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超低カロリー食+体重管理で2型糖尿病が寛解?

 新たな研究によると、2型糖尿病患者のうち超低カロリー食療法(very-low-calorie diet)のレスポンダーが、少なくとも6ヵ月間、糖尿病寛解の状態にあったという。通常、不可逆性の慢性疾患と見なされることが多い2型糖尿病だが、この研究結果が希望の光になるかもしれない。英国・ニューカッスル大学のSarah Steven氏らによるDiabetes Care誌オンライン版2016年3月21日号掲載の報告。 対象の2型糖尿病患者30例(罹病期間0.5~23年)は、8週間の超低カロリー食療法を実行した。すべての経口剤とインスリンはベースライン時に中止された。段階的に等カロリー食に戻した後、個人に合わせた体系的な体重維持プログラムが実施された。血糖コントロール、インスリン感受性、インスリン分泌、肝臓および膵臓の脂肪含量は、ベースライン時、等カロリー食に戻した後、6ヵ月時点に定量化した。等カロリー食に戻した後、空腹時血漿グルコースが7mmol/L未満に到達した患者をレスポンダーと定義した。 結果は以下のとおり。・体重は、98.0±2.6kgから83.8±2.4kgに低下し、6ヵ月間にわたり安定していた(84.7±2.5 kg)。・等カロリー食に戻した後に空腹時血漿グルコース7mmol/L未満に到達した患者(=レスポンダ―)は12例であり、6ヵ月後の時点での到達者は13例であった。・レスポンダーは非レスポンダーに比べて、糖尿病の罹病期間が短く、当初の空腹時血漿インスリン濃度が高かった。・HbA1cは、レスポンダーの場合7.1±0.3から5.8±0.2%(55±4から40±2mmol/mol、p<0.001)に、非レスポンダーの場合8.4±0.3から8.0±0.5%(68±3から64±5mmol/mol)に低下し、6ヵ月時点でも一定に保たれていた(それぞれ5.9±0.2%と7.8±0.3% [41±2mmol/molと62±3mmol/mol])。

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CoreValveを使用したTAVRの3年成績、開心術より良好

 重症の大動脈弁狭窄症患者に対する自己拡張型の経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)は、開心術と比べて術後2年の成績が良好であることが知られている。その成績がその後も持続するかを見極めるべく、全米45施設による多施設共同前向き無作為化非劣性試験が行われ、Journal of the American College of Cardiology誌オンライン版2016年3月22日号に発表された。なお、本試験の資金はMedtronic社によりサポートされている。ハイリスクの重症大動脈弁狭窄症患者750例を無作為化 重症の大動脈弁狭窄症を有し、各分野から成る大動脈弁評価チームによりハイリスクと認定された患者をTAVR群と外科的大動脈弁置換術(SAVR群)に1対1で無作為に割り付けた。全米45施設から797例が組み入れられ、750例がいずれかの治療を受けた。重症大動脈弁狭窄症は、大動脈弁口面積≦0.8cm2もしくは大動脈弁口インデックス≦0.5cm2/m2、かつ平均圧較差>40mmHgもしくは最大弁通過血流速度>4m/s、かつNYHA機能分類II以上の症状を有するものと定義され、個々の病院の心臓チームと全国スクリーニング委員会の双方が、開心術をハイリスクと認めた場合のみ、患者は試験に加えられた。術後30日での死亡リスクが15%以上で、かつ30日での死亡および重篤な疾病発症率の合計が50%以下をハイリスクと定義し、STS PROM scoreとこれまでに報告されている死亡率を上昇させる他の要素を考慮してリスクを評価した。平均年齢は83.2歳、86%がNYHA 3もしくは4 患者の平均年齢は83.2±6.7歳で、53.2%が男性であった。86.1%の患者のNYHAが3もしくは4であった。糖尿病の有病率がSAVR群で有意に高かったが(34.8% vs. 45.1%、p=0.004)、両群間でその他の項目に有意な差は認められなかった。TAVR群、全死亡もしくは脳梗塞の発生率は有意に低値 3年後のアウトカムは、TAVR群で生存していた246例のうち228例、SAVR群で生存していた194例中179例から得ることができた。3年後の全死亡率もしくは脳梗塞の発生率は、TAVR群で有意に低かった(TAVR 37.3% vs. SAVR 46.7%、p=0.006)。TAVRによる全死亡もしくは脳梗塞の絶対的なリスクの改善率は9.4%(p=0.006)であった。合併症のそれぞれの項目も、TAVR群はSAVR群に比べて減少していた[全死亡率(32.9% vs. 39.1%、p=0.068)、すべての脳卒中(12.6% vs. 19.0%、p=0.034)、主要脳心血管イベント(40.2% vs. 47.9%、p=0.025)]。大動脈弁血行動態もTAVR群のほうが良好 3年後の血行動態の数値もTAVR群のほうが良好であったが(平均大動脈弁圧較差:TAVR 7.62±3.57mmHg vs. SAVR 11.40±6.81mmHg、p<0.001)、中等度もしくは重症の残存大動脈弁逆流の頻度はTAVRのほうが高値であった(6.8% vs. SAVR 0.0%、p<0.001)。臨床的に明らかとなるような弁血栓はいずれのグループでも認められなかった。 著者らは、外科手術がハイリスクと考えられる重症大動脈弁狭窄症患者の3年後の成績は、TAVRがSAVRと比べて優れており、大動脈弁の血行動態評価も、TAVRは構造的な弁の劣化が見られず、SAVRより良好であったとしている。

