日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1072

ランタス、デテミルと比較して投与量当たりの有効性において優位性を示す

サノフィ・アベンティス社(フランス、パリ)は9月30日(現地時間)、1 日1回投与で24 時間作用が持続する基礎インスリンであるランタス(一般名:インスリン グラルギン〔遺伝子組換え〕)とインスリン デテミルとの直接比較試験の結果を発表した。同試験結果は、ウィーンで開催された第45 回欧州糖尿病学会(EASD:European Association for theStudy of Diabetes)で発表された。

NPHインスリンと比較して、ランタス1日1回投与の有効性と低血糖リスクの低減効果を確認

サノフィ・アベンティス社(フランス、パリ)は9月30日(現地時間)、ランタス(一般名:インスリン グラルギン〔遺伝子組換え〕)を使用すると、NPH インスリンと比較して夜間低血糖のリスクが有意に低下することを示す新たな解析結果を発表した。別の事後サブ解析の結果では、ランタスを使用している65歳以上の患者において、HbA1c および空腹時血糖値(FBG)がNPH インスリンと比較して大幅に低下することも明らかになったという。これらの解析結果は、ウィーンで開催された第45 回欧州糖尿病学会(EASD:European Association for the Study ofDiabetes)で発表された。

エキセナチドからリラグルチドへの切り替えにより、2型糖尿病患者の血糖コントロールが向上

ノボ ノルディスク社は、第45回欧州糖尿病学会(略称:EASD、オーストリア・ウィーン)において9月30日、2型糖尿病患者が、エキセナチド1日2回投与(10μg)から新規糖尿病薬のリラグルチド1日1回投与(1.8mg)に切り替えることで治療結果がさらに向上したというLEADTM 6延長試験の結果を発表した。

インフルエンザ予防、不活化ワクチン vs. 弱毒性ワクチン、どっちが有効?

季節性インフルエンザワクチンの効力は、種々の因子(接種される人の年齢や健康状態、同型であってもワクチン株のタイプと実際に流行したタイプの抗原性の違いなど)によって異なるのではと言われている。また、認可されているワクチンには不活化ワクチンと弱毒性ワクチンがあり、その違いによる効力の違いも言われている。そこで米国ミシガン大学公衆衛生校疫学部門のArnold S. Monto氏らは、不活化ワクチンと弱毒性ワクチンの効力の違いに関する調査を、2004~2005年インフルエンザシーズンより開始した。18~48歳の健康な男女を対象とする無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、本論は、調査4シーズン目で、インフルエンザA型(H3N2)ウイルスが流行した、2007~2008年期からの報告。NEJM誌2009年9月24日号掲載より。

心房細動患者へのdabigatran vs.ワルファリン:RE-LY試験

脳卒中および死亡リスクを増大する心房細動に対し、ワルファリン(商品名:ワーファリンなど)は、脳卒中リスクを低下する効果がある。しかし出血リスクを増すため、実際に使用されるケースは少なく、中断例も多い。そこで、心房細動患者を対象とした試験で静脈血栓塞栓症予防効果の評価が得られている、新規経口直接トロンビン阻害薬dabigatranと、ワルファリンとを比較する第3相臨床試験(RE-LY試験)が、カナダ・マクマスター大学のStuart J. Connolly氏らによって行われた。試験は2種の用量(110mgまたは150mgを1日2回)について検討され、結果はNEJM誌2009年9月17日号(オンライン版2009年8月30日号)に掲載された。

米国での成人を対象としたインフルエンザA 型(H1N1)ワクチン単回接種後の臨床試験結果を発表

仏サノフィ・アベンティス社は1日(現地時間)、サノフィ・アベンティスグループ(EURONEXT:SANおよびNYSE:SNY)のワクチン事業部門であるサノフィパスツールが同日、18歳から64歳、また65歳以上の成人を対象として、米国ですでに承認されている2009年新型インフルエンザA型(H1N1)単価ワクチンの臨床試験データの中間報告を発表したと公表した。

新型インフルエンザワクチン「CELVAPAN」に、EMEAが承認勧告

米バクスターインターナショナルインクは、ヴェロ細胞培養由来の新型インフルエンザワクチン「CELVAPAN(H1N1株)」について、欧州医薬品庁(EMEA)医薬品委員会(CHMP)による承認勧告を得たことを2日(現地時間)に発表した。EMEAによる承認勧告は、製造販売の承認を示唆するものである。

HIV感染症治療薬「アイセントレス錠400mg」未治療の成人HIV患者の使用が可能に

 万有製薬株式会社は5日、HIV感染症治療薬「アイセントレス錠400mg」(一般名:ラルテグラビルカリウム)の添付文書改訂を受け、未治療の成人HIV患者に対する同剤の使用制限が解除されたことを発表した。これにより、アイセントレス錠400mgは従来の治療経験のある成人HIV患者に加え、未治療の成人HIV患者さんの治療にも使用できるようになった。

