日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1071

軽度妊娠糖尿病への治療介入

米国オハイオ州立大学産婦人科のMark B. Landon氏らは、軽度の妊娠糖尿病と診断された妊婦への治療介入を行い、妊娠転帰が改善するかを無作為化試験で検証した。米国では全妊娠の1~14%の頻度で生じており、妊娠糖尿病になるとその後糖尿病になるリスクが増すことは認識されている。しかしこれまで妊娠糖尿病の妊娠転帰への臨床上の影響および、治療介入による改善などについては明らかになっていない。NEJM誌2009年10月1日号掲載より。

緑内障による視野の欠けは、クロックチャートを回してチェック!

ファイザー株式会社は10月18日より、日本人の40歳以上の20人に1人が罹患しているといわれる緑内障の啓発活動として、その主な症状である視野欠損のチェックツール「クロックチャート」を新聞展開すると発表した。「クロックチャート」は、近畿大学医学部眼科学教室教授 松本長太氏により開発されたもので、真ん中の赤い点を片眼で見つめたままチャートを回し、周りの生き物が消えるかどうかで視野の欠けをチェックする。

医学生によるネット上の不適切表現、規制方針を設けている医学部は4割弱

米国ジョージワシントン大学医学部のKatherine C. Chretien氏らの調査で、インターネット上のブログやソーシャルネットワーキングサイトなどを通じて情報を発信する医学生に対し、サイト上での不適切表現の使用を規制する方針を設けている学校は、4割に満たないとの実態が明らかになった。JAMA誌2009年9月23/30日号掲載より。

プライマリ・ケア医の疲弊感に対する改善策

バーンアウト(疲弊感)を感じているプライマリ・ケア医に対し、瞑想や自己認識訓練などを含んだ教育プログラムを行うことで、患者への態度や感情障害の程度などが改善することが、JAMA誌2009年9月23/30日号で報告されている。米国ロチェスター大学医学部のMichael S. Krasner氏が、70人のプライマリ・ケア医を対象に行った試験で明らかにした。米国ではプライマリ・ケア医が高いストレスを感じていること、それが疲弊感や消耗感、またケアの質低下に連鎖していることが報告されており、プライマリ・ケア医のおよそ60%が燃え尽き症候群を感じているとの報告はあるものの、それを改善するプログラムやプログラムの評価に関する報告は珍しいという。

秋から冬にかけて、あなたは旅行に行きますか? 『新型インフルエンザと旅行』に関するアンケート調査結果より

株式会社アップルワールドは8日、同社が運営するサイト『アップルワールド.com』にて「新型インフルエンザの旅行への影響」というテーマでユーザーに対して行ったアンケート調査の結果を発表した。「予防をしっかりしていつも通り行く」と答えた人が74%、1割が会社・学校から自粛・禁止指示を受けていた。

携帯電話向け健康管理サービス「リフラ」の提供開始

ソフトバンクリブラ株式会社は、リフレッシュ&リラックスをコンセプトに、携帯電話を使って食事摂取カロリーや体重・体脂肪の記録、24時間365日対応の電話健康相談などが簡単にできる新サービス「リフラ」の提供を10月8日より開始した。これにより、テレコムサービス株式会社およびその代理店が運営する全国約1,000店舗のソフトバンク携帯取扱店(専売店・併売店含む)において、「リフラ」の会員登録の受付を開始するという。

インフルエンザに関する危機意識 「外は危険、家は安心?」意識の境界線は“玄関”だった!

 ダイキン工業株式会社が行ったアンケート調査「インフルエンザに関する危機意識」によると、インフルエンザ流行時でも、自宅の空気が安全だと思う人は約7割にものぼることがわかった。さらに、マスクを外す場所は、「家の中に入る時」(44.0%)と、「家の玄関先で」(31.7%)を合わせて75.7%を記録するなど、ウイルス感染に対する意識として、「家の中は安全」「家の外は危険」といった意識の差が表れた。

サノフィ・アベンティスと米国Merrimack社、MM-121に関してグローバル提携およびライセンス契約を締結

フランスのサノフィ・アベンティス社とMerrimackPharmaceuticals社は7日、固形悪性腫瘍の治療を目的として、ErbB3(HER3)受容体のシグナル伝達を阻害するように設計されたファースト・イン・クラスの完全ヒトモノクローナル抗体MM-121に関して、グローバル提携およびライセンス契約を締結したことを発表した。MM-121は現在臨床試験の第I相段階にあるという。

身体測定と大腿周囲測定で、患者の心疾患リスク、早死にリスクが把握できる?

