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消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

MASLDの肝関連イベント、非侵襲的検査で個別予測可能か

代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)では、肝線維化を評価する非侵襲的検査が広く用いられているが、経過観察中の検査値の変化を臨床的な肝関連イベントリスクとして解釈することは容易ではない。そこで、フランス・Angers University HospitalのClemence Moreau氏らは、非侵襲的検査の経時的変化を用いて、MASLD患者における肝関連イベント(liver-related event:LRE)の個別リスクを予測できるかを検討した。その結果、肝硬度測定値(liver stiffness measurement:LSM)の推移にFIB-4、性別、年齢、血小板数の情報を組み合わせた「共同潜在クラスモデル(JLCM:Joint Latent Class Model)」により、LREリスクを高い識別能で個別予測できることが示された。本研究結果は、Clinical Gastroenterology and Hepatology誌オンライン版2026年9月8日号に掲載された。

脊髄くも膜下麻酔後の悪心・嘔吐――機械学習で関連因子を解析

 術後悪心・嘔吐(PONV)は、手術後にみられる頻度の高い合併症の一つで、患者満足度の低下や入院期間の延長にもつながる。今回、脊髄くも膜下麻酔で手術を受けた患者のPONVについて、5種類の機械学習アルゴリズムを用いた解析で、術後のフェンタニル使用が最も強く関連する因子として特定された。研究は、東北大学大学院歯学研究科歯科口腔麻酔学分野の星島宏氏らによるもので、詳細は8月5日付の「PLOS One」に掲載された。  脊髄くも膜下麻酔下で下肢や下腹部の手術、帝王切開を受けた患者におけるPONVの発生率は5~42%と報告されている。

MASLD合併2型糖尿病、GLP-1RA+SGLT2阻害薬併用は有益か

代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)と2型糖尿病の併存は、肝線維化進展や心血管イベント、死亡リスクの上昇と関連する。GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)とSGLT2阻害薬はいずれも心血管・代謝面での有用性が示されているが、MASLDと2型糖尿病を合併する患者で併用療法と単剤療法を直接比較したデータは限られている。そこで、サウジアラビア・Imam Abdulrahman Bin Faisal University College of MedicineのMohanad A. Alkuwaiti氏らは、GLP-1RA+SGLT2阻害薬併用療法、GLP-1RA単剤療法、SGLT2阻害薬単剤療法の有効性を、ランダム化比較試験の設計を診療データ上で模倣する、ターゲットトライアルエミュレーションで比較した。

肝硬変リスク、飲酒の影響が肥満や糖尿病を上回る/J Hepatol

アルコール摂取と心代謝リスク因子は、肝硬変リスクに複合的に関与することが注目されている。そこで、デンマーク・Zealand University HospitalのJonas Hedelund Ronn氏らは、一般住民コホートを用いて、飲酒量と心代謝リスク因子が肝硬変リスクに及ぼす単独および複合的な影響を検討した。その結果、肝硬変リスクに対する寄与は飲酒が最も大きく、肥満、糖尿病、高血圧、喫煙もリスク上昇と関連したが、脂質異常症との関連は明確ではなかった。本研究結果は、Journal of Hepatology誌オンライン版2026年8月24日号に掲載された。

国産手術支援ロボット「hinotori」、膵体尾部切除術でda Vinciと概ね同等の周術期成績

 国産初の手術支援ロボットシステム「hinotori」は2020年に製造販売承認を受け、国内の消化器外科領域でも導入が進んでいる。今回、hinotoriを用いたロボット支援下膵体尾部切除術(RDP)の周術期成績をda Vinci Surgical System(da Vinci)と比較した研究で、両者は概ね同等の周術期成績を示した。また、hinotori群では入院費がda Vinci群と比べて有意に低く、この差は手術時期をそろえた解析でも認められた。研究は、獨協医科大学埼玉医療センター外科の川﨑圭史氏、吉富秀幸氏らによるもので、詳細は7月30日付の「Asian Journal of Endoscopic Surgery」に掲載された。

