腎臓内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:4

フィネレノンが原因疾患や糖尿病の有無を問わずCKD患者の腎・心リスクを低減/Lancet

 原因疾患や血糖値、推算糸球体濾過量(eGFR)、アルブミン尿の程度が異なる慢性腎臓病(CKD)の患者において、非ステロイド型ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬フィネレノンは腎不全単独を含むCKD進行リスクを抑制し、心不全による入院、心血管死および全死因死亡リスクを低下させることが、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のBrendon L. Neuen氏らFIND-CKD, FIDELIO-DKD and FIGARO-DKD Investigatorsが行ったメタ解析の結果で示された。フィネレノンは、2型糖尿病合併CKDにおいて腎関連および心血管系への有益性が示されているが、広範なCKD患者集団における有効性や安全性は評価されていなかった。結果を踏まえて著者は、「フィネレノンは多岐にわたるCKD患者の基礎治療として支持される」と述べている。Lancet誌2026年6月13日号掲載の報告。

疫学研究のメタ解析論文は注意して読まないといけない(解説:折笠秀樹氏)

 メタ解析とは、複数の研究結果の統合解析のことである。対象とする研究は薬剤などの臨床試験(主にRCT)が多いが、ここで扱われたのは疫学研究のメタ解析である。前向きコホートのメタ解析が89報、後ろ向きコホートのメタ解析が35報、全部で124報の疫学研究メタ解析を調査対象とした。論文中の主要アウトカムが、当初計画していたのと同じだったかどうかを調査した。当初計画については、登録サイト(ClinicalTrials.gov)を参照した。  主要アウトカムが論文で変更されていた例が60報(48%)もあった。

IgA腎症の病態に根差したtelitaciceptの治療効果(解説:浦信行氏)

IgA腎症に対するtelitaciceptの治療効果に関してはこれまでもいくつかの報告があり、若年者IgA腎症、6ヵ月の後ろ向き研究、高リスクIgA腎症、また、ごく最近では腎移植後再発IgA腎症などで尿蛋白減少効果が逐次報告されてきた。IgA腎症発症の機序に関わるB細胞活性化因子(BAFF)および増殖誘導リガンド(APRIL)の両者を標的として中和する融合タンパク質製剤であるtelitaciceptの臨床効果には大きな期待が寄せられていた。このtelitaciceptの第III相の二重盲検プラセボ対照無作為化試験(TELIGAN試験)の39週時点での中間解析結果である尿蛋白低減効果が報告され、2026年5月21日掲載のジャーナル四天王にその概要が示されている。

心不全のカリウム至適範囲は4.2〜5.0mmol/L/EHJ

 心不全患者における安全なカリウム至適範囲について、左室駆出率(LVEF)が低下した心不全(HFrEF)と駆出率が保たれた心不全(HFpEF)で同じであるかは明らかにされていない。今回、英国・グラスゴー大学の小野 亮平氏らが心不全患者を対象とした12のランダム化比較試験の個別患者データを用いてメタ解析を実施。その結果、HFrEFおよびHFpEFのいずれにおいても、カリウムの至適範囲は4.2〜5.0mmol/Lであることが示された。本研究結果は、European Heart Journal誌オンライン版2026年5月28日号掲載の報告。

働き盛り世代の心房細動が腎機能低下の加速と関連/京大

 日本の就労世代を対象とした全国規模のコホート研究において、新規に確認された心房細動(AF)は、eGFR低下の加速およびeGFRが30%以上低下するリスクの増加と関連していたことを、京都大学の森 雄一郎氏らが示した。JAMA Network Open誌2026年5月14日号掲載の報告。  AFは心不全や慢性腎臓病(CKD)の合併症としてよく知られているが、就労世代の成人では単独の所見として健康診断で偶然見つかることもある。若年~中年層のAFは将来的な心不全リスク上昇と関連することが知られている一方、その後の腎機能低下と関連するかどうかは明らかになっていない。

糖尿病患者の将来リスクをAI活用で予測/福島医大・日本糖尿病学会ほか

 福島県立医科大学と千葉大学、国立健康危機管理研究機構(JIHS)らの研究グループは、株式会社エフコムとの共同研究により、AIを活用して糖尿病を5つのサブタイプに分類し、将来の合併症・併存症リスク(糖尿病関連腎臓病、透析導入、心血管障害など)を推計するウェブプラットフォーム「福島医大 糖尿病未来予測ナビ」を研究・開発した。このウェブプラットフォームは。5月20日に福島県立医科大学附属病院、日本糖尿病学会、てだこ浦西駅循環器・糖尿病クリニックの各ホームページ上で公開された。

タブネオスの肝機能障害にブルーレター発出/厚労省

 2026年5月21日、厚生労働省は選択的C5a受容体拮抗薬アバコパン(商品名:タブネオスカプセル10mg)について、添付文書の「警告」を新設し、「重要な基本的注意」などを改訂するとともに、「安全性速報(ブルーレター)」により医療関係者などに対して速やかに注意喚起を行うようキッセイ薬品工業に対し指示した。  アバコパンは顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症に対する治療薬で、承認申請時に提出された臨床試験成績を踏まえ、2021年9月の承認当初から、添付文書において重大な副作用として肝機能障害に関する注意喚起がなされていた。

IgA腎症へのtelitacicept、第III相試験の中間解析結果/NEJM

 疾患進行のリスクが高いIgA腎症患者において、新規開発中のtelitaciceptの投与により、プラセボと比較し、39週時点の24時間尿蛋白/クレアチニン比(UPCR)が有意に低下した。中国・北京大学第一医院のJicheng Lv氏らTELIGAN Investigatorsが、同国72施設で行われた第III相の二重盲検プラセボ対照無作為化試験の、事前規定の中間解析の結果を報告した。telitaciceptは、IgA腎症の病態に関与するB細胞活性化因子(BAFF)および増殖誘導リガンド(APRIL)の両方を標的とする組み換え融合タンパク質製剤で、IgA腎症への有効性が期待されている。NEJM誌2026年5月14・21日号掲載の報告。

CKD患者の筋肉の質が死亡リスク増加と関連

 CKD患者において、MRIで評価した筋肉組成異常(筋肉量低下と筋肉内脂肪浸潤)が全死因死亡リスク増加と関連し、筋肉量の低下だけでなく筋肉の質の悪化が死亡リスク予測に重要である可能性が、スウェーデン・Linkoping UniversityのAinhoa Indurain氏らによって示された。Clinical Journal of the American Society of Nephrology誌オンライン版2026年4月14日号掲載の報告。  研究グループは、UK Biobankのデータを用いてCKDを有する患者(eGFRcys<60mL/分/1.73m2)を特定し、MRIで評価した筋肉組成と全死因死亡との関連を検討した。

パーキンソン病患者は腎機能低下リスクが約1.9倍/慶應義塾大

 わが国の全国規模の医療保険請求データと健康診断データを用いた疫学コホート研究の結果、パーキンソン病はその後の腎機能低下リスク上昇と関連していることが、慶應義塾大学の満野 竜ノ介氏らによって示された。Nephrology Dialysis Transplantation誌オンライン版2026年4月15日号掲載の報告。  近年、慢性腎臓病(CKD)や末期腎不全(ESKD)などの腎機能低下がパーキンソン病の発症リスク上昇と独立して関連していることが示されているが、パーキンソン病発症後の腎転帰については十分に検討されていない。そこで研究グループは、大規模集団ベースコホートを用いて、パーキンソン病患者とパーキンソン病のない成人の間で腎機能低下のリスクを比較した。