遠隔医療により医師はどこからでも診療することができるようになったが、ビデオ通話の際の背景を医師らしく見えるようにすることで、患者の診療内容やアドバイスへの信頼度が強まることが、米ミシガン大学医学部内科学分野のNathan Houchens氏らによる研究で明らかになった。これは、遠隔診療を行う際には、たとえ診療所や診察室から遠く離れていても、そこにいるかのように見せるべきことを示唆する結果だ。研究の詳細は、「JAMA Network Open」に5月15日掲載された。
この研究では、ミシガン・メディスンまたは米国退役軍人(VA)アナーバーヘルスケアシステムのいずれかで1年以内に診療を受けた18歳以上の患者1,213人(626人が女性を自認)を対象に、2022年2月22日から10月21日の間に実施された調査結果の分析が行われた。調査では、7種類の異なる環境(医師のオフィス、診察室、壁に卒業証書や資格証明書などが飾られたオフィス、書棚のある自宅オフィス、寝室、キッチン、無地の背景)にいる医師の写真が提示された。調査参加者は、自分の好みの環境を選び、また6つのドメイン(知識の豊富さ、信頼性、思いやり、親しみやすさ、専門性、患者が感じる居心地の良さ)について1〜10点で評価し、複合スコアが算出された。