アザチオプリンや免疫チェックポイント阻害薬などに重大な副作用追加/厚労省

 2026年9月29日、厚生労働省より添付文書の改訂指示が発出され、アザチオプリンや各種免疫チェックポイント阻害薬(ICI)、トシリズマブなどに対して、「重大な副作用」などが追記された。  免疫抑制薬のアザチオプリン(商品名:アザニン、イムラン)では、「可逆性後白質脳症症候群」および「肝類洞閉塞症候群(SOS)/肝中心静脈閉塞症(VOD)」が追記された。頭痛、意識障害、痙攣などの症状が現れた場合には、MRIなどによる画像診断を行うとともに、投与を中止し適切な処置を行うよう追記された。

静岡がんセンター、世界の専門家を招く「Oncology Seminar」をスタート

 静岡県立静岡がんセンターは2026年8月、国内外のがん診療の専門家を招く「Shizuoka Cancer Center Oncology Seminar」をスタートした。英語で講演とディスカッションを行う30分間のウェビナーで、以後月1回開催が予定されている。国内と海外の演者が交互に登壇し、最新のがん診療について学ぶとともに、若手医師が英語で議論する機会をつくることも狙いだ。  セミナー企画の中心となったのは、同センター消化器内科(胆膵)医長の大場 彬博氏。企画の出発点には、従来の院内勉強会をもっと魅力あるものにしたいという思いがあった。

日本の慢性膵炎患者は5年で3割増、約半数は糖尿病を合併

慢性膵炎の臨床疫学的特徴を明らかにするため、本邦では1994年以来、4~5年ごとに全国疫学調査が実施されてきた。慢性膵炎患者数は、1994年(3万2,000例)から2011年(6万7,000例)にかけて一貫して増加傾向にあったが、2016年の調査で初めて減少していた(5万6,520例)。東北大学の正宗 淳氏らは、2021年に参加病院で診療された慢性膵炎患者を対象とした全国規模の疫学調査を実施。その結果、2021年の慢性膵炎患者数は7万3,590例と推計され、2016年と比較して30%増加していることが明らかになった。本研究結果は、Journal of Gastroenterology誌オンライン版2026年9月11日号に掲載された。

約230万例のコホート研究が特定した不適切処方カスケードのパターン/BMJ

 カナダ・Sinai Health SystemのPaula A. Rochon氏らは、同国オンタリオ州に在住の66歳以上の高齢者を対象とした後ろ向きコホート研究により、潜在的に不適切な処方カスケード(potentially inappropriate prescribing cascade:PIPC)65種類のうち、24種類がとくに介入優先度が高いPIPCとして特定されたことを報告した。高齢者においてPIPCは頻繁にみられるものの、その多くは見過ごされており、患者や医療システムに多大な負担を強いる不適切な多剤併用の一因と指摘されている。今回示された24種類のリストは、個々の高齢患者および高齢者集団レベルにおける、薬剤安全性を向上させる処方および脱処方(deprescribing)の取り組みや政策策定に役立つ可能性があるという。BMJ誌2026年9月10日号掲載の報告。

ピロリ除菌の保険適用拡大後、日本の胃がん死亡・罹患はどう推移したか

日本では、2013年2月にHelicobacter pylori(H. pylori)陽性の内視鏡診断慢性胃炎に対する除菌療法が保険適用となり、胃がん予防に関わる診療環境が大きく変化した。一方、この保険適用拡大後の胃がん死亡・罹患数の全国的な推移については、人口高齢化や内視鏡検査の普及などを踏まえた解釈が求められる。そこで、札幌・カレス記念病院の浅香 正博氏らは、2013年の保険適用拡大前後における日本の胃がん死亡および罹患の推移を検討した。その結果、2013年以降、日本の胃がん死亡数は減少し、とくに80歳未満で死亡数の減少が顕著であった。罹患数もその後のピークを経て減少した。本研究結果は、Helicobacter誌2026年9・10月号に掲載された。