消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

抗菌薬が腸内環境を変える期間は想像以上に長い

 抗菌薬は、危険な感染症を治療する重要な薬として知られている。しかし、新たな研究で、抗菌薬はこれまで考えられていた以上に長期間にわたり身体に影響を残す可能性が示された。約1万5,000人の成人を対象とした研究で、特定の抗菌薬が腸内マイクロバイオームに対して、最長で約8年にわたり影響を及ぼすことが明らかになった。ウプサラ大学(スウェーデン)のGabriel Baldanzi氏らによるこの研究結果は、「Nature Medicine」に3月11日掲載された。  この研究では、スウェーデンの3つの大規模コホート研究のデータを統合して、8年間の抗菌薬の使用歴と腸内マイクロバイオームとの関連を検討した。

若年成人期の過敏性腸症候群のリスク因子を特定

 16歳時に過敏性腸症候群(IBS)を有することは、24歳時にIBSを有することを予測する最も強いリスク因子であり、16歳時にIBSであった人の33.6%は24歳時でも診断基準を満たすとする研究結果が、「Gastroenterology」に1月30日掲載された。  ヨーテボリ大学(スウェーデン)サールグレンスカアカデミーのJessica Sjölund氏らは、1990年代半ばに出生した4,089人を若年成人期まで追跡したスウェーデンのBAMSE出生コホートのデータを用い、24歳時のIBSの有無に関連する思春期のリスク因子、および16歳から24歳にかけてのIBSの持続に関連する因子を検討した。曝露因子の大半は16歳時に評価されていた。

がんサバイバーの運動習慣、死亡だけでなく要介護化リスクとも関連

 がん医療の進歩により、がんサバイバーは増加しているが、その後の生活機能や自立の維持は重要な課題となっている。今回、日本の大規模データを用いた研究で、がんサバイバーにおける日常的な身体活動が、死亡だけでなく新規の要介護認定リスクとも関連する可能性が示された。研究は、国立循環器病研究センター予防医学・疫学情報部の中塚清将氏、国立長寿医療研究センター老年社会科学研究部の小野玲氏、九州大学大学院医学研究院の福田治久氏らによるもので、詳細は2月16日付で「BMJ Open」に掲載された。

医師の働き方改革後、労働時間と収入はどう変わった?/医師1,000人アンケート

 ケアネットは2026年3月、会員医師1,000人を対象に「年収に関するアンケート」を実施した。最後の質問では、2024年4月からスタートした「医師の働き方改革」以降で、年収と労働時間がどう変化したかについて尋ねた。  2024年度以降の年収の変化では、「変わらない」が73%、「増えた」が9%、「減った」が18%だった。年代別では、「年収が増えた」の割合は35歳以下では14%、36~45歳では16%だった一方で、56~65歳は5%、66歳以上は1%と、年代が上がるにつれて減る傾向だった。若手は職位変化や専門医取得などの昇給機会が多いのに対し、ベテラン医師はそうした機会が少なく、体力面からアルバイト・副業なども減らす傾向にあることが背景にあるようだ。同様に「年収が減った」との回答割合も高齢層になるほど高かった。

若年女性で膵がん増加の兆候~日本全国データ解析

 膵がんは依然として予後不良ながんの一つであり、その発症動向の変化が注目されている。今回、日本の全国データを解析した研究で、若い女性における膵がん罹患率の上昇を示す兆候が確認された。また、高齢者では膵体尾部切除を中心に膵がんの手術件数が増加していることも明らかになった。研究は、稲毛病院整形外科の城戸優充氏、京都府立医科大学外科学教室消化器外科学部門の森村玲氏らによるもので、詳細は「Annals of Gastroenterological Surgery」に1月22日付でオンライン掲載された。

肝線維症、40歳以上の有病率と主な要因/Lancet

 欧州の40歳以上の一般集団において、診断されていない肝線維症(肝硬度測定[LSM]8kPa以上)が4.6%に認められ、その主な要因は代謝因子とアルコール摂取であることが示唆された。スペイン・Hospital Clinic of BarcelonaのIsabel Graupera氏らLiverScreen Consortium Investigatorsが、9ヵ国(スペイン、デンマーク、イタリア、スロバキア、クロアチア、英国、フランス、オランダ、ドイツ)の35施設(3次医療機関16施設を含む)で実施した大規模前向きコホート研究「LiverScreen project」の結果を報告した。小規模な単一国の研究では、未診断の肝線維症が一般集団で広くみられることが示唆されているが、実際の有病率やリスク因子はわかっていなかった。

がん薬物療法における皮下注射剤の可能性/日本臨床腫瘍学会

 近年、がん薬物療法領域での皮下注射剤の活用が広がっている。2026年度診療報酬改定では外来腫瘍化学療法診療料への皮下注製剤の加算も認められる見通しとなった。第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)では、腫瘍内科医、薬剤師、緩和ケア医、看護師、制度申請者の立場から、皮下注射の現状と課題が多角的に論じられた。  大阪大学の吉波 哲大氏は、腫瘍内科医の立場からがん薬物療法における「時間毒性」の概念を提示した。がん薬物療法においては、骨髄抑制や悪心などの従来型有害事象に加え、経済毒性が近年注目されている。吉波氏は見落とされやすいもう1つの側面として「時間毒性」の重要性を訴える。

GERD診療ガイドライン改訂へ、P-CABの位置付け見直しなどが柱/日本消化器病学会

 現在、胃食道逆流症(GERD)診療ガイドラインの改訂作業が進行中であり、2026年4月にはパブリックコメント版が公開された。改訂版の刊行に先立ち、第112回日本消化器病学会総会(2026年4月16日~18日、福井・石川)においてGERD診療ガイドラインに関するパネルディスカッションが行われた。 本改訂では、診療の実用性向上を重視し、治療戦略や疾患概念の整理が図られている。基本方針は“シンプルで使いやすいガイドラインへ”である。2021年版ガイドラインでは、軽症・重症の区分に加え、プロトンポンプ阻害薬(PPI)とカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)の併用的な位置付けにより、フローチャートが複雑化していた。

6割超が年収2,000万円以上を適正と回答したのは◯◯科/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2026年3月に会員医師1,000人を対象として「年収に関するアンケート」を実施した。そのなかで、自身の年収額を妥当と感じるか尋ねたところ、60.2%(そう思う、ややそう思うの合計)が妥当と考えていた。また、自身の業務内容・仕事量に見合った適正年収を尋ねたところ、2,000万円以上と回答した割合は36.3%であった(実年収2,000万円以上は24.0%)。  年収額の妥当性について、自身の年収額が妥当だと思うかという問いに対し「そう思う」が25.8%、「ややそう思う」が34.4%であり、合計すると60.2%となった。2016年もそれぞれ25.2%、36.4%で合計61.6%となり、大きな変化はみられなかった。

がん治療中のケモブレイン、運動療法に抑制効果?

 がんやがん治療に伴い生じる認知機能障害を総称して、CRCI(cancer-related cognitive impairment)という。抗がん剤による治療中や治療後の患者に生じる記憶力や集中力、作業能力の一時的な低下を表す「ケモブレイン」は、CRCIの一種である。このほど、新たな研究において、運動ががん患者のCRCIを防ぎ、認知機能を保ちながら日常生活を円滑に送るのに役立つ可能性が示された。英ロチェスター大学医療センター、ウィルモットがん研究所のがん予防・制御研究プログラムで共同リーダーを務めるKaren Mustian氏らによるこの研究結果は、「Journal of the National Comprehensive Cancer Network」3月号に掲載された。