内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:585

大酒飲みは早死する/Lancet

 ロシアの喫煙男性は、ウオッカ摂取量が多いほど死亡リスクが増大することが、ロシアがん研究センターのDavid Zaridze氏らが、約20万人を対象に行った前向き観察試験で明らかになった。また、その主な原因は、これまでの研究結果で特定されていた事故や自殺といった外因や、上部気道消化管がん、肝臓がんなどの疾患であることも確認されたという。Lancet誌オンライン版2014年1月31日号掲載の報告より。

出生後早期の過体重、青年期肥満の原因となる可能性/NEJM

 5~14歳の子供では、より幼年であるほど肥満の発症率が高い傾向がみられ、とくに幼稚園入園時に過体重の子供の肥満率が高いことが、米国・エモリー大学のSolveig A Cunningham氏らの調査で示された。米国では、BMIの上位5%内に含まれる6~11歳の小児の割合が、1963~65年の4.2%から1999~2000年には15.3%にまで上昇し、21世紀初頭の10年間でほぼプラトーに達したと推測されている。このように、小児肥満の有病率の上昇が指摘される一方で、その発症率については意外なほど知られていないという。NEJM誌2014年1月30日号掲載の報告。

PM2.5/PM10の長期曝露、冠動脈リスク増大と相関/BMJ

 イタリア・ラツィオ州保健局のGiulia Cesaroni氏らは、ヨーロッパの大気汚染曝露コホート研究(ESCAPEプロジェクト)に参加する11コホート・約10万人を平均11.5年追跡したデータを解析した結果、大気中の粒子状物質いわゆるPM2.5やPM10などへの長期曝露と冠動脈イベント発生とが相関していることを明らかにした。その関連は、現在ヨーロッパで定められている制限基準値(PM2.5は年間25μg/m3未満、PM10は40μg/m3未満)以下でも認められたという。結果を踏まえて著者は、「今回の結果は、現状の基準値が死亡率だけを考慮したもので過小評価されていることを示し、基準値を引き下げることを支持するものである」と報告している。BMJ誌オンライン版2014年1月21日号掲載の報告。

うつ病患者とかかりつけ医、認識のギャップが浮き彫りに

 米国・コロラド大学のRobert D Keeley氏らは、うつ病診療におけるプライマリ・ケア医と患者の認識について質的研究を行った。その結果、患者がうつ病であることを受け入れ、治療を求めることについて感じているスティグマを、医師は過小評価する傾向にあること、また患者は十分に時間をかけて医師とディスカッションすることを望んでいるのに対して、医師は長時間のディスカッションが患者にとって不利益をもたらすと考えているなど、医師と患者の認識の相違が浮き彫りになったことを報告した。BMC Family Practice誌オンライン版2014年1月15日号の掲載報告。

新規抗アミロイドβ抗体薬、アルツハイマー病への効果示せず/NEJM

 新たに開発された抗アミロイドβ(Aβ)抗体ソラネズマブは、軽度~中等度アルツハイマー病(AD)患者の認知機能および機能的運動能力を改善しないことが、米国・ベイラー医科大学のRachelle S Doody氏らが行ったEXPEDITION 1およびEXPEDITION 2試験で示された。ソラネズマブはネズミ抗体のヒト化アナログ製剤で、Aβの中枢神経(CNS)から末梢循環への流出を促進することから、ADに有効な可能性が示唆されていた。NEJM誌2014年1月23日号掲載の報告。

サッカーファンの肥満男性のために英プレミアリーグが動く/Lancet

 肥満男性は年々増加しているが、多くの男性が減量プログラムに消極的である。そこで英国・グラスゴー大学のKate Hunt氏らは、スコットランド・プレミアリーグ傘下のサッカークラブに依頼をして、各地域でクラブのコーチが指導を行う減量プログラムを開発し、“サッカーファンの肥満男性”に参加してもらい効果を検証した。実践的無作為化比較試験にて行われた本検討の結果、参加被験者の体重が減少し臨床的効果が認められたという。Lancet誌オンライン版2014年1月20日号掲載の報告より。