内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:583

マクロライドと心臓死リスクの関連/BMJ

 デンマーク住民を対象とした大規模コホート研究から、クラリスロマイシン使用と心臓死増大との有意な関連が、とくに女性の使用において見つかったことが、Statens Serum Institute社のHenrik Svanstrom氏らにより報告された。同リスクの増大は、ロキシスロマイシン使用ではみられなかったという。マクロライド系抗菌薬はQT間隔を延長するため、致死的不整脈リスクを増大する可能性が示唆されていた。結果を踏まえて著者は、「今回の所見を臨床での意思決定に取り入れる前に、マクロライド系抗菌薬の広範投与について独立集団で確認を行うことが優先すべき課題である」と提言している。BMJ誌オンライン版2014年8月19日号掲載の報告より。

降圧薬の投与は治療前の心血管リスクで判断すべきか/Lancet

 降圧薬治療による心血管リスクの相対的な抑制効果は、ベースラインの絶対リスクの高低にかかわらずほぼ一定だが、絶対リスクの低下の程度は、ベースラインの絶対リスクが高いほど大きくなることが、スウェーデン・ウプサラ大学のJohan Sundstrom氏らBlood Pressure Lowering Treatment Trialists' Collaboration(BPLTTC)の検討で示された。この知見は、降圧薬治療は血圧の高い集団ではなく心血管リスクの高い集団をターゲットとすべきとの見解を支持するものだという。BPLTTCは本論文を、「リスクに基づくアプローチは、血圧に基づくアプローチよりも費用効果が優れるとともに、治療を要する患者数を減らし、薬剤費を抑制する一方で、脳卒中や心臓発作の回避数を増やす」と締めくくっている。Lancet誌2014年8月16日号掲載の報告。

やはり果糖は高血圧に関連せず

 血圧における果糖の悪影響はほとんどの試験で示されていないが、高血圧における果糖の影響が懸念され続けている。そこで、カナダ・Clinical Nutrition and Risk Factor Modification CenterのViranda H Jayalath氏らは、果糖を含む糖(異性化糖、ショ糖、果糖)摂取と高血圧発症との関連を定量化するため、米国の男女における3つの大規模前向きコホート研究の系統的レビューとメタ解析を行った。その結果、果糖全体の摂取量は高血圧リスク増加と関連していなかったことが報告された。Journal of the American College of Nutrition誌オンライン版2014年8月21日号に掲載。

マイカー通勤をやめて肥満を予防/BMJ

 公共交通機関利用通勤者やアクティブ通勤者(徒歩や自転車を通勤の全部または一部に利用)は、自家用車通勤者と比べてBMIや体脂肪率が有意に低いことが明らかにされた。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のEllen Flint氏らが、英国住民ベースの断面調査の結果、報告した。BMJ誌オンライン版2014年8月19日号掲載の報告より。

Na摂取増による血圧上昇、高血圧・高齢者で大/NEJM

 ナトリウム・カリウム摂取量と血圧とには、非線形の相関がみられ、それらは高塩分食摂取者や、高血圧症、高齢者で顕著であることが、カナダ・マックマスター大学のAndrew Mente氏らPURE研究グループによる検討の結果、明らかにされた。ナトリウム摂取量が高値であるほど血圧値が高値である相関性は報告されている。しかし同関連が、ナトリウムまたはカリウム摂取量の違いや集団の違いで異なるのかについては、これまで検討されていなかった。NEJM誌2014年8月14日号掲載の報告より。