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強直性脊椎炎〔AS: ankylosing spondylitis〕

1 疾患概要■ 概念・定義強直性脊椎炎(ankylosing spondylitis:AS)は、脊椎関節炎(spondyloarthritis:SpA)といわれる疾患群の代表的疾患である。SpAは、(1)血清のリウマトイド因子陰性、(2)仙腸関節炎・脊椎炎および末梢関節炎があり、(3)患者はHLA-B27遺伝子を高率に保有する、という特徴を持つ。ASのほかに、反応性関節炎(reactive arthritis:ReA)、乾癬性関節炎(psoriatic arthritis: PsA)、炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)に伴う関節炎、分類不能(診断未確定)脊椎関節炎(undifferentiated SpA:uSpA)などがある(図1)。SpAの関節外症状にはぶどう膜炎など眼症状、膿漏性角化症や乾癬などの皮膚症状、IBDの腸疾患などが認められる。これらの症状はヒトHLA-B27遺伝子を有するラットにも認められ、「関節‐皮膚‐眼‐腸管」に及ぶ全身性疾患であることが理解できる。画像を拡大する最近、国際脊椎関節炎評価学会(Assessment of SpondyloArthritis international Society:ASAS)の分類基準では、本疾患は体軸性脊椎関節炎(axial spondyloarthritis:ax SpA)に分類される。■ 疫学ドイツでは成人の1%に発病し、関節リウマチと同程度の率とされているが、一般的に白人では0.5%、わが国のASの有病率は約0.02~0.03%と推定される。一般人口でみたHLA-B27の保有率は地域・民族によって異なり、北欧14%、欧米8%、中国・韓国5%、日本0.3%である。このため日本人のASの頻度は少ない。男女比は3~4:1で男性に多く、90%以上が40歳以前に発症する。■ 病因仙腸関節や付着部ではTNF-αなどの炎症性サイトカインが産生される。Th17細胞が関与する。自己免疫は明らかでなく、自然免疫の関与が想定されている。HLA-B27を構成する重鎖の構造異常があり、重合して2量体を形成することによって、NK細胞、B細胞、Th17細胞などの活性を引き起し、IL-23の産生が病因として推定されている。■ 症状1)炎症性腰背部痛(inflammatory back pain:IBP)仙腸関節炎・脊椎炎の症状は、「炎症性腰背部痛」として表現される。これは50歳以下に発症し、3ヵ月以上認められる背部痛であり、(1)30分を超える朝のこわばり、(2)背部痛は運動によって改善され、安静では改善されない、(3)睡眠時間の後半(明け方)に背部痛のため起こされる、(4)右や左に移動する殿部痛の4項目の特徴を持ち、2項目が該当すれば、IBPが存在すると分類される(Berlin criteria:感度70.3%、特異度81.2%)。椎間板ヘルニアなどの機械的な背部痛(mechanical back pain)は安静で良くなり、片側性であることが鑑別になる。線維筋痛症の疼痛と比べ、IBPは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が有効という特徴がある。2)仙腸関節炎・脊椎炎仙腸関節・脊椎は体軸性関節(axial joint)と呼ばれる。仙腸関節炎・脊椎炎の典型的な臨床症状はIBPである。脊柱を中心とした身体のこわばりがあり、腰殿部痛(仙腸関節痛、坐骨関節痛)、項部痛、胸部痛が主症状である。初期には、腰背部痛の激痛発作~寛解を繰り返すことが多い。病状の進行に伴い、脊柱の可動域制限が生じ、進行例では、脊柱の強直に至る。可動域制限により脊柱は後弯傾向になり、特徴的な前傾・前屈姿勢になる。3)付着部炎(enthesitis)関節周囲の靱帯付着部(足底、大腿骨大転子、脊椎棘突起、腸骨稜、鎖骨、肋骨など)に炎症が起こり、疼痛が生じる。滑膜炎(synovitis)とは鑑別する必要がある。4)末梢関節炎全経過中に末梢関節炎は、80%以上の症例に認められる。股、肩、膝、足の順に、片側性に出現する。初発症状が末梢関節炎であることも30%の症例に認められる。5)ぶどう膜炎前部ぶどう膜炎は、約30%に認められ、再発性で、片側性である。診断時にぶどう膜炎の既往を聞くことが必要である。■ 分類これまではSpAの個々の疾患を並列に分けて論じてきたが、実際には共通した病態や症状(axial spondylitis)に着眼して生物学的製剤の治療が行えるために、ASASによって、疾患が表1のように分類される。画像を拡大する■ 予後最近の文献では、罹病後10年の生存率は100%であった。女性では罹病後38年間以内における死亡症例はない。50年後の生存率は男性61%、女性77%であり、女性のほうが生命予後は良好であった。死因は(1)循環器疾患(40.0%)、(2)悪性新生物(26.8%)、(3)感染症(23.2%)などであった。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)これまでの診断では、改訂ニューヨーク診断基準(表2)が用いられてきた。しかし、単純X線所見で仙腸関節の所見が出現する時期は50%以上の症例が発症後5年以上かかる。このためMRIでの脂肪抑制T2強調像またはSTIR法で早期より診断が可能になり、ASASによる分類基準が提唱された。画像を拡大するASASの分類基準では、体軸性(axial)SpAおよび末梢関節(peripheral)のSpAの分類基準(図2、3)がある。体軸性SpA の分類には、(1)炎症性腰背部痛、(2)HLA-B27の存在、(3)仙腸関節の画像所見が、SpAの分類(診断)に重要であることが理解できる。画像を拡大する画像を拡大するしかし、ASAS基準は分類基準である。個々の症例の診断は、1)医師の経験に基づく判断、2)除外・鑑別診断に基づく判断、3)症例検討会など他の医師との確認、4)経時的な臨床所見からの検証、など多方面の視点からの確認作業を重ねて診断が行われる。診断された症例の中から疾患特異性を求めるために、ASASの分類基準の規定に照らし合わせ、満足した症例が疫学調査や臨床治験に組み込まれる(表3)。このため紙面のチェックリストを用いて、簡単にASAS基準に満足すれば ASであると診断することは誤りである。また、すぐにbiologics治療をはじめることも誤りである。線維筋痛症や機械的腰痛などが分類基準であるASAS基準を使用することによって誤診されることが、国内外から指摘されている。乾癬性関節炎に関するCASPAR分類も同様である。ASAS基準はあくまでも診断の参考として使用する。チェックリストを用いた診断では、除外・鑑別診断ができず、また、他医との臨床検討がおろそかになる。また、リウマチ性疾患は多くの場合、2~3回の診察にて診断名が明らかになるが、数ヵ月間の経時的な評価・確認に基づく診断が必要である。