内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:586

日本人女性における大豆摂取と乳がんリスク:系統的レビュー

 日本人女性における大豆摂取と乳がんリスクの関連について、「がん予防法の開発と評価」研究班が疫学的研究をレビューし、その結果をJapanese journal of clinical oncology誌オンライン版2014年1月22日号に報告した。本論文は、健康に関連した生活スタイルとがんとの関連について、既存のエビデンスを評価したレポートの1つである。今回の結果から、著者の岐阜大学教授 永田千里氏らは「日本人女性においては大豆摂取が乳がんリスクをおそらく減少させるだろう」と結論した。

アルツハイマー病とがん死亡リスクの関連~前向き研究(NEDICES)より

 これまでの研究で、アルツハイマー病とがんリスク低下との関連が示されているが、ほとんどの研究は診断未確定の認知症例を除外している。スペイン・12 de Octubre大学病院のJuan Pablo Romero氏らは、高齢者5,278人を含む集団ベースの前向き研究(NEDICES)で、まず検証がなされている方法で認知症の症状がある人々を選別したうえで、認知症が疑われる患者を臨床検査で確認するという2段階の調査方法を用いて、がんによる死亡とアルツハイマー病およびそれ以外の認知症との関連を検討した。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2014年1月21日号に掲載。

2型糖尿病では診断時に肥満な人ほど死亡率が低いのは本当か?/NEJM

 2型糖尿病診断時のBMIと全死因死亡リスクにはJ字型の関係がみられ、標準体重の患者が最もリスクが低いことが、米国ハーバード公衆衛生大学院のDeirdre K Tobias氏らの検討で確認された。2型糖尿病患者における体重と死亡の関連は未解決の問題である。標準体重に比べ過体重や肥満の患者のほうが死亡率が低いことを示唆する報告があり、肥満パラドックス(obesity paradox)と呼ばれている。NEJM誌2014年1月16日号掲載の報告。

夜間血圧は慢性腎臓病の発症に関連~大迫研究

 自由行動下血圧は標的臓器障害との関連が報告されているが、慢性腎臓病(CKD)発症の予測に意味を持つかどうかは確認されていない。仙台社会保険病院の菅野 厚博氏らは、大迫研究(Ohasama Study)において、一般の日本人843人のベースライン時の自由行動下血圧とCKDの発症率との関連を検討した。その結果、夜間血圧がCKD発症の予測因子として日中の血圧より優れており、CKDへの進行リスクの評価には自由行動下血圧測定が有用と考えられることを報告した。Journal of hypertension誌2013年12月号に掲載。

治療抵抗性高血圧に対する腎デナーベーションの治験、一時中断

 米Medtronic社は、1月9日、治療抵抗性高血圧患者を対象とした腎デナーベーションの臨床試験(SYMPLICITY HTN-3)において、試験実施前に計画していた降圧効果が得られなかったとの結果を公表した。なお、データ安全性モニタリング委員会は、試験において安全性には問題ないと発表している。この結果を受けて、倫理的な観点からMedtronic社は、腎デナーベーションに関するすべての臨床試験(日本でのHTN-Japanを含む) を一時中断し、詳細な分析結果より今後の方向性を判断するとしている。

タバコ規制、精神疾患患者には効力弱い/JAMA

 2004~2011年の間に、精神疾患患者においても喫煙率の低下はみられたが、精神疾患を有さない人の低下と比べるとその割合は有意に少なかったことが示された。一方で精神疾患患者の禁煙率は、精神科治療を受けている人が受けていない人と比べて有意に高率だったという。米国・ハーバード・メディカル・スクール/ケンブリッジ・ヘルスアライアンスのBenjamin Le Cook氏らが報告した。米国では大幅な喫煙率低下が進んできたが、「タバコ規制運動」は精神疾患患者よりも一般集団にフォーカスされてきた。精神疾患患者では喫煙率やニコチン依存の割合が高いという背景がある。JAMA誌2014年1月8日号掲載の報告より。

CPAP施行困難な睡眠時無呼吸に対する植込み型デバイス/NEJM

 中等度~重度の閉塞性睡眠時無呼吸の治療法として、新たに開発された植込み型の上気道刺激デバイスが有用であることが、米国・ピッツバーグ大学医療センター・モンテフィオーリ病院のPatrick J. Strollo氏らが実施したSTAR試験で示された。閉塞性睡眠時無呼吸に対しては、持続的気道陽圧法(CPAP)が健康リスクを軽減することが確認されているが、治療へのアドヒアランスが十分でないと効果は低くなる。中等度以上の患者ではCPAPの施行が困難な場合が多い。NEJM誌2014年1月9日号掲載の報告。

患者に「歩け、歩け運動」を勧める具体的なエビデンス(コメンテーター:桑島 巌 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(169)より-

 糖尿病や耐糖能障害例では運動療法が推奨されているが、本研究は「運動療法が心血管イベントを減少させる」というエビデンスを世界規模のコホート研究で実証した点で価値がある。NAVIGATOR試験は、高リスクの耐糖能障害例において、1)インスリン分泌促進薬であるメチグリニド系血糖降下薬ナテグリニド と、2)ARBバルサンタン が各々心血管イベントを抑制するか否かを検討した2×2の介入試験である、いずれの薬物も心血管合併症を抑制するという結果をもたらさなかった。