内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:386

中年期の健康的な生活様式は平均余命にどう影響?/BMJ

 中年期の健康的な生活様式の順守は、主要慢性疾患(がん、心血管疾患、2型糖尿病)のない平均余命を延長することが、米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のYanping Li氏らによる検討の結果、示された。これまで、修正可能な生活様式因子(喫煙、身体活動、アルコール摂取、体重、食事の質)が、平均余命および慢性疾患発症の両者に影響することは知られていた。しかし、複数の生活様式因子の組み合わせと、主要な疾患(糖尿病、心血管疾患、がんなど)のない平均余命との関わりについて、包括的に検討した研究はほとんどなかったという。BMJ誌2020年1月8日号掲載の報告。

慢性不眠症患者へのベンゾジアゼピン中止のための心理社会的介入~メタ解析

 ベンゾジアゼピン(BZD)の長期使用は慢性不眠症の治療には推奨されておらず、心理社会的介入、とくに不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)がBZD中止への潜在的なオプションとして期待される。杏林大学の高江洲 義和氏らは、慢性不眠症患者に対するBZD使用を中止するために心理社会的介入が有用であるかについて、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Sleep Medicine Reviews誌2019年12月号の報告。

中国と日本の医学研究者は週末や深夜に仕事をする人が多いようだ(解説:折笠秀樹氏)-1169

2012年から2019年にかけて、BMJ/BMJ Open誌に論文が投稿された日時を調べた。加えて、同誌の査読が提出された日時も調べた。週末や深夜に提出されることも多々あり、医学研究者の仕事は9時5時とは限らない現実が明らかになった。国別に分析したところ、中国と日本はダントツで週末や深夜に仕事をする人が多かった。BMJもBMJ Openも大差がなかったので、BMJのデータを見ると、週末・祝日に論文投稿した割合は22%であった。査読提出の割合は31%であった。週末は7分の2(28%)なので、論文執筆は平日に行っているほうが多いが、週末でも22%の割合で仕事をするのはサラリーマンでは考えにくい。論文は本務に位置付けられるが、査読はそうではないので、査読のほうは時間外に行われがちなのだろう。

前糖尿病状態から糖尿病にならないために

 前糖尿病者において、肥満かどうかにかかわらず体重を増加させないことで糖尿病発症リスクを最小限にできることが、国立国際医療研究センターのHuan Hu氏らの研究で示唆された。体重を減らすことは肥満者が前糖尿病状態から正常血糖に戻るのに役立つ一方、体重を維持することは非肥満者が正常血糖に戻るのに役立つ可能性があるという。Clinical Nutrition誌オンライン版2019年12月25日号に掲載。

果物や野菜の摂取とうつ病との関連

 うつ病は、世界的に主要な精神疾患である。韓国における成人のうつ病有病率は、2006年5.6%、2011年6.7%、2013年10.3%と増加が認められる。韓国・建国大学校のSe-Young Ju氏らは、韓国人成人のうつ病の有病率と野菜や果物の摂取との関連を調査するため、韓国の全国データを用いて検討を行った。Journal of Health, Population, and Nutrition誌2019年12月3日号の報告。

高濃度PM2.5への長期曝露、脳卒中リスクを増大/BMJ

 大気中の相対的に高濃度の微小粒子状物質(PM2.5)への長期の曝露により、低濃度PM2.5への長期曝露に比べ、初発脳卒中とそのサブタイプの発生率が増加することが、中国・北京協和医学院のKeyong Huang氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2019年12月30日号に掲載された。北米や欧州では、大気中のPM2.5への長期曝露は、相対的に低濃度(典型的には、≦25μg/m3)であっても、脳卒中の発生と関連することが示されている。一方、大気中の高濃度PM2.5への長期曝露(通常、低~中所得国でみられる)と脳卒中の発生との関連を示すエビデンスはないという。

新型コロナウイルスに関連する患者への対応について/厚生労働省

 中国・湖北省武漢市の当局は20日現在、新型コロナウイルスへの感染者が136人増えて198人となり、3例の死亡が確認されたことを発表している。  一方わが国でも、神奈川県内の医療機関を受診した武漢市の滞在歴がある肺炎患者において、国内で初めて新型コロナウイルス陽性の結果が確認されている。

PM2.5短期曝露、心血管疾患の入院増加と関連/BMJ

 中国において、微小粒子状物質(PM2.5)への曝露は、短期間で現在の規制濃度内であっても、出血性脳卒中を除くすべての主要心血管疾患による入院の増加と関連していることが明らかにされた。中国・華中科技大学のYaohua Tian氏らが、中国の主要184都市で実施した研究結果を報告した。疫学研究では、PM2.5による大気汚染と心血管疾患との正の関連性が報告されてきたが、ほとんどが先進国で実施されたもので、大気汚染レベル、構成、資源が大きく異なる発展途上国でのPM2.5汚染と心血管疾患との関連性は明確にはなっていなかった。BMJ誌2019年12月30日号掲載の報告。

尿酸値を本気で下げる方法とは?

 高尿酸血症の治療には食生活を中心とした生活習慣改善が欠かせないが、無症状の場合も多く、継続的に取り組むことは容易ではない。患者を“本気にさせる”尿酸値を下げる方法や、乳酸菌による尿酸値の上昇抑制効果とは? 2019年11月29日、「疾病リスクマーカーとして注目すべき尿酸値に関する新知見」と題したメディアセミナー(主催:明治)が開催された。久留 一郎氏(鳥取大学大学院医学系研究科)、野口 緑氏(大阪大学大学院医学系研究科)、藏城 雅文氏(大阪市立大学大学院医学研究科)が登壇し、高尿酸値と疾病リスクの関係や患者指導のポイント、生活習慣改善にまつわる新旧のエビデンスについて講演した。

芸術に触れる人は長生き(解説:桑島巖氏)-1166

音楽会や美術館に年に1、2回行く人は行かない人より14%死亡リスクが低く、もっと頻回に2~3ヵ月に1回は行く人では、31%も低いという興味ある成績である。演奏をしたり絵を描かなくとも芸術を見たり聴いたりして楽しむ、いわゆる受容芸術活動できる人が長生きということを、50歳以上(平均65.9歳)の住民6,710人を約14年間追跡した調査でこの論文は明らかにした。