画像を拡大する■ 検査1)臨床検査診断に特異的な臨床検査はないが、赤沈促進、CRP上昇、血清IgA値の中程度の上昇、HLAタイピング(HLA-B27陽性)は重要な根拠である。2)画像診断仙腸関節および脊椎のX線所見とMRI所見が重要である。X線画像では、仙腸関節は初期に変化がみられ、通常両側性で対称性である。骨吸収(blurring)、切手の縁の刻みのような骨侵食像と骨硬化像、進行すると関節裂隙の狭小化、偽拡大や線維化、骨化、強直が認められる。仙腸関節の撮影は正面1枚では偽陽性と判定されやすいので、左右斜位での撮影を必ず行う(図4)。画像を拡大する脊椎の椎体は骨化が進むと前方椎骨間の骨性架橋の癒合(syndesmophytes)がみられ、竹様脊椎(bamboo spine)を呈する。MRI検査は骨髄浮腫や骨炎などの炎症部位が検出可能で鋭敏であり、X線所見が認められない“non-radiographic”の時期から病変を検出できる。ほかにSTIR画像、T1強調画像が用いられる。CTは、主に仙腸関節の不整や硬化など形態変化を検出する。慢性進行例では、MRIにて検出できないためCTの所見が重要である。■ 鑑別が必要な疾患1)強直性脊椎骨増殖症(diffuse idiopathic skeletal hyperostosis:DISH または ankylosing spinal hyperostosis:ASH)50歳以上の高齢者に認められる。血液所見で炎症反応は認めず、仙腸関節に不整は認められるが関節裂隙は保たれ、強直化も認めない。ASの靱帯骨棘(syndesmophyte)は縦方向に流れるように形成されるのに対して、DISHの骨棘(osteophyte)は横方向に伸び、かつ非対称性である。多くの靭帯の骨化が認められる。糖尿病を合併することがある。疼痛や可動域制限はあるがASほどではない。2)硬化性腸骨炎分娩後の女性に多くみられ、疼痛は仙腸関節周囲に限定し、血液所見での炎症反応は認めず、仙腸関節の関節面の変化より、腸骨側に三角形の均等な骨硬化像が認められる。3)膿疱性関節骨炎(掌蹠膿胞症性骨関節炎)掌蹠膿疱症(palmoplantar pustulosis)の患者に合併する関節炎で、SAPHO症候群に含まれる仙腸関節炎を10~40%合併する。脊椎の病変が多い。胸肋鎖骨肥厚症が90%出現する。関節炎発現時、皮膚病変がないこともあり、必ず既往歴を聞くことが大切である。4)線維筋痛症多数の疼痛点がASの付着部痛の部位と似ていることから、過剰診断または混同される。女性に多く、多彩でさまざまな症状を強く訴える。ASの症例は、一般的に我慢強い。血液検査や画像診断で異常は認められない。NSAIDsが無効であり、ぶどう膜炎の既往もない。HLA-B27陽性であることは少ない。5)変形性脊椎症、変形性仙腸関節症身体のこわばりや疼痛、可動域の制限などASと共通な臨床症状を呈するが、その程度は軽い。血液検査で炎症所見は認められない。X線所見上、一見AS類似の所見を呈するが、関節面の骨びらん・骨硬化はみられるものの、高齢になっても脊椎関節や仙腸関節の裂隙は保たれ、強直はみられない。脊椎正面像では、横方向に伸びる骨棘が特徴的である。仙腸関節下端にも骨棘が伸びる。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)ASの治療の基本は、ASAS/EULARのAS治療に関する勧告(表4、図5)になる。主な治療は薬物療法と運動・理学療法である。画像を拡大する1)運動・理学療法定期的な運動・体操により姿勢や背骨の動きを保ち、痛みを和らげて運動機能を促進する。入浴やシャワーの後にストレッチを行うことにより関節の可動域が保たれる。温水プールでの運動や水泳が理想的である。背骨を伸ばす運動や深呼吸をする運動が勧められる。個人に適した強さの体操や運動を、無理せず継続して行うことが重要である。2)薬物療法基本はNSAIDsである。脊椎関節炎に対してはメトトレキサート(MTX)〔保険適用外〕を含む従来のDMARDsが有効であるというエビデンスはない。末梢関節炎に対してはサラゾスルファピリジン(商品名:アザルフィジンEN)〔保険適用外〕が有効である。ステロイドは主に関節局所への注射が使用される。骨粗鬆症予防にビスホスホネート製剤が併用される。NSAIDsの効果が不十分な脊椎の症状に対しては、TNF-α阻害薬の適応がある(表5、6)。画像を拡大する画像を拡大するわが国では、インフリキシマブ(同:レミケード)とアダリムマブ(同:ヒュミラ)が保険適用となっている。TNF-α阻害薬使用時にMTXを併用する必要はなく、かつ、併用効果のエビデンスはない。TNF-α阻害薬による骨形成抑制作用に関しては現時点では明らかにはなっていない。しかし、TNF-α阻害薬が炎症を抑え、疼痛を軽減することは、身体の活動・運動を促し、可動域減少を予防する。また、就学、就労、家事および育児の継続に有効な治療法と考えられる。3)手術進行した股関節の障害に対しては人工関節置換術が行われる。4 今後の展望ASおよびSpAに関する分類の再構築によって、治療の適応が拡大し、早期よりTNF-α阻害薬の使用ができるようになった。TNF-α阻害薬における骨形成阻害作用は確認されていないが、疼痛の緩和やADLの改善や体操によって、可動域制限の進行が抑制される可能性が期待される。アバタセプトやリツキシマブのASに対する治療効果は否定的である。IL-17阻害薬であるセクキヌマブ(商品名:コセンティクス)が2015年11月欧州で、また、2016年1月米国で承認となった。そのほかの治療薬の出現が待たれる。5 主たる診療科リウマチ科、整形外科、膠原病内科、放射線科、消化器内科、皮膚科、眼科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報日本リウマチ財団 リウマチ情報センター 対象とする病気:強直性脊椎炎(一般利用者向けのまとまった情報)日本脊椎関節炎学会(医療従事者向けのまとまった情報)日本整形外科学会 症状・病気をしらべる:強直性脊椎炎(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)長引く腰痛、実は…強直性脊椎炎の情報発信サイト(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)公的助成情報東京都福祉保健局:難病患者支援(患者、患者家族向けの情報)患者会情報日本AS友の会 Japan Ankylosing Spondylitis Club(JASC)(ASの患者、患者家族向けの情報)1)井上 久ほか. 強直性脊椎炎の診断と治療の実際. 2012; アボットジャパン株式会社、エーザイ株式会社.2)井上 久ほか.我が国の強直性脊椎炎(AS)患者の実態~第3回患者アンケート調査より~.日本脊椎関節炎学会誌;2011;3:29-34.3)Kobayashi S, et al. Mod Rheumatol.2012;22:589-597.公開履歴初回2013年08月29日更新2016年04月12日

