内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:116

“Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)

60歳以上の高齢者に対する呼吸器合胞体ウイルス(RSV:Respiratory Syncytial Virus)に対するワクチンの薬事承認を可能にした第III相臨床試験の結果に関しては以前の論評で議論した(CLEAR!ジャーナル四天王-1775)。今回は実臨床の現場で得られたデータを基に高齢者に対するRSVワクチンの“Real-world”での効果(入院、救急外来受診予防効果)を検証し、高齢者に対するRSVワクチン接種を今後も積極的に推し進めるべき根拠が提出されたかどうかについて考察する。

SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ

 近年、SGLT2阻害薬は実験レベルでさまざまながん種に対する抗腫瘍効果が示唆されている。臨床においても、無作為化試験や観察研究などでSGLT2阻害薬とがん発症リスクとの関係が検討されているが結論は出ておらず、一般的にがん発症率が低いことを考慮すると大規模な疫学コホートでの検討が必要となる。今回、東京大学/国立保健医療科学院の鈴木 裕太氏らが全国規模の疫学データベースを用いて、SGLT2阻害薬またはDPP-4阻害薬を処方された患者におけるがん発症率を調べた結果、SGLT2阻害薬のほうががん発症リスクが低く、とくに大腸がんの発症リスクが低いことがわかった。Diabetes & Metabolism誌2024年11月号に掲載。

対象患者選択の重要性を再認識させられた研究(解説:野間重孝氏)

本研究はコルヒチンの虚血性心疾患に対する2次効果を検討した3つ目の研究に当たる。今回の研究に先行する2つの研究については次に示すので、ぜひご一読されたい。これは、評者自身が過去2回にわたり論文評を担当しており、内容が重複してしまう可能性があるためである。この点について、すでにご存じの方にはご容赦いただきたい。大抵の方々にとっては虚血性心疾患とコルヒチンの関係そのものに首をかしげる向きがあると考えるが、そのあたりについても評では簡単にではあるが解説した。

SGLT2阻害薬やMR拮抗薬などで添文改訂指示/厚労省

 2024年12月17日、厚生労働省はSGLT2阻害薬やミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MR拮抗薬)などに対して、添付文書の改訂指示を発出した。  SGLT2阻害薬はこれまでにもケトアシドーシスに関連した注意喚起がなされていたが、投与中止後の尿中グルコース排泄およびケトアシドーシスの遷延に関連する症例が集積し、現行の注意喚起からは予測できない事象と結論付けられたことから、重要な基本的注意の項に「本剤を含むSGLT2阻害薬の投与中止後、血漿中半減期から予想されるより長く尿中グルコース排泄及びケトアシドーシスが持続した症例が報告されているため、必要に応じて尿糖を測定するなど観察を十分に行うこと」が新たに追記される。

エンシトレルビルとモルヌピラビル、妊婦禁忌の注意を強化/PMDA

 医薬品医療機器総合機構(PMDA)は12月17日、新型コロナウイルス感染症治療薬のエンシトレルビル フマル酸(商品名:ゾコーバ錠)およびモルヌピラビル(商品名:ラゲブリオカプセル)について、妊娠する可能性のある女性への投与における適正使用のお願いを発出した。  新型コロナウイルス感染症の経口抗ウイルス薬であるエンシトレルビルおよびモルヌピラビルは、催奇形性リスクを有することから、妊婦または妊娠している可能性のある女性への投与は禁忌とされている。一方で、各薬剤の投与後に妊娠が判明した症例の報告が現在も継続している。これまでに、エンシトレルビルで54例、モルヌピラビルで19例が報告されている。

レムデシビルの添付文書改訂、「重度の腎障害患者への投与は推奨しない」を削除

  新型コロナウイルス感染症治療薬であるレムデシビル(商品名:ベクルリー)の添付文書の改訂について、医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページ上に12月16日掲載された。  今回の改訂では、「特定の背景を有する患者に関する注意」の「腎機能障害患者」の項目で、「重度の腎機能障害(成人、乳児、幼児及び小児はeGFRが30mL/min/1.73m2未満、正期産新生児(7日~28日)では血清クレアチニン1mg/dL以上)の患者投与は推奨しない。

アルツハイマー病最新治療薬の認知機能改善に対する有効性比較

 近年、新たなアルツハイマー病治療薬が登場し、臨床試験において認知機能および臨床症状に対する有望な結果が得られている。しかし、多くの薬剤の中から最も効果的な治療オプションを選択することについては、依然として議論が続いている。中国・西安交通大学のWeili Cao氏らは、新規アルツハイマー病治療薬の有効性を比較し、それらの薬剤をランク付けするために、ネットワークメタ解析を実施した。Neuroscience誌2025年1月号の報告。

うつ病、不安症、ADHD患者における双極症への移行率の比較

 一般的にみられる双極症の診断遅延は、アウトカム不良につながる可能性がある。ほとんどの研究では、主な前駆症状としてうつ病に焦点を当てているが、不安症や注意欠如多動症(ADHD)も、診断初期に高頻度で認められる。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のKevin Li氏らは、これらの前駆症状から双極症への移行率を調査し、相関関係を定量化するため、大規模な電子健康記録(EHR)を用いて、検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2024年11月13日号の報告。

日本人の便失禁の現状が明らかに~約1万例のインターネット調査結果

 便失禁(FI)は、Rome IV基準では「4歳以上で繰り返す自制のきかない便の漏れ」と定義され、患者の健康関連の生活の質(HRQOL)に大きな影響を与える。ところが、日本の一般集団におけるFIの有病率に関する研究はほとんど行われていない。そこで、大阪公立大学の久木 優季氏らが日本人のFIの疫学についてRome IV基準を用いた調査を行ったところ、FI有病率は1.2%であることが明らかになった。Journal of Gastroenterology and Hepatology誌オンライン版2024年12月2日号掲載の報告。

皮膚パッチで血圧測定

 近い将来、切手サイズのウェアラブルパッチを皮膚に貼ることで、連続的に血圧を測定できるようになるかもしれない。米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)ジェイコブス工学部のSai Zhou氏らの研究の成果であり、100人以上の患者を対象にした検討で良好な結果を得られたという。詳細は「Nature Biomedical Engineering」に11月20日掲載された。  正常血圧(120/80mmHg未満)を維持することは、心臓病や脳卒中、腎臓障害、認知症、視力低下など、さまざまな病気や障害の予防に役立つ。そのため高血圧患者の多くが、腕などにカフを巻いて血圧の測定を行っている。しかしZhou氏は、「従来のカフによる血圧測定は、測定した時点の血圧しか知り得ないため、重要な血圧変動パターンを見逃してしまうこともある」と話し、「われわれが開発中のウェアラブルパッチなら、血圧変動の連続的なデータを得ることができ、治療法の詳細な検討を可能にしてくれる」としている。