症を抑制できるかどうかを評価するため、「Diabetes Prevention with active Vitamin D study(DPVD試験)※」の付随研究を実施した。

抗PD-1抗体dostarlimab+化学療法が進行子宮体がんの生存改善(RUBY)/SGO2024

 新たな抗PD-1抗体dostarlimabと化学療法の併用が進行子宮体がんの全生存期間(OS)を改善した。  10年以上ものあいだ、原発進行または再発子宮体がんに対する1次治療は化学療法であった。しかし、長期成績は不良でOS中央値は3年未満であった。進行または再発子宮体がんに対するdostarlimabと化学療法の併用はミスマッチ修復機能欠損(dMMR)/高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)と全集団のOS傾向を初回の中間解析で改善した。米国婦人科腫瘍学会(SGO2024)では、米国・ワシントン大学のMathew A. Powell氏が2回目の中間解析としてOS、無増悪生存期間(PFS)、PFS2および安全性の結果を発表した。

高齢者への2価コロナワクチン、脳卒中リスクは?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するファイザー製またはモデルナ製のいずれかの2価ワクチンを接種後に脳卒中を発症した65歳以上の米国メディケア受給者において、接種直後(1~21日間)に脳卒中リスクが有意に上昇したことを示すエビデンスは確認されなかった。米国食品医薬品局(FDA)のYun Lu氏らが、自己対照ケースシリーズ研究の結果を報告した。2023年1月、米国疾病予防管理センター(CDC)とFDAは、ファイザー製の「BNT162b2」(2価:起源株/オミクロン株BA.4-5)を接種した65歳以上の高齢者における虚血性脳卒中に関する安全性の懸念を指摘していた。JAMA誌2024年3月19日号掲載の報告。

出生率は世界的に低下、2100年までの予測/Lancet

 世界的に出生率が低下しており、2021年は、半数以上の国・地域で人口置換水準値を下回っていたこと、2000年以降の傾向として出生率の下がり方には大きな不均一性がみられ、最低出生率が観察された後にわずかでも回復した国はごく少数であり、人口置換水準値へと回復した国はなかったことが示された。さらには、世界中の出生数の分布が変化しており、とりわけ低所得国が占める割合が増加していたという。米国・ワシントン大学のSimon I. Hay氏らGBD 2021 Fertility and Forecasting Collaboratorsが解析結果を報告した。今回の結果を踏まえて著者らは、「出生率は、将来的に世界中で低下し続け、出生促進政策の実施が成功したとしても低いままとなるだろう。これらの変化は、高所得国における高齢化の進展と労働力の減少に加え、すでに最貧地域で出生率が増加していることで、広範囲にわたる経済的および社会的な影響をもたらすだろう」とまとめている。Lancet誌オンライン版2024年3月20日号掲載の報告。

新型コロナウイルス感染症の認知機能障害は徐々に軽症化している(解説:岡村毅氏)

イングランドで80万例を対象にした、新型コロナウイルス感染症と認知機能の大規模調査である。まだよくわかっていないことの全体像をつかむための研究であり、規模が大きく、情報の確度も高く、適切な時期に適切な報告がなされたと思う。対象者は、期間(無症状/4週以内に完治/12週以内に完治/12週以上かかったが完治/12週以上かかってまだ症状がある)、感染株(オリジナル/アルファ/デルタ/オミクロン)、医療(救急受診/入院/集中治療室)などで分類している。認知機能は、直後再生、空間記憶、語義、抽象思考、空間操作、遅延再生などをみっちりとられる。なかなか大変である。まず、認知機能の全体を見ると、2020年1月に始まった世界的流行であるが、それから時間がたてばたつほどに感染者の認知機能低下は軽くなっている。古い株ほど、また症状の期間が長いほど、認知機能低下は重度である。常識的な結果といえる。