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中国の若者におけるアトピー性皮膚炎の特徴

 北京大学人民医院のPing Liu氏らは、中国青少年/成人の慢性対称性湿疹/アトピー性皮膚炎(AD)の臨床的特徴を調べ、中国版青少年/成人AD診断基準を作成する検討を行った。小児ADの臨床的特徴については広く研究されているが、青少年/成人ADについては大規模な検討がなかったという。42施設から2,662例のデータが集まり分析を行った結果、患者の77.5%が発症は12歳以降と遅発性で、ADの発現形態は不均一であったことなどを報告した。Chinese Medical Journal誌2016年4月5日号の掲載報告。 検討は、病院ベースで行われ、42の皮膚科センターが参加。慢性対称性湿疹またはADを有する成人および青少年(12歳以上)患者を包含した。2013年9月~14年9月に、記入式調査票を用いて患者および研究者両者に対する調査を行った。 有効回答データを、EpiData 3.1、SPSS 17.0ソフトウェアを用いて分析した。 主な結果は以下のとおり。・2,662例の有効回答が得られた(男性1,369例、女性1,293例)。平均年齢40.6±18.9歳(範囲:12.1~93.0歳)で88.0%が18歳以上、84.1%が都市部住民であった。・2,662例のうち、2,062例(77.5%)が12歳以降の発症であった。12歳以前の発症は600例(22.5%)のみで、湿疹/ADが一般に遅発性であることが判明した。・2,139例(80.4%)は、6ヵ月以上の間、症状を有していた。・1,144例(43.0%)は、アトピー性疾患の個人歴または家族歴があった。・1,548例(58.2%)で、総血清IgE値上昇、好酸球増加症、アレルゲン特異的IgE陽性が認められた。・これらの結果をベースに、マスト事項「6ヵ月以上の対称性湿疹(皮膚炎)」+「ADの個人歴または家族歴あり」および/または「総血清IgE値上昇、好酸球増加症、アレルゲン特異的IgE陽性のいずれかあり」とする中国版青少年/成人AD診断基準を作成提案した。・2,662例を対象に調べた同診断基準の感度は、60.3%であった。一方で、同一対象について、Hanifin Rajka基準の感度は48.2%、Williams基準は32.7%であり、日本皮膚科学会基準(JDA)は79.4%であったが、中国版青少年/成人AD診断基準は簡易で良好な診断基準であることが示唆された。