BMI値低値と除脂肪体重低値が早死にと関連していること、また、BMI値、腹囲、腹囲臀部周囲比率の各値が高値で、臀部周囲が低値であることも同じく早死にと関連していることは知られている。さらに最近の研究では、大腿周囲が低値ほど心血管疾患と全死因死亡リスクが大きくなるとの指摘があり、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のBerit L Heitmann氏らは、検証のため、前向き観察によるコホート研究を行った。BMJ誌2009年9月26号(オンライン版2009年9月3日号)より。

社会的貧困と死亡率との関連は100年経っても変わっていない

英国ランカスター大学人文社会科学学部のIan N Gregory氏は、イギリスおよびウェールズの中で、社会的に貧困状態にある人々に焦点をあてた死亡率の、20世紀初頭と21世紀初頭における変化を調査した。イギリスおよびウェールズは、20世紀において死亡率パターンに劇的な改善が見られた。乳幼児死亡率が激減し、男女とも寿命は30歳以上延び、死因についてもかつては約2割を感染症や寄生虫症が占めていたが、現在は替わって、がん・虚血性心疾患・脳卒中が主因を占める。一方でこの1世紀の間に、貧困は一部地域(行政区)に住まう人々だけのものとなった。そうした人々に焦点をあてた死亡率の変化を見たような国家的研究はほとんどないという。BMJ誌2009年9月19日号(オンライン版2009年9月10日号)より。

手根管症候群に対する手術と非手術的治療、どちらが有効?

手根管症候群の治療では、手術、非手術的治療のいずれもが症状の改善効果を示すが、機能の改善効果は手術が優れ、全体としてより良好な転帰をもたらすことが、アメリカWashington大学医学部放射線科のJeffrey G Jarvik氏らが行った無作為化試験で明らかとなった。手根管症候群は最もよくみられる絞扼性末梢神経障害であり、労働不能の主要原因だという。4つの試験の系統的レビューでは、手術のほうが固定法よりも症状の改善効果が高いことが示されているが、特に軽症例においてさらなる検討が望まれていた。Lancet誌2009年9月26日号掲載の報告。

慢性硬膜下血腫に対する穿頭血腫除去術後のドレナージの有効性を確認

イギリスCambridge大学Addenbrooke’s病院脳神経外科のThomas Santarius氏らは、慢性硬膜下血腫に対する穿頭血腫除去術(burr-hole evacuation)の施行後にドレナージを併用すると、併用しない場合に比べ再発率および死亡率が有意に低減するとの試験結果を、2009年9月26日発行のLancet誌上で報告した。慢性硬膜下血腫は高齢者に多く、今後、世界的な増加が予測されている。重篤な疾患および死亡の原因となり、外科的な血腫除去術のみを施行した場合の再発率は5~30%とされる。血腫除去術後のドレナージは再発を抑制する可能性があるが、一般にイギリスではルーチンには行われていないという。

『Noisy Roommate(厄介な同居人) 過敏性腸症候群(IBS)』に関する2万人の実態調査

 2009年10月6日、過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)に関して行われた2万人の実態調査の結果を受けて、下痢型IBS治療薬ラモセトロン(商品名:イリボー)の販売会社であるアステラス製薬によるプレスセミナーが、島根大学医学部内科学第二 木下 芳一氏(写真)を迎えて開催された。

医療用ICタグを用いた手術器械管理システム 外科手術の臨床試験実施へ

NEC、東京医療保健大学、ICタグ専門メーカのKRDコーポレーションは5日、メス、鉗子などの鋼製小物の手術器械に、洗浄後の再使用の際に必要となる工程である高圧蒸気滅菌などに耐えうる特殊なセラミック型ICタグを取り付け、体内への手術器械の置忘れを防ぐための手術中所在・定数管理や、手術器械の製造・使用・滅菌履歴等を管理するシステムを共同で開発し、埼玉県済生会栗橋病院と東京大学の協力を得て、本システムの外科手術における臨床試験を本年9月から約6ヵ月間行うと発表した。