統合失調症患者の入院期間・回数に対する抗精神病薬治療順守の影響

提供元:ケアネット

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公開日:2023/12/13

 

 統合失調症治療における長期的アウトアカムの最適化には、効果的な薬理学的介入が必要とされる。また、服薬アドヒアランスは、統合失調症患者のウェルビーイングにどのような影響を及ぼすかを示す重要な指標の1つである。この服薬アドヒアランスが統合失調症患者の臨床アウトカムに影響することは知られているが、入院期間や再入院の頻度といった因子とどのように関連しているかを調査した研究は十分ではない。インドネシア・パジャジャラン大学のMelisa Intan Barliana氏らは、統合失調症患者の入院期間と入院回数に対する服薬アドヒアランスの影響を調査するため、横断的レトロスペクティブ研究を実施した。その結果、治療アドヒアランスと治療計画は統合失調症患者の性別と有意に関連し、男性患者と女性患者の間に統計学的な有意差があることが示された。Patient Preference and Adherence誌2023年11月1日号の報告。

 対象は、インドネシア・West Java Psychiatric Hospitalの統合失調症患者157例。人口統計、併存疾患、罹病期間、抗精神病薬のアドヒアランス、入院期間、入院回数などのデータを患者の医療記録より収集した。すべてのデータの分析には、カイ二乗検定を用いた(有意水準:p<0.05)。

 主な結果は以下のとおり。

・対象となったすべての統合失調症入院患者のうち、アドヒアランス不良であった患者の割合は88%であった。
・治療中断/中止を伴うアドヒアランス不良の患者では、30日以上の入院期間の割合が最も高かった(40.7%)。一方、アドヒアランスが良好で定期的な治療を行っていた患者では、入院回数が5回未満の患者の割合が最も高かった(94.4%)。
・統計学的結果では、治療アドヒアランス(p=0.043)および治療計画(p=0.014)と性別との間に有意な関連が認められた。
・統合失調症の男性患者と女性患者の違いには、統計学的に有意な差が認められた(p=0.000)。
・他の変数が臨床的関連性を示す可能性があるものの、それらの統計学的有意性は認められなかった。

(鷹野 敦夫)