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駆出率保持心不全、心房間シャント作成デバイスの安全性を確認/Lancet

 駆出率が保たれた心不全(HFPEF)に対する心房間シャント作成デバイス(IASD)の留置術は安全に施行可能であり、運動時の左室圧を低下させることが、ドイツ・ゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲンのGerd Hasenfuss氏らが行ったREDUCE LAP-HF試験で示された。HFPEFは心不全の一般的な形態と認識されているが、症状や予後を改善する治療法は確立されていない。病態生理は複雑であるが、とくに運動時の左室圧の上昇を特徴とし、これは重要な治療標的と考えられている。Lancet誌2016年3月26日号掲載の報告より。68例で安全性を評価する単群第I相試験 REDUCE LAP-HF試験は、HFPEF患者において、経カテーテルIASD留置術で左房圧を機械的に低下させるアプローチの効果と安全性を検証する非盲検単群第I相試験(Corvia Medical社の助成による)。 対象は、年齢40歳以上、薬物療法でHFPEFの症状が軽減せず(NYHA心機能分類:II~IV)、左室駆出率が>40%で、安静時肺毛細血管楔入圧(PCWP)の上昇(>15mmHg)または運動時PCWPの上昇(>25mmHg)がみられる患者であった。 主要評価項目は、6ヵ月時のIASDのデバイス性能および安全性の複合エンドポイントとし、臨床効果の評価も行った。 デバイス性能は、デバイス留置の成功率、6ヵ月時の安静時および運動時PCWPがベースラインに比べ低下した患者の割合、左右のデバイス間の血流の持続とした。安全性は、周術期および6ヵ月時の心臓および脳血管の主な有害事象(死亡、脳卒中、心筋梗塞、肺血栓塞栓症を除く全身性の塞栓イベント、6ヵ月以内の手術的デバイス除去の必要性)であった。 2014年2月8日~15年6月10日までに、9ヵ国21施設に68例が登録され、IASDの留置は64例で成功した。NYHA心機能分類、QOL、6分間歩行も改善 64例の平均年齢は69(8 SD)歳、女性が42例で、NYHA心機能分類はIIが18例、IIIが46例であり、平均BMIは33(6 SD)、推定糸球体濾過量(eGFR)は62(21 SD)mL/分/1.73m2、安静時PCWPは17(5 SD)mmHgであった。糖尿病が21例、高血圧が52例、心房細動が23例、冠動脈疾患が23例に認められた。 手技に関連する有害事象や、心臓および脳血管の主な有害事象、デバイス関連合併症への心臓手術による介入の必要性は、6ヵ月のフォローアップ期間中には発生しなかった。したがって、デバイス留置は安全に施行でき、十分に耐用可能と考えられた。 6ヵ月時に、52%(31/60例)の患者で安静時PCWPが低下し、58%(34/59例)の患者では運動時PCWPが低下した。安静時と運動時の双方のPCWPが低下した患者は39%(23/59例)だった。 NYHA心機能分類の中央値はベースラインのIIIから6ヵ月時にはIIへ(p<0.0001)、ミネソタ心不全(MLWHF)スコア(点が高いほどQOLが不良)の平均値は49点から36点へ(p<0.0001)、平均6分間歩行距離は313mから345mへ(p=0.0023)とそれぞれ有意に改善した。 平均臥位運動時間は、ベースラインの7.3(3.1 SD)分から6ヵ月時には8.2(3.4 SD)分へと有意に延長した(p=0.0275)。運動時PCWPは、20ワット負荷(32 vs. 29mmHg、p=0.0124)および最大運動負荷(34 vs. 32mmHg、p=0.0255)のいずれにおいても、ベースラインに比べ6ヵ月時で有意に低かった。 安静時PCWPは、ベースラインおよび6ヵ月時とも17mmHgであり、差はみられなかった。 著者は、「IASDはHFPEFの新たな治療戦略となる可能性があるが、その有効性は既存の治療法と比較する無作為化試験を行って確証する必要がある」としている。

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トシリズマブは巨細胞性動脈炎に有効である(解説:金子 開知 氏)-514

