腎臓内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

世界初、遺伝子編集ブタ腎臓異種移植後の同種移植/Lancet

 米国・マサチューセッツ総合病院のLeonardo V. Riella氏らは、遺伝子編集ブタ腎臓をヒトへ移植した後、ヒト腎臓同種移植に成功した世界初の症例について報告した。著者は、ブタ腎臓の異種移植によって長期にわたり腎機能を維持でき、臨床的に重大な同種感作や人獣共通感染症を引き起こすことなく、異種移植を終了できたとしている。また、従来の抗体介在性拒絶反応以外の機序が移植腎の晩期障害に関与している可能性が示唆され、腎臓異種移植は長期にわたり透析不要の状態を維持するだけではなく、その後のヒト同種移植への「橋渡し」として機能する可能性があるとまとめている。Lancet誌2026年9月12日号掲載の報告。

GLP-1受容体作動薬/SGLT-2阻害薬の腎保護作用、アルブミン尿の有無で異なる?/BMJ

 メトホルミンで治療中の2型糖尿病患者において、GLP-1受容体作動薬およびSGLT-2阻害薬の投与開始はDPP-4阻害薬と比較して、アルブミン尿を有する患者の腎機能悪化のリスクを低減させることが認められたが、アルブミン尿を有していない患者では腎機能に対する有用性はほとんど示されなかった。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のAlexander Turchin氏らBESTMED collaborating investigatorsが、標的試験エミュレーション研究の結果を報告した。GLP-1受容体作動薬およびSGLT-2阻害薬は、2型糖尿病患者における慢性腎臓病の進行リスクを低下させることが無作為化試験のメタ解析で示されているが、これらの無作為化試験には中等度のアルブミン尿を呈する患者が多く含まれており、その結果をより広範な集団に一般化できない可能性が示唆されていた。BMJ誌2026年9月16日号掲載の報告。

残余リスク可視化へ、Lp(a)コンセンサス・ステートメント公表/日本動脈硬化学会

 日本動脈硬化学会は2026年9月14日、Lp(a)に関する日本版『コンセンサス・ステートメント』を公表した。本ステートメントは、「世界的なエビデンスと日本の疫学的および臨床的現実を統合し、将来の治療および医療システムの発展を支援しつつ、日本に合わせたLp(a)の測定、解釈、リスク層別化、および管理に関する明確な推奨事項を提供することを目標」として作成された。今回、日常診療においてLp(a)測定の普及促進を訴える、日本動脈硬化学会Lp(a)タスクフォースの吉田 雅幸氏(日本動脈硬化学会理事長/東京科学大学 生命倫理センター長・大学院先端倫理医科学分野 教授)が測定法や心血管リスク評価への具体的な活用法など、診療で実践すべき臨床的Key takeawayについて解説した。

イプタコパンがIgA腎症の適応追加/ノバルティス

 ノバルティス ファーマは2026年9月16日、経口補体B因子阻害薬イプタコパン(商品名:ファビハルタカプセル200mg)について、IgA腎症に対する効能又は効果の追加承認を取得したことを発表した。今回の承認により、本剤の効能又は効果は、発作性夜間ヘモグロビン尿症、C3腎症、IgA腎症となった。  今回の承認は、主に国際共同第III相試験(APPLAUSE-IgAN試験)の結果に基づく。本試験は、生検により確認されたIgA腎症患者477例(日本人28例を含む)を対象とし、イプタコパン(200mgを1日2回)またはプラセボを投与して最長24ヵ月間追跡した。イプタコパン群では24ヵ月で推定した年換算eGFR total slopeにおいて、プラセボ群と比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある腎機能低下の抑制を示した。また、腎不全への進行リスクを43%低減し、2年間にわたり尿蛋白の持続的な減少を示した。

米国の20代の8割に心腎代謝症候群の兆候

 米国では多くの若年成人が、将来の心血管・腎・代謝に関する健康リスクを高める状態にあることが明らかになった。米ボストン大学のDonald Lloyd-Jones氏らの研究の結果であり、詳細は「Circulation:Population Health and Outcomes」に8月20日付で掲載された。平均年齢23歳という若年集団を対象とした調査で、参加者の約8割に心腎代謝(CKM)症候群の兆候が認められたという。  CKM症候群とは、代謝性リスク因子、腎疾患、心血管疾患が相互に関連し、心血管疾患の発症・進行リスクを高める状態を指し、米国心臓協会(AHA)によると、その初期兆候として、高血圧、脂質異常、インスリン抵抗性、糖尿病前症などが現れてくるという。

