腎臓内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:3

高リスクIgA腎症へのエンドセリンA受容体拮抗薬の腎機能低下抑制効果?(解説:浦信行氏)

エンドセリンA受容体拮抗薬の蛋白尿改善効果はIgA腎症をはじめとして、慢性腎臓病(CKD)や巣状糸球体硬化症等で次々に報告されるようになった。本研究(ALIGN研究)は高リスクIgA腎症を対象とし、エンドセリンA受容体拮抗薬atrasentanが36週での尿蛋白を36.1%有意に減少させたとすでに報告しているが、今回は136週までの最終評価(Lancet誌2026年6月13日号)においても尿蛋白抑制効果に関しては有意であった。主要評価項目のeGFR減少抑制効果は残念ながらp=0.057と傾向にとどまり、後付けである追跡期間を除く132週ではp=0.039であった。

CKDの生命予後・腎予後に対するmGFR評価の意義とeGFRの有用性(解説:浦信行氏)

腎機能評価にはmGFRが最も有用であるが、その煩雑性から生命予後・腎予後との関連を示した成績は少ない。スウェーデンの成人のイオヘキソールを用いたmGFR値とこれらの関連を後ろ向きに評価し、併せてeGFRの有用性を後ろ向きに評価した成績がJAMA誌オンライン版で発表され、追跡期間中央値5.9年の概要がジャーナル四天王(2026年7月3日配信)に掲載された。その結果、mGFR90の群に対してmGFR60ですでに死亡率は1.21倍、腎代替療法導入では実に2.85倍の高頻度であった。この成績はmGFRで60がCKDの閾値であることを明らかにした意義のある研究である。

BMI高値者の肥満症診断は十分か?

 肥満症診断の有無は、BMI高値の人の疾患リスクと関連しているのだろうか。このテーマについて、米国・テキサス大学マクガバン医科大学内科・外科学部肥満医学・代謝機能センターのDeborah B.Horn氏らの研究グループは、CALOR研究において民間のデータベースを使い、BMI基準で肥満に該当する人を診断記録の有無で層別化し、解析した。その結果、日米ともにBMI高値の人では、肥満症診断が十分ではなく、関連疾患の有病率が高いことがわかった。この結果はObesity誌オンライン版2026年7月18日号に掲載された。

体力のある人は加齢に伴う腎機能低下が緩やか/筑波大学

 腎機能が保たれている一般集団において、全身持久力や心肺機能を反映する有酸素性運動能力と、加齢に伴う推算糸球体濾過量の経時的変化(eGFR slope)との関連を調査した結果、有酸素性運動能力が高い人ほど加齢に伴うeGFRの低下速度が緩やかであり、有酸素性運動能力が腎臓に対して保護的な役割を果たす可能性があることを、筑波大学の吉越 駿氏らが示した。Medicine & Science in Sports & Exercise誌オンライン版2026年7月3日号掲載の報告。  慢性腎臓病(CKD)患者では、腎機能低下に伴い有酸素性運動能力も低下することが知られている。

CKM症候群の初期進行でも死亡リスク上昇と関連

 心血管・腎・代謝(CKM)症候群のステージの変化と将来の死亡リスクとの関連を調査した観察研究の結果、ステージ0(CKM関連リスクがない状態)から1(過剰な脂肪蓄積/機能不全の脂肪組織が出現)という初期の進行であっても死亡リスクの上昇と関連し、ステージがより進行するにつれて段階的にリスクが上昇することを、韓国・ソウル大学病院のSehoon Park氏らが示した。Clinical Journal of the American Society of Nephrology誌オンライン版2026年6月12日号掲載の報告。  CKM症候群は、心血管疾患、慢性腎臓病、代謝機能障害が相互に関連しながら進行し、死亡率の上昇につながる恐れのある病態である。

一般的な降圧薬、2型糖尿病患者の腎障害リスク上昇と関連

 高血圧に対して広く処方されている降圧薬が、2型糖尿病患者の腎障害リスクを高める可能性を示唆するデータが報告された。ジヒドロピリジン系カルシウムチャネル拮抗薬(DCCB)が処方されている患者では、腎障害の発生リスクが、同薬が処方されていない患者に比べて33%高いという。ラビン医療センター(イスラエル)のTimna Agur氏らが、第63回欧州腎臓学会学術集会(63rd ERA Congress、6月3~6日、英・グラスゴー)で発表した。  DCCBに該当する具体的な薬剤名としては、アムロジピンやニフェジピンなどが挙げられる。研究者らによると、これらの薬剤は血管を弛緩させることで血圧を低下させるように作用し、糖尿病性腎臓病(DKD)患者に対する追加の降圧治療薬として広く処方されている。

実測GFRおよび推定GFRと、死亡・腎不全との関連/JAMA

 スウェーデンの成人において、実測糸球体濾過量(mGFR)が60mL/分/1.73m2の場合、90mL/分/1.73m2と比較して全死因死亡率および腎不全の発生率が高く、慢性腎臓病(CKD)の定義に用いられる現在の推定GFR(eGFR)の閾値60mL/分/1.73m2が支持されることが示された。また、mGFRと死亡との関連は、血清クレアチニン(cr)値と血清シスタチンC(cys)値に基づき算出したeGFR(すなわちeGFRcr-cys)で最もよく反映されていたが、cr値に基づくeGFRcrは死亡リスクを過小評価し、cys値に基づくeGFRcysは過大評価となることが示された。

糸球体疾患によるCKD、フィネレノンが有用/JAMA

 糸球体疾患を有する非糖尿病性慢性腎臓病(CKD)患者において、フィネレノンにより腎機能低下の抑制、アルブミン尿の減少、および腎不全または著しい腎機能低下リスクの減少が認められた。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のBrendon L. Neuen氏らFIND-CKD Investigatorsが、24の国・地域で実施された第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験「FIND-CKD試験」の、事前に規定された探索的解析結果を報告した。糸球体疾患は、CKDおよび腎不全の主たる原因である。非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬であるフィネレノンは、CKDにおける腎機能低下のリスクを低減するが、糸球体疾患に起因するCKD患者における有効性は不明であった。

CKD合併糖尿病へのセマグルチド、心血管疾患の既往を問わず腎予後を改善(FLOW)

 2型糖尿病と慢性腎臓病(CKD)を併発している患者を対象に、GLP-1受容体作動薬セマグルチドの腎機能への影響を評価したFLOW試験のサブグループ解析の結果、セマグルチドは既往の心血管疾患や将来的なリスクにかかわらず、腎予後および生存を一貫して改善したことが、米国・University of Washington School of MedicineのKatherine R. Tuttle氏らによって示された。Journal of the American College of Cardiology誌2026年6月2日号掲載の報告。  FLOW試験は、2型糖尿病とCKDを有する患者集団において、セマグルチドの腎機能障害進行への影響を検討した二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験。

IgA腎症へのatrasentan、eGFR低下を長期抑制するか/Lancet

 選択的経口エンドセリンA受容体拮抗薬であるatrasentanはIgA腎症患者において、プラセボと比較して2.5年間にわたり蛋白尿を減少させ、腎機能低下を抑制した。この効果はSGLT2阻害薬の併用の有無にかかわらず認められ、忍容性は良好であった。オランダ・フローニンゲン大学のHiddo J. L. Heerspink氏らALIGN study groupが、20ヵ国133施設で実施した第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験「ALIGN試験」の最終解析結果を報告した。同試験の事前に規定された中間解析(36週時点)では、atrasentanはプラセボと比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある蛋白尿の減少をもたらしたことが報告されていた。Lancet誌2026年6月13日号掲載の報告。