 巨細胞性動脈炎(giant cell arteritis:GCA)は、大動脈とその分枝の中~大型動脈に起こる肉芽腫性血管炎である。多くは50歳以上の高齢者に起こる疾患であり、とくに浅側頭動脈が好発部位で、最も重要な障害は失明である。臨床症状としては発熱、頭痛、視力・視野異常、下顎跛行、側頭動脈の圧痛や拍動を認める。また、約30%にリウマチ性多発筋痛症を合併する。検査所見では、赤沈亢進、CRP上昇を認める。治療は、中等量あるいは高用量のステロイドが第1選択である。しかし、ステロイド減量中の再燃や治療抵抗例が少なからず存在し、免疫抑制薬やTNF阻害薬の併用が試みられてきたが、有効性が十分とは言い難かった。近年、GCAに対してIL-6阻害薬であるトシリズマブ(tocilizumab:TCZ)の有効性が注目されている。 今回、Villiger氏らが、GCA患者に対するTCZの有効性と安全性に関するプラセボ対照無作為化二重盲検試験を行った。対象は、新規または再発の基準を満たした50歳以上のGCA患者30例とした。対象患者を経口プレドニゾロン(1mg/kg/日より開始し規定に従い徐々に0mgまで減量)併用下で、TCZ併用群(20例)、プラセボ群(10例)に無作為に2対1の割合で2群に割り付け、TCZ 8mg/kgまたはプラセボを4週に1回、52週まで13回静脈内投与した。主要評価項目は12週目(その際プレドニゾロン0.1mg/kg/日)の、臨床症状や所見がなく、赤沈正常、CRP陰性化した完全寛解の割合とした。 結果は、12週での完全寛解率は、TCZ併用群85%(17例)であり、プラセボ群40% (4例)と比較して有意に高値であった。52週までの無再発率も、TCZ併用群85%(17例)で、プラセボ群20%(2例)と比べて有意に高率であった。52週間のプレドニゾロン積算投与量は、TCZ併用群では43mg/kgと、プラセボ群(110mg/kg)と比較して有意に低用量であった。重篤な有害事象は、TCZ併用群7例(35%)であり胃腸障害が多く、プラセボ群5例(50%)で心血管疾患が多くみられた。 本研究により、GCAに対する寛解導入および維持療法にTCZ併用の有効性が示された。しかし、TCZの治療効果判定には症状や炎症反応だけではなく、画像検査などによる動脈病変の評価も重要であり、今後は画像評価も必要と思われる。また、TCZ併用の長期的な安全性や寛解維持に達した後のTCZの減量や、TCZの投与期間も今後検討していく必要があると思われる。

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“電子タバコで禁煙”は安全!?

“電子タバコで禁煙”は安全?!電子タバコは、禁煙の第一歩として気軽に利用されていますが… 本体の粗悪品が数多く流通している・使用中に内蔵電池が爆発、21歳男性が重体に(米国)・充電中の電子タバコから出火し、火事が発生(米国&英国) 成分の安全性にも疑問の声・ニコチン入りリキッドも個人輸入で簡単に入手可能・そのほかの有害物質が含まれている可能性も電子タバコの使用には注意が必要です!社会医療法人敬愛会 ちばなクリニックCopyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.清水 隆裕氏

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ピオグリタゾンと膀胱がんリスク~約15万人のコホート研究/BMJ

 ピオグリタゾンの使用は膀胱がんのリスクを高め、使用期間や累積用量の増加に伴いリスクが増大することが、カナダ・ジューイッシュ総合病院のMarco Tuccori氏らの、約15万人を対象とした大規模コホート研究の結果、明らかにされた。また、同じチアゾリジン系(TZD)薬のロシグリタゾンでは関連が認められず、膀胱がんのリスク増大はピオグリタゾンに特有で、クラス効果ではないことが示唆されると結論している。ピオグリタゾンと膀胱がんとの関連については、多くの研究で矛盾する結果が報告されており、より長期間追跡する観察研究が求められていた。BMJ誌オンライン版2016年3月30日号掲載の報告。ピオグリタゾンと膀胱がん発症リスクとの関連を14万5,806例で追跡 研究グループは、英国プライマリケアの1,300万例以上の医療記録が含まれるデータベースClinical Practice Research Datalinkを用い、2000年1月1日~13年7月31日に非インスリン糖尿病治療薬による治療を新たに開始した2型糖尿病患者14万5,806例のデータを解析した(追跡調査期間は2014年7月31日まで)。 解析では、治療開始時にすでにがんが発症していた可能性、ピオグリタゾンによるがん発症までの時間を考慮し、初回処方1年後時点からを使用開始とみなし使用期間を算出。Cox比例ハザードモデルを用い、ピオグリタゾン使用の有無ならびに累積使用期間と累積使用量別に、膀胱がん発症の補正ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推算した(年齢、登録年、性別、アルコール関連障害、喫煙状況、BMI、HbA1c、がんの既往歴、膀胱炎や膀胱結石の有無、チャールソン併存疾患指数:CCI、糖尿病治療期間、蛋白尿の有無で補正)。 また、先行研究で膀胱がんのリスク増大とは関連がないとされるTZD薬であるロシグリタゾンでも、同様の解析を実施した。ピオグリタゾンの使用期間が長いほど膀胱がんリスクが増大 追跡調査期間平均4.7(SD 3.4)年、計68万9,616人年において、622例が新たに膀胱がんと診断された(粗発症率[/10万人年]90.2)。 他の糖尿病治療薬と比較し、ピオグリタゾンは膀胱がんのリスク増大と関連していた(粗発症率88.9 vs 121.0、補正後HR:1.63、95%CI:1.22~2.19)。一方、ロシグリタゾンでは膀胱がんのリスク増大との関連は認められなかった(粗発症率88.9 vs 86.2、補正HR:1.10、95%CI:0.83~1.47)。使用期間反応関係および用量反応関係は、ロシグリタゾンでは認められなかったが、ピオグリタゾンでは観察された(補正後HR:>2年:1.78、>2万8,000mg:1.70)。

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日本のTAVRのアウトカムは良好か?リアルワールドの結果示される

