内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:388

浮腫による蜂窩織炎の再発予防、圧迫療法は有効か/NEJM

 下肢の慢性浮腫による蜂窩織炎がみられる患者の予防治療において、圧迫療法は保存的治療に比べ、蜂窩織炎の再発率が低く、蜂窩織炎による入院も抑制される傾向がみられることが、オーストラリア・Calvary Public Hospital BruceのElizabeth Webb氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年8月13日号に掲載された。下肢慢性浮腫は、蜂窩織炎のリスク因子とされる。蜂窩織炎の再発予防には、下肢の着圧衣類(弾性ストッキングなど)の日常的な使用が推奨されているが、その効果に関する臨床試験のエビデンスは乏しいという。  研究グループは、下肢の蜂窩織炎の予防における圧迫療法の有用性を評価する目的で、単一施設での非盲検無作為化試験を実施した(Calvary Public Hospital Bruceの助成による)。

前立腺がん、診断後の肥満は死亡リスクと関連/JCO

 前立腺がん診断後の肥満は、死亡リスクと関連するのか。これまで明らかにされていなかったが、米国・エモリー大学のAlyssa N. Troeschel氏らは大規模コホート研究の結果、限局性前立腺がんなど転移の伴わない前立腺がんの生存者では、診断後の肥満(BMI値30以上)は心血管疾患関連死(CVDM)および全死因死亡の発生頻度が高く、前立腺がん特異的死亡(PCSM)も高まる可能性があることを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「診断後の体重増加は、すべての原因および前立腺がんの結果として、より高い死亡率と関連している可能性がある」と述べている。Journal of Clinical Oncology誌2020年6月20日号掲載の報告。

マスク・手袋などのPPEによる皮膚疾患をどう防ぐか

 COVID-19感染流行の長期化に伴い、フェイスマスク・手袋をはじめとした個人用防護服(PPE)の長期着用を要因とした医療者の皮膚疾患が報告されている。こうした皮膚疾患への対応と予防策について、Seemal R. Desai氏らがJournal of the American Academy of Dermatology誌のリサーチレターで提言している。  サージカルマスク・N95マスク・ゴーグル・フェイスシールドなどのPPEは、マスク表面やストラップの摩擦によって耳の後ろや鼻梁、あるいは顔全体に接触皮膚炎を引き起こす、という報告がある。

日本人女性の食事パターンとうつ病との関連

 健康的な食事や地中海式の食事のような質の高い食事パターンは、うつ病の予防と関連しているといわれている。昭和女子大学の小西 香苗氏は、西洋的な食事パターンとは異なる健康的な日本の食事パターンが、日本人女性の抑うつ症状と関連しているかについて、調査を行った。Public Health Nutrition誌オンライン版2020年7月17日号の報告。  長野県の20~72歳の日本人女性1,337例を対象に横断的研究を行った。うつ症状は、米国国立精神衛生研究所でうつ病の疫学研究用に開発された自己評価尺度(CES-D Scale)を用いて評価を行った。食事パターンは、検証された簡便な食事歴アンケートを用いて評価し、56食品の摂取量から成分分析を行った。

日本人COVID-19死亡例、80代と2型糖尿病併存で最多

 メディカル・データ・ビジョン株式会社(以下、MDV)は、自社診療データベースから新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の死亡事例を調査。その結果、2020年2月~5月までの期間の死亡者は110例(男性:77例 、女性:33例)で、年代別では80代が4割超を占めていることが明らかになった。また、併存疾患では2型糖尿病が最も多かった。  主な結果は以下のとおり。 ・年代別では、90代が17例(15.5%)、80代が48例(43.6%)、70代が33例(30%)、60代が7例(6.4%)、50代が5例(4.5%)だった。100歳以上と40代から下の年齢層はいなかった。

うつを予防する方法(解説:岡村毅氏)-1278

ビタミンDにうつ病を予防する効果はないという残念な結果であった。これを深掘りしてみよう。まず、前提としてさまざまなビタミン、ミネラル、アミノ酸、脂肪酸等がうつ病を予防するのではないかという小さなエビデンスは集積されている。ビタミンDでも同様である。ただし、たとえばビタミンDを摂っている健康な人は、運動もするし、友人も多いし、健康情報もよく知っているのでうつになりにくい可能性はあるだろう(これらを交絡因子という)。したがってうつ病の人と、そうでない人を比べるとビタミン摂取量に差がある可能性はある。

「COVID-19×高血圧」を徹底討論!日本高血圧学会がwebシンポ開催

 COVID-19は依然、収束の兆しが見えず、第2波、第3波を迎え撃つ備えが求められている。日本高血圧学会は8月29日、「高血圧×COVID-19白熱みらい討論」と題し、ライブ配信でシンポジウムを開催する。COVID-19を念頭に置いた新たな高血圧診療のあり方を巡り、各領域のスペシャリストたちが、文字通り白熱した議論を交わす。今回は同学会の学術総会として初の試みとなるウェブ開催であり、参加視聴者とパネリストの垣根を超えたインタラクティブなやり取りも期待できる。参加には事前の予約申し込みが必要で、ウェブの専用ページで8月20日まで受け付けている。

不眠症に対するレンボレキサントの長期有効性・忍容性

 新規デュアルオレキシン受容体拮抗薬レンボレキサント(LEM)の成人不眠症患者に対する長期の有効性および安全性を評価するため、フィンランド・オウル大学のMikko Karppa氏らは第III相ランダム化臨床試験を行い、その結果を報告した。Sleep誌オンライン版2020年6月26日号の報告。  本検討では、6ヵ月のプラセボ対照試験(第1段階)および治療群のみの6ヵ月フォローアップ試験(第2段階)で構成される12ヵ月間の国際多施設ランダム化二重盲検並行群間第III相試験のうち、第1段階の結果が報告された。18歳以上の不眠症患者949例を対象とし、LEM 5mg群、LEM 10mg群、プラセボ群にランダムに割り付けた。エンドポイントである睡眠開始および睡眠継続は、毎日の電子睡眠日誌のデータを用いて分析した。治療中に発生した有害事象(TEAE)は、研究全体を通じてモニタリングを行った。

高用量ビタミンD3投与、50歳以上のうつ病発症を予防せず/JAMA

 米国の50歳以上のうつ病のリスクを有する集団において、ビタミンD3の長期投与はプラセボに比べ、うつ病の新規発生や再発を予防せず、長期的な気分の変化を改善しないことが、米国・マサチューセッツ総合病院のOlivia I. Okereke氏らが行った「VITAL-DEP試験」で示された。研究の詳細は、JAMA誌2020年8月4日号に掲載された。25-ヒドロキシビタミンDの低値は、人生の後半期におけるうつ病のリスクと関連するが、長期にわたる高用量ビタミンD3投与の大規模試験はほとんど行われていないという。

わが国の急性心不全患者の実態は?1万3千例の調査(JROADHF)/日本循環器学会

 急性心不全の入院患者における全国多施設共同後ろ向き観察研究のJROADHF(Japanese Registry Of Acute Decompensated Heart Failure)研究の結果が、第84回日本循環器学会学術集会(2020年7月27日~8月2日)で、井手 友美氏(九州大学医学研究院循環器病病態治療講座)より発表された。全体として、左室収縮能が保持された心不全(HFpEF)が多く、予後は依然として悪いことが示唆された。  JROADHF研究の対象患者は、日本循環器学会が実施している循環器疾患診療実態調査(JROAD)からランダムに抽出した施設で、2013年1月1日~12月31日の1年間にJROAD-DPCに登録された16歳以上の急性心不全の入院患者で、1万3,238例が登録された。