消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:56

医師のがん検診受診状況は?/1,000人アンケート

 定番ものから自費で受ける最先端のものまで、検査の選択肢が多様化しているがん検診。CareNet.comが行った『がん検診、医師はどの検査を受けている?/医師1,000人アンケート』では、40~60代の会員医師1,000人を対象に、男女別、年代別にがん検診の受診状況や、検査に関する意見を聞いた。その結果、主ながん種別に受ける割合の多い検査が明らかとなったほか、今後受けたい検査、がん検診に感じる負担など、さまざまな角度から意見が寄せられた(2022年8月26~31日実施)。

肝細胞がん1次治療 レンバチニブ+ペムブロリズマブの成績(LEAP-002)/ESMO2022

 切除不能な肝細胞がん(aHCC)に対する1次治療としてのレンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法は、レンバチニブ単独に比べ、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)ともに統計学的な有意差は認められなかった。  日本も参加した国際共同の二重盲検第III相LEAP-002試験の解析結果である。米国・カリフォルニア大学のRichard S. Finn氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2022)で発表した。 ・対象:前治療歴を持たない切除不能なaHCC症例 ・試験群:ペムブロリズマブ3週ごと+レンバチニブを連日投与(Pem群:395例) ・対照群:プラセボ3週ごと+レンバチニブを連日投与(Len群:399例)

大腸がん術後の低分子ヘパリン、投与期間延長は有効か?/BMJ

 低分子量ヘパリンtinzaparinによる大腸がん切除術の周術期抗凝固療法は、投与期間を延長しても入院中のみの投与と比較して、静脈血栓塞栓症と術後大出血の発現率は両群で類似していたが、無病生存および全生存を改善しなかった。カナダ・オタワ大学のRebecca C. Auer氏らが、カナダ・ケベック州とオンタリオ州の12病院で実施した無作為化非盲検比較試験「PERIOP-01」の結果を報告した。低分子量ヘパリンは、前臨床モデルにおいてがん転移を抑制することが示されているが、がん患者の全生存期間延長は報告されていない。周術期は、低分子量ヘパリンの転移抑制効果を検証するのに適していると考えられることから、約35%の患者が術後に再発するとされる大腸がん患者を対象に臨床試験が行われた。BMJ誌2022年9月13日号掲載の報告。

超加工食品摂取が多い男性、大腸がんリスク3割増/BMJ

 ソーセージやインスタント麺といった超加工食品の摂取量が多い男性は、大腸がんリスクが高く、女性では超加工食品摂取量と同リスクの関連はなかったが、調理済み/加熱した混合料理の摂取量が多いと、大腸がんリスクが高いといった関連が、米国・タフツ大学のLu Wang氏らによる検討で示された。BMJ誌2022年8月31日号掲載の報告。  研究グループは、米国の医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-up Study、1986~2014年)に参加した男性4万6,341人、看護師健康調査(Nurses' Health Study I[1986~2014年]6万7,425人、II[1991~2015年]9万2,482人)に参加した女性15万9,907人の3つの前向きコホートから、食事摂取量の記録があり、ベースラインでがんの診断を受けていなかった参加者を対象に、超加工食品の摂取と大腸がんリスクとの関連を調べた。  超加工食品の例としては、炭酸飲料、ソーセージ、ビスケット、キャンディー、インスタントスープ/麺、甘味/塩味スナック菓子、加糖牛乳およびフルーツ飲料などが含まれた。

RAS/BRAF野生型大腸がん、FOLFIRI+セツキシマブ後のセツキシマブ単剤維持療法は継続投与に非劣性を示せず(ERMES)/ESMO2022

 RAS/BRAF野生型大腸がんの1次治療において、FOLFIRIと抗EGFR抗体薬セツキシマブを投与し、その後に毒性軽減のためにセツキシマブを単剤投与する維持療法は、継続投与に対して非劣性を示すことができなかったという。この第III相ERMES試験の結果を、イタリア・Fondazione Policlinico UniversitarioのArmando Orlandi氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2022)で報告した。

