日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1105

2型糖尿病発病への軌跡は3-6年前に始まる

2型糖尿病発病前の、糖代謝変化のタイミングについては、ほとんどわかっていない。ロンドン大学の疫学・公衆衛生部門のAdam G Tabak氏らは、イギリスでのWhitehall IIスタディ参加者のデータから、2型糖尿病を発病した人の空腹時・食後血糖、インスリン抵抗性、インスリン分泌に関する変化を追跡した結果、発症前3-6年に特徴的な変化が表れていることをつかんだと報告した。Lancet誌2009年6月27日号(オンライン版2009年6月8日号)掲載より。

ロシア成人早死の半数以上はアルコールが原因

アルコールが、ロシア成人死亡の重要な決定因子になっていることは知られるが、死因とアルコール消費量との関連や年代差、男女差などの詳細が、ロシアがんセンターのDavid Zaridze氏らによって明らかになった。報告によると、近年のロシア人男性55歳未満の死の半数以上はアルコールが原因で、ロシアと西欧諸国との成人死亡の最大の違いは、アルコールかタバコかで説明できるとしている。Lancet誌2009年6月27日号より。

GSK 前立腺肥大症治療薬「アボルブ」承認取得、大鵬薬品工業とコ・プロモーションで基本合意

グラクソ・スミスクライン株式会社(GSK)は7日付で、同社の前立腺肥大症治療薬「アボルブカプセル0.5mg」(一般名:デュタステリド、以下「アボルブ」)について前立腺肥大症を効能・効果として、厚生労働省より製造販売承認を取得と発表した。また、GSKと大鵬薬品工業株式会社は、同剤について両社でコ・プロモーションを開始することで基本合意したとのこと。

ゴナールエフが日本国内の女性不妊治療に適応拡大

メルクセローノ株式会社は7日、遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン製剤である「ゴナールエフ皮下注用75」ならびに「ゴナールエフ皮下注ペン450・900」が、視床下部-下垂体機能障害または多のう胞性卵巣症候群に伴う無排卵および希発排卵における排卵誘発の効能追加承認を取得したことを発表した。

小児急性リンパ性白血病治療における予防的頭蓋照射は必要か

予防的頭蓋照射は、中枢神経系(CNS)再発リスクの高い小児急性リンパ性白血病(ALL)の標準治療とされてきたが、長期生存が可能になるにつれてその副作用が問題となっている。聖ユダ小児研究病院(米国テネシー州メンフィス)のChing-Hon Pui氏らのグループは、新たにALLと診断された小児全例で、化学療法と併用される予防的頭蓋照射を除外できるかどうかを調べるため臨床試験を実施した。NEJM誌2009年6月25日号掲載より。

血栓溶解療法後の早期PCIはST上昇型心筋梗塞患者の虚血性合併症予防に有効

経皮的冠動脈形成術(PCI)を施行できない病院に搬送されたST上昇型心筋梗塞患者はしばしば、初回PCIをタイムリーに受けることができないまま、血栓溶解療法を受けることになる。そうした患者の最適な治療についてカナダ・トロント大学South Lake Regional Health CentreのWarren J. Cantor氏らが検討を行った。NEJM誌2009年6月25日号より。

イレッサ、欧州にて非小細胞肺がんを対象に販売承認取得

英国アストラゼネカ社は1日(現地時間)、欧州委員会(EC)にて治療歴を問わず成人のEGFR遺伝子変異陽性の局所進行または転移を有する非小細胞肺がんを対象にイレッサの販売承認を取得したと発表した。承認はイレッサと化学療法を比較した2つの主要な第III相臨床試験、IPASS1とINTEREST2を含む申請資料に基づくもの。

前兆を伴う偏頭痛を経験した中年女性、小脳梗塞様病変の発生が約2倍

中年期に前兆を伴う偏頭痛を毎月経験した女性は、頭痛経験がなかった人に比べ、後年期に、小脳梗塞様病変が発生する割合が約2倍増加することがわかった。なお、前兆のない偏頭痛や、男性の前兆を伴う偏頭痛については、同関連は見られなかったという。米国Uniformed Services大学のAnn I. Scher氏らの調べで明らかになったもので、JAMA誌2009年6月24日号で発表した。

FDAがMultaqを承認 2009年夏に米国で発売予定

フランスのサノフィ・アベンティス社は2日(現地時間)、米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)からMultaq(一般名:dronedarone)400mg錠が承認されたことを発表した。心房細動または心房粗動の患者は、現在の疾病管理を改善する新たな治療選択肢をまもなく得ることができるようになるという。Multaqは、心房細動または心房粗動の患者における心血管系の理由による入院を減少させるという臨床ベネフィットを持つ、米国で承認された初の医薬品。

がん治療薬「ECI301」(蛋白製剤) 米国国立加齢研究所のIRBが臨床開始を承認

株式会社ECIは3日、同社が開発を進めているがん治療薬ECI301(蛋白製剤)に関し、7月2日(US-EDT:米国東部夏時間)、新薬治験開始届(IND:Investigational New Drug)正式承認後行われる米国国立加齢研究所(NIA:National Institute on Aging)の治験審査委員会(IRB :Institutional Review Board)から、臨床試験開始の承認を取得したと発表した。