高齢者のNSAIDs使用実態が明らかに オーストラリア・シドニー大学のDanijela Gnjidic氏らによる調査の結果、高齢者において、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は適切に使用されていない可能性が報告された。
ベストマッチの合成薬とベストな試験デザインがもたらした心不全治療のパラダイムシフト(解説:原田 和昌 氏)-245 ここ10年間にFDAより認可された新規の経口心不全治療薬はない(ivabradineも認可せず)。アンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬(ARNI)であるLCZ696は駆出率の低下した心不全(HFrEF)患者において、β遮断薬などの標準治療に上乗せして、ACE阻害薬エナラプリルよりも、死亡および入院リスクを20%有意に抑制した。
国民の3分の1はロコモ予備軍-日整会プレス説明会 9月11日、都内において日本整形外科学会主催によるプレス説明会が10月8日の「骨と関節の日」を前に開催された。説明会では、わが国における骨・運動器関連疾患の現状や今後の対策のほか、「ロコモティブシンドロームの要因としての上・下肢の痛みとしびれ」と題して、日常の愁訴から考えるロコモティブシンドロームについてのレクチャーが行われた。
心房細動合併の心不全、β遮断薬で予後改善せず/Lancet 心房細動合併の心不全患者に対し、β遮断薬は死亡率の低下に結び付かないことが、英国・バーミンガム大学のDipak Kotecha氏らが行ったメタ解析の結果、明らかにされた。著者は、「今回の所見は、β遮断薬をその他の心拍コントロール治療に優先して用いるべきではないことを示すものであり、同患者の予後を改善する標準療法として推奨されないことが示された」と述べている。Lancet誌オンライン版2014年9月2日号掲載の報告より。
デング熱での解熱剤に注意~厚労省がガイドライン配布 9月16日、厚生労働省より全国の地方公共団体の衛生主管部局宛てに「デング熱診療ガイドライン(第1版)」が配布された。本ガイドラインは、全国で131名(9月17日現在)の患者が確認されている中で、一般医療機関への問い合わせも多いことから、9月3日に公開された診療マニュアルの内容を刷新し、あらためて作成されたものである。
「腰痛」に潜む多発性骨髄腫 多発性骨髄腫(MM)は血液悪性腫瘍(形質細胞性腫瘍)の1つであり、悪性リンパ腫や白血病に次いで患者数の多い疾患である。MMは高齢者に多くみられる疾患で代表的な症状の1つに「腰痛」がある。しかし、腰痛を患っている高齢者は多いため、見逃されていることもあるという。
診察室での血圧測定はもういらない?-高血圧診療は、自己測定と薬の自己調整の時代へ(解説:桑島 巌 氏)-240 わが国の高血圧診療は、家庭血圧計で測定した血圧値をもとに降圧薬の増減を判断することが一般的になってきた。診察室血圧値は白衣現象や仮面高血圧を見逃し、適切な血圧管理ができないからである。
各種ダイエット法の減量効果/JAMA アトキンス式(Atkins、低炭水化物[糖質制限]食)やオーニッシュ式(Ornish、低脂肪食)など固有の名称が付されたダイエット法は、実際に良好な減量効果をもたらしていることが、カナダ・トロント大学のBradley C Johnston氏らの調査で示された。個々のダイエット法の優位性については種々の主張があり、どの方法が優れるかは明らかではなかったが、今回の解析では、どれも大きな差はないことが確認された。JAMA誌2014年9月3日号掲載の報告。
「過去の投影」による「未来予測」の限界(解説:後藤 信哉 氏)-239 英国は医療情報のデータベース化が進んでいる。診療の結果の多くはデジタル化され、コンピューターによる解析可能な形式にある。日本でも同じ会社の電子カルテシステムを使用している開業医が500人ほど集まってデータベースを作る気になれば英国以上の物を容易に作成できると思う。