低BMIの蛋白尿リスクに“朝食抜き”が影響

 蛋白尿は心血管疾患と死亡率の重要な予測因子であり、いくつかの研究では、朝食を抜くことと蛋白尿の有病率との関連性が報告1)されている。また、朝食を抜くと肥満のリスクが高まることも明らかになっている。そこで、村津 淳氏(りんくう総合医療センター腎臓内科)らは蛋白尿が肥満の人でよく見られることに着目し、朝食を抜くことによる蛋白尿の有病率とBMIとの関連について調査を行った。その結果、蛋白尿は低BMIと関連性が見られ、低BMIの人の場合には、朝食を抜くことに注意する必要があることが示唆された。本研究結果はFront Endocrinol誌8月19日号に掲載された。 . 本研究者らは、正常な腎機能者における朝食抜きと蛋白尿の有病率との関連に対するBMIの臨床的影響を評価することを目的に、2008年4月~2018年12月までの期間に市中病院で健康診断を受け、腎疾患の既往がなく、推定糸球体濾過量(eGFR)が60mL/min/1.73m2 以上であった2万6,888例 (男性:1万5,875例、女性:1万1,013例) を対象に横断研究を実施した。

標準治療に不応または不耐のGISTにHSP90阻害薬ピミテスピブ発売/大鵬

 大鵬薬品工業は2022年8月30日、経口HSP(Heat Shock Protein)90阻害薬ピミテスピブ(製品名:ジェセリ)を発売したと発表した。  ピミテスピブは大鵬薬品が創製した化合物で、HSP90を阻害することによりがんの増殖や生存などに関与するKIT、PDGFRA、HER2やEGFRなどのタンパクを不安定化し、減少させることで抗腫瘍効果を示す。

T-DXd単剤療法におけるILD発生状況、9試験のプール解析結果/ESMO Open

 間質性肺疾患(ILD)/肺炎は、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)に関連する重要な有害事象である。米国・マウントサイナイ医科大学のC A Powell氏らは、T-DXd単剤療法に関する9つの第I相および第II相試験のプール解析を実施し、ILD/肺炎のリスクを評価した。ESMO Open誌2022年8月10日号に掲載。  治験責任医師が評価したILD/肺炎について、独立判定委員会が後ろ向きにレビューし、薬剤関連ILD/肺炎と判定された事象について要約した。

『がん医療におけるせん妄ガイドライン 』第2版の主な改訂点を解説

 日本サイコオンコロジー学会 / 日本がんサポーティブケア学会編『がん医療におけるこころのケアガイドラインシリーズ 1 がん患者におけるせん妄ガイドライン 2022年版』(金原出版)を刊行した。2019年の初版に続く改訂2版となる。改訂作業にあたった京都大学医学部附属病院緩和ケアセンター/緩和医療科 精神科医の谷向 仁氏に、主な変更点やポイントを聞いた。  がん患者さんは精神的な問題を抱えることが多いのですが、その対応は医療者個人の診療経験などによってばらつきが認められています。この経験による判断はもちろん大切なのですが、一方で様々なバイアスによる影響も懸念されます。

固形がんの第I相試験、20年間で奏効率2倍に/Lancet

 2000~19年に行われた固形がんに関する第I相臨床試験の奏効率は、治療関連の死亡率を増大することなく2倍近くになっていることが判明した。一方で、同期間の奏効率の改善は、がんの種類、治療薬、試験デザインなどさまざまな要因によるばらつきも認められたという。米国・国立がん研究所(NCI)のDai Chihara氏らが、がん治療評価研究プログラム(Cancer Therapy Evaluation Program:CTEP)の患者データを分析し明らかにした。Lancet誌2022年8月13日号掲載の報告。  研究グループは、2000年1月1日~2019年5月31日に行われたNCIが資金を提供した研究者主導の固形がんに関する第I相臨床試験のCTEPから患者データを集めて分析した。治療関連死(「おそらく」・「十中八九」・「明確に」治療に起因するGrade5の毒性による)、治療中の全死亡(がん種にかかわらずプロトコール治療中の死亡)、Grade3-4の毒性、全奏効の程度(完全奏効および部分奏効)、対象期間中(2000~05年、2006~12年、2013~19年)の完全奏効率、および経時的傾向を評価した。