亜鉛欠乏はCKM症候群の進行リスクを高めるか

心血管・腎・代謝(CKM)症候群は、代謝異常、慢性腎臓病(CKD)、心血管疾患が連続的に進展する疾患概念として注目されている。微量元素の1つである亜鉛が欠乏することで心血管・腎アウトカムの悪化をもたらすことが報告されているものの、CKM症候群の進行との関連は十分に明らかでない。今回、台湾・Chi Mei HospitalのKuan-Chieh Tu氏らは、CKMステージ1または2の成人において、亜鉛欠乏はCKMステージ3~4への進行リスク上昇と有意に関連していたことを明らかにした。本研究結果は、Frontiers in Nutrition誌2026年7月23日号に掲載された。

がん既往CKM症候群でもフィネレノンの効果は一貫(FINE-HEART)/Eur Heart J

心血管・腎・代謝(CKM)症候群では、共通のリスク因子や病態機序を背景にがんを併存する患者が少なくない。しかし、がん既往を有するCKM症候群患者において、非ステロイド型ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬フィネレノンの有効性・安全性が同様に得られるかは明らかではない。そこで、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のMihaly Ruppert氏らは、FINE-HEART統合解析を用いて、がん既往の有無別の臨床像、転帰、フィネレノンの治療反応を検討した。その結果、がん既往は全死亡および全入院リスクの上昇と関連したが、フィネレノンの治療効果はがん既往の有無にかかわらず一貫していた。本研究結果は、European Heart Journal誌オンライン版2026年8月18日号に掲載された。

高齢2型糖尿病、SGLT2阻害薬で死亡・透析リスク低く/統数研・横浜市大ほか

 高齢の糖尿病患者への薬物治療では、DPP-4阻害薬だけでなく、近年ではSGLT2阻害薬も使用されている。その一方で、SGLT2阻害薬の75歳以上の成人におけるエビデンス、とくにDPP-4阻害薬との比較データは限られている。このテーマについて野間 久史氏(統計数理研究所/総合研究大学院大学 教授)、後藤 温氏(横浜市立大学医学部 教授)らの研究グループは、レセプトデータなどを基に標的試験エミュレーションを実施した。その結果、SGLT2阻害薬は、DPP-4阻害薬と比較し、全死因死亡および腎臓関連リスクの低下と関連していることが示唆された。Age and Ageing誌2026年8月3日号に掲載。

フィネレノンは非糖尿病CKDのeGFR低下を抑制する(解説:栗山哲氏)

非ステロイド型ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(non-steroidal mineralocorticoid receptor antagonist:nsMRA)であるフィネレノン(商品名:ケレンディア)の非糖尿病慢性腎臓病(CKD)の腎機能低下抑制効果について、最近、二重盲検無作為化比較試験(RCT)のFIND-CKD研究の2報が報告された。1報は非糖尿病CKD患者全体を対象とした解析(Heerspink HJL, et al. N Engl J Med. 2026;395:533-545.)PMID: 42246672であり、もう1報は、そのうち糸球体疾患を有する患者に限定した探索的サブ解析(CLEAR!ジャーナル四天王「フィネレノンは糸球体疾患由来のCKDに対しても腎保護的である可能性がある」)https://www.carenet.com/news/clear/journal/63341である。これらの解析から、フィネレノンには、非糖尿病CKD患者全体でeGFRスロープの低下を遅延化させる腎保護効果があることが示された。

心房細動の新規発症、日本人の腎機能低下はどれくらい?

 新規発症の心房細動(AF)は、腎機能低下を加速させる可能性があるという研究結果が、「JAMA Network Open」に5月14日掲載された。  京都大学の森雄一郎氏らは、就労年齢の成人において、新規発症のAFとその後の腎機能低下との関連を検討するため、後ろ向きコホート研究を実施した。対象は、AFの既往歴、心血管系疾患、末期腎疾患のない、洞調律の35~59歳の健診受診者とした。年次健診の間にAFの新規発症を認めた2万3,510人(AF発症群)を、AFを認めなかった11万7,550人(対照群)と1対5でマッチングした。