エベロリムス、進行性膵神経内分泌腫瘍患者の無増悪生存期間を延長

提供元:ケアネット

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公開日:2011/02/23

 



プラセボ対照の第3相国際共同二重盲検無作為化試験「RADIANT-3」の結果、哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)阻害薬であるエベロリムス(商品名:免疫抑制薬としてサーティカン、抗悪性腫瘍薬としてアフィニトール)は、進行性膵神経内分泌腫瘍患者の無増悪生存期間を有意に延長し、重篤な有害事象の発生率は低いことが示された。米国テキサス州立大学M.D.アンダーソンがんセンターのJames C. Yao氏ら試験グループが報告した。エベロリムスの進行性膵神経内分泌腫瘍についてはこれまで、二つの第2相試験で抗腫瘍活性が示されていた。NEJM誌2011年2月10日号掲載より。

410例を1日1回エベロリムス10mg投与群もしくはプラセボに無作為化
 試験は2007年7月~2009年5月の間、18ヵ国82施設から募った、過去12ヵ月以内に放射線学的進行が認められた低悪性度または中悪性度の膵神経内分泌腫瘍患者410例を、1日1回エベロリムス10mg(207例)またはプラセボ(203例)を投与する群に無作為に割り付け前向きに追跡した。両群とも治療継続のために最適な支持療法(BSC)が併用された。

主要エンドポイントは、intention-to-treat解析による無増悪生存期間とした。

試験中に放射線学的進行が認められた患者には治療割付を示すこととし、プラセボに割り付けられた患者にはオープンにエベロリムス投与の選択肢が示された。

無増悪生存期間、エベロリムス群11.0ヵ月、プラセボ群4.6ヵ月
 エベロリムス群の無増悪生存期間の中央値は11.0ヵ月、プラセボ群は4.6ヵ月だった。エベロリムス群の疾患進行または全死因死亡のハザード比は0.35(95%信頼区間:0.27~0.45、P<0.001)で、進行または死亡の推定リスクを65%減少することが示された。

18ヵ月時点での無増悪生存患者の推定割合は、プラセボ群9%(95%信頼区間:4~16)に対しエベロリムス群は34%(同:26~43)であった。

薬剤関連有害事象としては、口内炎(エベロリムス群64%対プラセボ群17%)、発疹(49%対10%)、下痢(34%対10%)、疲労感(31%対14%)、感染症(おもに上気道感染23%対6%)などで、大半はグレード1または2であった。

グレード3または4のイベントで、エベロリムス群の方がプラセボ群より高頻度であったのは、貧血症(6%対0%)、高血糖(5%対2%)だった。

エベロリムスへの曝露期間の中央値は、プラセボより2.3倍長かった(38週対16週)。

(朝田哲明:医療ライター)