日本人を含むアジア人を対象にした、リキシセナチド1日1回投与の有効性

提供元:ケアネット

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公開日:2012/05/18

 



アジア人の2型糖尿病患者を対象とした、リキシセナチド1日1回投与の有効性と安全性に関するデータが示された。スルホニル尿素薬(SU薬)併用の有無にかかわらず、基礎インスリン投与下で、GLP-1受容体作動薬のリキシセナチドを1日1回追加投与することで、プラセボ群に比べ、HbA1cが有意に低下することが明らかになった。

これは、日本人を含むアジア人2型糖尿病患者を対象に検討した臨床第3相試験「GetGoal-L-Asia」試験の結果である。関西電力病院院長の清野氏らの報告によるもので、SU薬併用の有無にかかわらず、基礎インスリンを投与されている、日本、台湾、フィリピン、韓国のアジア4ヵ国から登録した311例(リキシセナチド群n=154、プラセボ群n=157)が対象。リキシセナチド追加による効果をHbA1c変化値の観点から検討することを目的に実施された。主要評価項目は24週後のHbA1c値の変化である。無作為化二重盲検比較試験。

主な結果は以下のとおり。

・リキシセナチド1日1回投与群の24週時点でのHbA1c値の変化は、プラセボと比べ
-0.88%(95%信頼区間:-1.116~‐0.650 , p<0.0001 )と有意な改善を認めた。
・目標到達率からみると、HbA1c値が「6.5%以下」に改善したのがリキシセナチド群17.8%(プラセボ群1.3%)、「7.0%未満」に到達したのはリキシセナチド群35.6%(プラセボ群5.2%)と、ともにリキシセナチド群がプラセボ群に比べ有意に高かった。
・24週後の食後2時間血糖値、またSMBGによる7ポイント測定においても、リキシセナチド群がプラセボ群に対し有意に低下していた。
・リキシセナチド群では9.1%が有害事象により治療を中止した。有害事象は、吐き気が最も多かった(39.6%)。症候性低血糖症はリキシセナチド群で42.9%、プラセボ群で23.6%発生した。このうちSU薬を併用していない症例で症候性低血糖症となったのは、リキシセナチド群32.6%、プラセボ群28.3%と有意差はなかった。重篤な低血糖は報告されていない。

(ケアネット 佐藤 寿美)