うつ状態のレジデントは、医療ミス発生リスクが2.56倍に

米国内科レジデント医を対象に行った調査で、疲労とストレスが増すにつれて、医療ミス増加につながることが明らかにされた。これまでの研究結果では、疲労とストレスを別々に分析した場合で、それぞれが医療ミス増加の原因になっていることは明らかになっていたが、両者を併せて分析した場合については明らかになっていなかった。調査を行ったのは、米国メイヨークリニックのColin P. West氏らで、JAMA誌2009年9月23/30日号で発表した。

限局性前立腺がん保存治療の10年死亡リスク、中等度分化型腫瘍は6~7割減少

限局性前立腺がんで中等度分化型腫瘍の人に対し保存治療を行った場合、10年以内に前立腺がんが原因で死亡するリスクは、1992年以降のデータでは6%と、それ以前の15~23%に比べ6~7割減少したことが明らかになった。近年、前立腺がんのスクリーニングには、前立腺特異抗原(PSA)が使われているが、PSA検査が普及して以降の限局性前立腺がんの保存的治療のアウトカムに関する研究はほとんど行われていなかった。米国Cancer Institute of New JerseyのGrace L. Lu-Yao氏らが、約9万人の前立腺がん患者について行った、コホート試験の結果で、JAMA誌2009年9月16日号で発表している。

「フルダラ錠10mg」、「フルダラ静注用50mg」のコ・プロモーション開始

バイエル薬品株式会社とジェンザイム・ジャパン株式会社は、バイエル薬品が製造販売している「フルダラ錠10mg」、「フルダラ静注用50mg」(一般名:フルダラビンリン酸エステル)について、日本国内でのコ・プロモーションを行うことを決定し、1日より開始したこと発表した。

プロトンポンプ阻害薬の3剤併用によるヘリコバクター・ピロリ除菌療法に係る追加適応を、製薬9社が共同申請

武田薬品工業、アストラゼネカ、田辺三菱製薬、エーザイの4社が、1日、各社が日本において製造・販売しているプロトンポンプ阻害薬(3成分・4ブランド)について、アモキシシリン水和物(一般名)、及びクラリスロマイシン(一般名)またはメトロニダゾール(一般名)を用いた3剤併用による胃MALTリンパ腫、早期胃がんに対する内視鏡的治療後胃、および特発性血小板減少性紫斑病におけるヘリコバクター・ピロリの除菌療法に係る効能・効果追加を、協和発酵キリン、アステラス製薬、大正製薬、アボット ジャパン、塩野義製薬を含む3剤併用療法に係る9社が共同で申請したことを発表した。

ネクサバールが、進行性乳がんににおいて化学療法との併用で無増悪生存期間を70%以上改善

独バイエル ヘルスケア社とオニキス・ファーマシューティカル社は、進行性乳癌に対するネクサバール(ソラフェニブトシル酸塩錠)と経口化学療法剤カペシタビンの併用療法に関する最初の医師主導の臨床試験グループによる無作為化二重盲験プラセボ比較第II相臨床試験において、無増悪生存期間が74%有意に延長されたことを発表した。バイエル薬品株式会社が30日に報告をまとめた。

新型インフルエンザの地域感染発生の突き止め方:イギリス

イギリス、バーミンガムのHealth Protection Agency Realtime Syndromic Surveillance TeamのAlex J Elliot氏らは、今般の新型インフルエンザ(いわゆる豚インフル、A/H1N1)の、イギリスにおける最初の地域感染を突き止めるため、2つのモニタリング方法について評価を行った。1つは、風邪症状あるいはインフルエンザ症状もしくは両方の症状を有し、NHSの健康電話サービスを利用した患者から同意提供を受けた自己検体からの感染結果。もう1つは、Health Protection Agency(HPA)地方マイクロバイオロジー研究室で、インフルエンザ疑い症例に対する臨床アルゴリズムに従い検査が行われた患者検体からの感染結果である。結果報告は、BMJ誌2009年9月12日号(オンライン版2009年8月27日号)にて掲載されている。

医療従事者の新型インフルエンザワクチン接種希望は50%以下:香港

香港大学のJosette S Y Chor氏らは、香港の医療従事者を対象に、プレパンデミックの新型インフルエンザワクチン接種(インフルエンザA型のH5N1またはH1N1)に対する意向について、アンケート調査を行った。調査の目的は、医療従事者の接種希望が、WHO(世界保健機構)が発する警戒レベルによってどれぐらい変化するかを評価することにあったが、警戒レベルによって大きく変わるということはなく、総じて低調だったと報告している。BMJ誌2009年9月12日号(オンライン版2009年8月25日号)より。