 2016年3月、日本循環器学会学術集会にて、慶應義塾大学循環器内科 林田健太郎氏が日本のTAVRの多施設レジストリ、OCEAN-TAVIの結果を発表した。 TAVRは2002年から臨床応用が始まり、現在では世界で20万人が治療を受けている。本邦では2013年に承認され、施行数も増加している。しかしながら、日本におけるリアルワールドの大規模なデータはない。そこで、本邦のTAVR症例の4割程度を占めるハイボリュームセンター8施設の前向き多施設レジストリデータを形成し、日本でのアウトカムを検討した。 対象患者は2013年10月~2015年7月までに8施設に登録された749名。使用デバイスはSapien XT。評価項目は手技成功率、30日死亡率、VARC2定義による合併症、30日死亡予測因子であった。 患者の平均年齢は84.3歳、70%が女性であった。平均BSA 1.4m2、Logistic Euroスコア17.0%、STSスコア8.1%であった。CKDが67.2%おり、CABGが7.9%に、PADが15.9%に施行されていた。施術はTFアプローチが8割、TAアプローチが2割であった。 結果、手技成功率は96.9%(TF97.4%、TA95.0%)。30日死亡率は2.0%(TF1.7%、TA3.5%)と、海外の成績に比べ良好であった。 虚血性脳卒中発現率は2.1%であった。また、PPM(prosthesis-patient mismatch)発生率は中等度と重度を合わせて6.8%であった。 30日死亡の予測因子は、男性、腎機能、STSスコア。 死亡率を年齢層別に解析すると、80歳未満4.3%、80歳以上90歳未満1.7%、90歳以上0.9%であった。死亡率が、年齢と共に下がっていること、90代の死亡率も極めて低いことが特徴的であった。

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抗精神病薬の過量投与、昔と比べてどう変化しているか

 薬物過量投与による罹患率や死亡率は、この30年間減少している。これは、より安全性の高い薬剤が開発されたことで、過量投与のアウトカムが改善したことが背景にある。オーストラリア・Calvary Mater NewcastleのIngrid Berling氏らは、26年間における抗精神病薬の処方変更と過量投与の変化との関連を検討した。British journal of clinical pharmacology誌オンライン版2016年3月6日号の報告。 1987~2012年のすべての抗精神病薬中毒に関する発表を検討した。人口統計、摂取情報、臨床効果、合併症、治療のデータをプロスペクティブに収集した。オーストラリアにおける抗精神病薬の使用率は、1990~2011年の政府からの出版物から抽出し、ポストコードから過量投与情報とリンクした。 主な結果は以下のとおり。・過量投与は抗精神病薬3,180件、第1世代抗精神病薬1,235件、第2世代抗精神病薬1,695件、リチウム250件であった。・26年間で抗精神病薬の過量投与は1.8倍に増加し、第1世代抗精神病薬はピーク時の5分の1に減少したが(80件/年~/16件/年)、第2世代抗精神病薬は倍増しており(160件/年)、そのうちオランザピンとクエチアピンが78%を構成していた。・すべての抗精神病薬過量投与は、ICU平均在室時間18.6時間、ICU入院15.7%、人工呼吸10.4%、院内死亡0.13%であった。これは、第2世代抗精神病薬と比較し、第1世代抗精神病薬でも同様であった。・同期間において、抗精神病薬の処方は2.3倍増加していた。第1世代抗精神病薬の処方が減少している一方で、第2世代抗精神病薬は急激に上昇していた。主にオランザピン、クエチアピン、リスペリドン(79%)が上昇していた。 結果を踏まえ、著者らは「26年間にわたり、抗精神病薬処方の増加は抗精神病薬の過量投与の増加と関連していた。抗精神病薬の種類は変化しているが、罹患率や死亡率に変化はなく、抗精神病薬の過量投与による入院の割合は増加していた」とまとめている。関連医療ニュース 抗精神病薬のアジア実態調査:高用量投与は36% 統合失調症、維持期では用量調節すべきか:慶應義塾大 抗精神病薬の高用量投与で心血管イベントリスク上昇:横浜市立大

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高用量のドネペジル徐放性製剤、日本人に対する評価は

 ドネペジルは、軽度、中等度、高度のアルツハイマー病(AD)に対する治療薬として確立している。国際的研究では、認知機能において、ドネペジル徐放性製剤(SR)23mg/日はドネペジル即放性製剤(IR)10mg/日を上回る優れた有効性が実証されているが、中等度から高度ADにおける全般的機能についてはわかっていない。認知症介護研究・研修東京センターの本間 昭氏らは、日本人高度ADにおいて、ドネペジルSR23mg/日の効果が、同IR10mg/日を上回るかの検討を行った。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2016年3月11日号の報告。 本研究は、多施設無作為化二重盲検並行群間試験にて実施された。日本人高度AD外来患者を対象に、IR10mg/日継続群とSR23mg/日切り替え群とに無作為に割り付け、24週投与した。評価項目は、Severe Impairment Battery(SIB)、臨床面接による認知症変化印象尺度(Clinician's Interview-Based Impression of Change plus Caregiver Input:CIBIC-plus)と安全性とした。 主な結果は以下のとおり。・対象患者は、IR10mg/日継続群(166例)とSR23mg/日切り替え群(185例)に割り付けられた。・SR23mg/日切り替え群は、IR10mg/日継続群と比較し、SIB(LSMD:0.0、95%CI:-1.7~1.8、p=0.981)またはCIBIC-plus(LSMD:0.2、95%CI:0.0~0.4、p=0.080)において有意な差は認められなかった。・SR23mg/日切り替え群における一般的な有害事象は、食欲不振、嘔吐、下痢、挫傷であった。安全性所見については、ドネペジルにおける既知の安全性プロファイルと共通だった。 著者らは「日本人高度AD患者において、SR23mg/日への切り替えは、IR10mg/日継続と比較し、有効性評価項目で優れているとは言えなかった。日本では、高度AD患者に対し、10mg/日が承認されていることを考慮すると、現在の知見は、日本人の同患者に対しては10mg/日が最適な用量であることを示唆している」としている。関連医療ニュース 高度アルツハイマー病へのドネペジル投与は続けたほうがよいのか ドネペジル+メマンチン、アルツハイマー病への効果はどの程度? 中等度~高度のアルツハイマー型認知症に対するドネペジル+メマンチンの有効性/安全性の検討