麻疹ワクチン不足、定期接種を最優先に/日医

 日本医師会常任理事の釜萢 敏氏が、2024年3月27日の定例記者会見で、現在の麻疹(はしか)の流行状況について報告した。  麻疹の届け出は、2019年は744例、2020年は10例、2021年は6例、2022年は6例、2023年は28例であったが、本年は3月17日までに20例あり、海外から持ち込まれる麻疹の感染者が着実に増えてきているという認識を示した。そのような中で、麻疹含有ワクチンの接種を希望する人が増え、それによって定期接種のMR(麻疹風疹混合)ワクチンが入手できないという懸念が寄せられているという。

初発統合失調症の脳ネットワークに対するアリピプラゾールの影響

 アリピプラゾールは、初発統合失調症患者のいくつかの脳内ネットワーク間の機能接続を調節し、臨床症状の改善に影響を及ぼす。しかし、統合失調症患者の広範な脳内ネットワーク間の異常接続に対するアリピプラゾールの作用は、依然として不明である。中国・首都医科大学のSitong Feng氏らは、大規模な脳内ネットワークの機能接続に対するアリピプラゾール12週間投与の影響を調査するため、縦断的研究を実施した。Journal of Psychiatric Research誌2024年3月号の報告。

ファセンラ、小児の難治性気管支喘息で製造販売承認(一部変更)取得/AZ

 アストラゼネカは、2024年3月26日付のプレスリリースで、ファセンラ皮下注30mg/10mgシリンジ(一般名:ベンラリズマブ[遺伝子組換え])が、既存治療によっても喘息症状をコントロールできない、6歳以上の小児の難治の気管支喘息患者に対する治療薬として、日本で製造販売承認を取得したと発表した。  ファセンラは、ヒト化抗IL-5受容体αモノクローナル抗体製剤で、好酸球の表面に発現するインターロイキン-5受容体αに直接結合し、増強された抗体依存性細胞傷害活性によって好酸球を直接的に除去する。  既存治療によっても喘息症状をコントロールできない、小児の難治の気管支喘息患者に対する治療の新たな選択肢として、本剤は貢献できる薬剤になりうると期待される。

日本での大腸がん手術の転帰、月~木曜日vs.金曜日

 英国での大規模な後ろ向き研究で、待機的手術における30日以内の死亡リスクが月曜日で最も低く、週末に向けて増加することが報告されている。平日(月~金曜日)の間でもこのように差が見られる「weekday effect」については、まだ議論の余地がある。今回、広島大学の今岡 洸輝氏らは、StageI~III大腸がんの待機的手術を対象とした多施設共同後ろ向き解析を実施し、手術の曜日と短期アウトカムの関連を検討した。その結果、手術を金曜日に受けた患者は金曜日以外に受けた患者より術後合併症の発生率が高く、術後入院期間も長いことがわかった。Journal of Surgical Research誌2024年4月号に掲載。  本研究は、広島臨床腫瘍外科研究グループに属する15施設において、2017年1月~2019年12月に大腸がんの原発巣切除術を受けた2,574例を対象に解析した。手術日により金曜日と金曜日以外(月~木曜日)の2群に分け、傾向スコアマッチング後、30日死亡率と術後アウトカムを比較した。

院外心停止患者への市民による心肺蘇生、AED使用で生存が2倍以上に/日本循環器学会

 院外心停止(OHCA)患者の予後を改善するためには、市民による質の高い心肺蘇生法(CPR)と自動体外式除細動器(AED)の即時使用率をさらに高める必要がある。総務省消防庁は、1994年に市民を対象としたCPRの認定講習会を全国で開始し、2019年には受講者が年間約200万人に及び、認定者数は増加傾向にある。しかし、市民のCPR普及率やOHCA患者の生存率に及ぼす影響については十分に検討されていなかった。そのため、虎の門病院の山口 徹雄氏らの研究グループは、市民介入によるCPRと、患者の1ヵ月後の転帰との関連を評価した。本結果は、3月8~10日に開催された第88回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Cohort Studies 1にて、山口氏が発表した。なお本研究はResuscitation誌2024年2月号に掲載された。