内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:114

飛行機でのコロナ感染リスク、マスクの効果が明らかに~メタ解析

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの拡大は、航空機の利用も主な要因の1つとなったため、各国で渡航制限が行われた。航空業界は2023年末までに回復したものの、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染の多い時期は毎年発生しており注意が必要だ。米国・スタンフォード大学のDiana Zhao氏らは、ワクチン導入前のCOVID-19パンデミック時の民間航空機の飛行時間とSARS-CoV-2感染に関するシステマティックレビューとメタ解析を実施した。

循環器領域の論文著者、男女に差/JACC

 過去10年間の循環器領域の主要4誌のすべての論文について、米国・マウントサイナイ医科大学のRidhima Goel氏らが調査したところ、女性著者の割合は低いままであることがわかった。Journal of the American College of Cardiology誌2024年6月18日号に掲載。著者らは「循環器領域における女性の活躍を促進し公平な機会を提供するために、行動喚起が必要」としている。

女性では短時間睡眠がNAFLD発症と関連

 女性では、短時間睡眠が非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver disease;NAFLD)の危険因子であるとの研究結果が発表された。日本人を対象とする縦断研究として、福島県立医科大学医学部消化器内科学講座の高橋敦史氏らが行った研究であり、「Internal Medicine」に4月23日掲載された。  NAFLDの発症や進行には不健康な生活習慣が関連しており、食習慣や運動などの身体活動に関するエビデンスは確立されている。一方で、睡眠時間とNAFLDのリスクとの関連については研究結果が一致せず、明らかになっていない。

塩分摂取のタイミングが悪いと熱中症のリスクが上昇

 塩分の摂取は熱中症の予防に重要である。しかし、日本の消防士を対象とした新たな研究の結果、不適切なタイミングで塩分を摂取することにより、熱中症のリスクが高まる可能性のあることが明らかとなった。これは福島県立医科大学衛生学・予防医学講座の各務竹康氏らによる研究の結果であり、「PLOS ONE」に1月2日掲載された。  地球温暖化や気候変動により、熱中症のリスクは高まりつつある。特に労働災害の対策は重要であり、厚生労働省は職場における熱中症予防対策を徹底するために毎年キャンペーンを実施しているが、熱中症による死亡者数は過去10年間、減少していない。

適正年収、実年収プラス200万円が妥当!?/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2月20日(火)に会員医師1,004人を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で、自身の業務内容や仕事量に見合った適正年収について尋ねたところ、最も回答数が多かったのは2,000~2,500万円(15.2%)、次いで3,000万円以上(12.7%)、1,800~2,000万円(12.6%)、1,400~1,600万円(10.9%)と続いた。また、実際の年収が600~1,800万円の範囲において、各年収層の半数以上が実際の年収より高い金額を希望しており、1,600~1,800円層を除く600~1,600万円の層では実年収に200万円程度上乗せした金額を希望していることが明らかになった。

お酒の種類と血圧の関係

 アルコールの摂取量が血圧と強い正の相関関係を示すことが報告されているが、アルコールの種類が血圧に及ぼす影響についてのデータは十分ではなく、赤ワインは女性において血圧を低下させる可能性、ビールは血管内皮機能に有益な効果を有する可能性が指摘されている。デンマーク・University of Southern DenmarkのGorm Boje Jensen氏らによる10万人以上を対象とした大規模研究の結果、アルコール摂取量は用量依存的に血圧の上昇と関連しており、その影響はアルコールの種類によらず同様であった。The American Journal of Medicine誌オンライン版2024年5月14日号の報告より。  アルコールの種類と摂取量はアンケートにより収集された。参加者は赤ワイン、白ワイン、ビール、スピリッツ、デザートワインの週当たりの摂取量を報告。アルコールの週当たりの総摂取量に応じ、7群に層別化された(0/1~2/3~7/8~14/15~21/22~34/35杯以上、1杯のアルコール量は約12gとして評価)。血圧はデジタル自動血圧計で測定され、週当たりのアルコール摂取量と血圧の関係の評価には、多変量線形回帰モデルを使用。年齢・性別により層別化され、関連する交絡因子が調整された。各アルコールの種類別の評価については、他の種類のアルコールについて調整済みのモデルで解析された。

アルツハイマー病のアジテーションに対するブレクスピプラゾールの有用性〜メタ解析

 最近のランダム化比較試験(RCT)において、アルツハイマー病患者の行動障害(アジテーション)のマネジメントに対するブレクスピプラゾールの有用性が示唆されている。しかし、その有効性および安全性は、まだ明らかとなっていない。ブラジル・Federal University of CearaのGabriel Marinheiro氏らは、アジテーションを有するアルツハイマー病患者を対象にブレクスピプラゾールとプラセボを比較したRCTのメタ解析を実施した。Neurological Sciences誌オンライン版2024年5月20日号の報告。

ストレスチェックで、その後の精神疾患による長期休職が予測できるか

 労働安全衛生法の改正に伴い、2015年より50人以上の労働者がいる事業所では、ストレスチェックの実施が義務化された。京都大学の川村 孝氏らは、ストレスチェックプログラムを用いた従業員の精神疾患による長期病欠の予測可能性を検討した。Journal of Occupational and Environmental Medicine誌2024年5月1日号の報告。  対象は、2016〜18年に精神疾患の長期病欠を取得した大学職員。対象者と性別、年齢、職種が一致した職場に出勤している大学職員を対照群に割り当てた。57項目の質問票より得られたデータの分析には多変量回帰分析を用い、最終的に予測モデルを開発した。2019年に検証を行った。

くも膜下出血の発症リスクが上がる/下がる薬は?

 オランダ・ユトレヒト大学医療センターのJos P. Kanning氏らは、動脈瘤によるくも膜下出血(aSAH:aneurysmal subarachnoid hemorrhage)の発症リスクを下げるとされる処方薬として、5剤(リシノプリル[商品名:ロンゲスほか]、アムロジピン[同:アムロジンほか]、シンバスタチン[同:リポバスほか]、メトホルミン[同:メトグルコほか]、タムスロシン[同:ハルナールほか])を明らかにした。一方で、aSAHの発症に関連している可能性がある薬剤についても示唆した。Neurology誌オンライン版2024年6月25日号掲載の報告。

年収額に満足している診療科は?/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2月20日(火)に会員医師1,004人を対象に、「年収に関するアンケート」を実施した。その中で、自身の年収額を妥当だと思うかどうか尋ねたところ、「そう思う」「ややそう思う」の合計が過半数を超えておおむね満足していることが伺えたが、「まったくそう思わない」と回答した医師も10%存在した。診療科別では、満足している診療科とそうでない診療科の差が明らかとなった。   年収額の妥当性について、全体では「そう思う」が25%、「ややそう思う」が36%、「あまりそう思わない」が29%、「まったくそう思わない」が10%であった。年収別の「そう思う」「ややそう思う」の割合は、600~800万円が44%、800~1,000万円が46%と半数を切ったが、その後は年収が上がるにつれほぼ上昇した。なお、600万円未満の「そう思う」「ややそう思う」は55%で、うち「そう思う」が31%で満足度の高さが目立った。