内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:384

認知症関連の行方不明発生とその後の死亡の関連因子

 認知症患者の増加に伴い、認知症に関連する行方不明やその後の死亡が深刻な問題となっている。しかし、認知症関連の行方不明発生率、その後の死亡率、リスク因子についてはよくわかっていない。国立循環器病研究センター研究所の村田 峻輔氏らは、日本の都道府県別に集計されたデータを用いて、生態学的研究を行った。Journal of Epidemiology誌オンライン版2020年6月27日号の報告。  2018年の警察庁の統計より、認知症関連の行方不明とその後の死亡に関するデータを抽出し、これらに影響を及ぼす候補変数として、高齢者の特性、ケア、安全性に関する変数を抽出した。候補変数と行方不明発生率および死亡率との関連は、交絡因子で調整した後、一般化線形モデルを用いて分析した。

新型コロナウイルス診療の手引きをアップデート/厚生労働省

 7月17日、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部は、全国の関係機関ならびに医療機関に向けに作成する「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き」を改訂し、2.2版として発表した。  3月17日に第1版が発行されたこの手引きは、5月18日に第2版が発行され、その後も毎月1回のペースで改訂されている。今回の改訂における主なポイントは以下のとおり。 ・国内データ:直近まで更新 ・診断:遺伝子増幅検査(LAMP法・PCR法)の解説を追加 ・診断:抗原定量検査の解説を追加

医師の2020年夏季ボーナス支給、新型コロナの影響は?

 6~7月と言えば、業務に追われるもボーナス支給日を心待ちに日々励んでいる人が多い時期。ところが今年は新型コロナウイルスの影響で状況は一変。外来患者減などが医療施設の経営に大打撃を与え、医療者の給与や将来設計もが脅かされる事態に発展している。  この状況を受け、ケアネットでは7月9日(木)~15日(水)、会員医師1,014名に「夏季ボーナスの支給状況などに関するアンケート」を実施。その結果、全回答者のうち14.6%は本来支給されるはずの夏季ボーナスが不支給または未定であり、支給された方でも25%は例年より減額されていたことが明らかになった。

マスク着用で医療者のCOVID-19抑制効果が明らかに/JAMA

 マサチューセッツ州最大の医療システムで12の病院と75,000人超の従業員を抱えるMass General Brigham(MGB)は、2020年3月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)において、医療従事者(HCW:health care workers )のCOVID-19の前兆に対する体系的な検査やサージカルマスクを着用した全HCWと患者に対してユニバーサルマスキングを含む多面的な感染対策の研究を実施した。その結果、MGBでのHCWのマスク着用習慣がHCW間の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)陽性率の有意な低下に関連していたと示唆された。また、患者-HCWおよびHCW同士の感染率低下に寄与する可能性も明らかになった。JAMA誌2020年7月14日号リサーチレターでの報告。

新型コロナワクチン、米の第I相試験で全例が抗体獲得/NEJM

 米国・国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)とModerna(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)が共同で開発中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)mRNAワクチン「mRNA-1273」の、第I相臨床試験の結果が発表された。全例で中和抗体が検出され、試験中止について事前に規定した安全性に関する懸念は発生しなかった。米国・カイザーパーマネンテ(Kaiser Permanente Washington Health Research Institute)のLisa A. Jackson氏らmRNA-1273 Study Groupによる報告で、著者は「結果は、本ワクチンのさらなる開発を支持するものであった」とまとめている。NEJM誌オンライン版2020年7月14日号掲載の報告。

COVID-19、1割が軽症でも嗅覚・味覚異常が1ヵ月継続

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状として、嗅覚や味覚の異常が多く報告されている。またCOVID-19を巡っては、回復後1~2ヵ月もなお諸症状がしつこく残るケースが多いことも、これまでの研究で明らかになっている。本研究は、イタリア・パドヴァ大学のPaolo Boscolo-Rizzo氏ら研究グループが、2020年3月19日~22日、同国Treviso Regional HospitalにおいてRT-PCR 検査でSARS-CoV-2陽性と診断された18歳以上の軽症患者202例を対象に、嗅覚・味覚障害の経過を連続的に評価したもの。JAMA otolaryngology-head & neck surgery誌オンライン版2020年7月2日号での掲載。

糖尿病患者にエクササイズ動画を配信/ノボ ノルディスク ファーマ

 新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大により、高血圧や糖尿病などの慢性疾患を抱える患者の診療の手控えに加え、不要不急の外出への遠慮から外での運動機会も減少している。とくに糖尿病では、運動療法は患者にとって食事療法・薬物療法と並ぶ治療の3本柱の1つであり、運動不足により血糖値のコントロール不良が憂慮されている。  ノボ ノルディスク ファーマ株式会社は、こうした状況に鑑み、糖尿病患者の健康維持を目的とした「自宅で簡単にできるエクササイズ動画」を制作し、7月より配信を開始した。  糖尿病患者向けエクササイズ動画は、日本糖尿病協会(理事長:清野 裕)の監修のもと、自身も1型糖尿病である元エアロビクス世界チャンピオンの大村 詠一氏がエクササイズ内容を考案し、自ら動画で実演しているもの。

COVID-19、31ヵ国716例にみる皮膚科症状の特徴は?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、特徴的な皮膚科症状が認められると伝えられている。米国・ハーバード大学医学大学院/マサチューセッツ総合病院皮膚科部門のEsther E. Freeman氏らは、それらの皮膚科症状を特徴付け、根底にある病態生理の解明を促進する目的で、国際レジストリの症例集積研究を行った。その結果、多くの症状は非特異的であったが、COVID-19の病態生理における潜在的な免疫や炎症性反応の解明に役立つ可能性がある知見が得られたという。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2020年7月2日号掲載の報告。  研究グループは、米国皮膚科学会および国際皮膚科学会連盟の国際レジストリを用いて症例集積研究を行い、COVID-19が確認または疑われ、新規発症の皮膚科症状が認められた患者のデータを分析した。

バロキサビル、インフルエンザの家族間感染予防に有効/NEJM

 インフルエンザの家族間感染予防に、バロキサビル マルボキシル(商品名:ゾフルーザ、以下バロキサビル)の単回投与が顕著な効果を示したことが報告された。リチェルカクリニカの池松 秀之氏らによる多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験の結果で、NEJM誌オンライン版2020年7月8日号で発表された。バロキサビルは、ポリメラーゼ酸性タンパク質(PA)エンドヌクレアーゼ阻害作用を有し、合併症リスクの高い外来患者などを含む合併症のないインフルエンザの治療効果が認められている。しかし、バロキサビルの家庭内での曝露後予防効果については、明らかになっていなかった。

COVID-19感染拡大予防に対するフィジカルディスタンスの有効性をグローバルな観点から統計学的に証明(解説:桑島巌氏)-1261

最近、WHOは“ソーシャルディスタンス”を“フィジカルディスタンス”に言い換えた。“社会的距離”では、心理面も含めた距離を含むと誤解されやすいので、単に“物理的”な接触を避けるという適切な用語の変更であろう。そのフィジカルディスタンスが新型コロナ感染拡大を本当に予防できるのかを統計学的に分析したのがこの論文である。「そんなこと当たり前だろう」と誰もが思っていることはしばしば実は違っていたというのはままあるので、そこは科学発祥の地、英国である。武漢や香港などでの局地的な調査報告はあったが、今回はグローバルに149ヵ国でのPD政策とcovid-19抑制効果との関連をoxford covid-19 government response tracker(OxCGRT)のデータを元に統計学的に検証した成績である。