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3枝病変でのPCI対CABG、年齢・性別の影響は

 3枝冠動脈病変患者において、冠動脈バイパス術(CABG)に対する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の相対死亡リスクは、年齢との間に有意な関連が認められ、74歳以上では超過、74歳未満ではニュートラルであったことを小倉記念病院の山地 杏平氏らが報告した。実臨床では、PCIとCABGの選択において性別も考慮すべき重要事項であるが、本検討では相対死亡リスクに性特異的な差は認められなかったという。Circulation誌オンライン版2016年3月23日号に掲載。 今回の研究集団は、多施設CREDO-Kyotoレジストリの登録患者2万5,816例(コホート1:9,877例、コホート2:1万5,939例)のうち、3枝病変患者5,651例(男性3,998例/女性1,653例、PCI 3,165例/CABG 2,486例)。年齢の三分位数に応じて、65歳以下(1,972例)、66~73歳(1,820例)、74歳以上(1,859例)の3群に分けた。 主な結果は以下のとおり。・CABGに対するPCIの調整過剰相対死亡リスクは、74歳以上で有意であった(HR:1.40、95%CI:1.10~1.79、p=0.006)。一方、65歳以下(HR:1.05、95%CI:0.73~1.53、p=0.78)および66~73歳(HR:1.03、95%CI:0.78~1.36、p=0.85)ではニュートラルであった(交互作用のp=0.003)。・CABGに対するPCIの過剰相対死亡リスクは、男性で有意であり(HR:1.24、95%CI:1.03~1.50、p=0.02)、女性では有意傾向がみられた(HR:1.34、95%CI:0.98~1.84、p=0.07)。・CABGに対するPCIの相対的死亡リスクと性別との間に、有意な交互作用は認められなかった(交互作用のp=0.40)。

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統合失調症患者の再発リスクを低下させるためには

 統合失調症患者でも抗精神病薬の効果が続く長時間作用型治療(LAT)による治療を行っているにもかかわらず、再発することが少なくない。米国・セントルイス大学のLarry Alphs氏らは、LATによりアドヒアランスが確保されているにもかかわらず再発する要因を検討した。International clinical psychopharmacology誌オンライン版2016年3月11日号の報告。 著者らは、安定期統合失調症または統合失調感情障害患者323例に対し、リスペリドン長時間作用型注射剤を1年間使用した研究の事後分析を行った。対象患者は、抗精神病薬の経口剤を中止し、52週間のリスペリドン長時間作用型注射剤50mg(163例)または25mg(161例)の隔週投与に割り付けられた。再発の要因の推定にはCox比例ハザード回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・323例中59例(18.3%)は、持続的なLATにもかかわらず12ヵ月間で再発が認められた。・再発リスクと関連した要因は、罹病期間(年6%増加、p=0.0003)と調査国(カナダ対米国で4.7倍リスク増加、p=0.0008)であった。・罹病期間を、5年以下、6~10年、10年超で分類した場合、10年超対5年以下で再発リスクが最も高かった(4.4倍リスク増加、p=0.0181)。 著者らは「罹病期間が長い慢性化した患者では、アドヒアランスを維持したにもかかわらず再発リスクが高いため、早期の介入が必要である」としている。関連医療ニュース 統合失調症の再発予防プログラムを日本人で検証:千葉大学 統合失調症“再発”の危険因子は 統合失調症再発予防、遠隔医療に改善の余地あり

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第28回

第28回:子供の発疹の見分け方監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 小児科医、皮膚科医でなくとも、子供の風邪やワクチン接種の時などに、保護者から皮膚トラブルの相談をされることがあると思います。1回の診察で診断・治療まで至らないことがあっても、助言ぐらいはしてあげたいと思うのは私だけではないと思います。文章だけでははっきりしないことも多いため、一度、皮膚科のアトラスなどで写真を見ていただくことをお勧めします。 以下、American Family Physician 2015年8月1日号1) より子供の発疹は見た目だけでは鑑別することが難しいので、臨床経過を考慮することが大切である。発疹の外観と部位、臨床経過、症状を含め考慮する。発熱は、突発性発疹、伝染性紅斑、猩紅熱に起こりやすい。掻痒はアトピー性皮膚炎やばら色粃糠疹、伝染性紅斑、伝染性軟属腫、白癬菌により起こりやすい。突発性発疹のキーポイントは高熱が引いた後の発疹の出現である。体幹から末梢へと広がり1~2日で発疹は消える。ばら色粃糠疹における鑑別は、Herald Patch(2~10cmの環状に鱗屑を伴った境界明瞭な楕円形で長軸が皮膚割線に沿った紅斑)やクリスマスツリー様の両側対称的な発疹であり、比較的若い成人にも起こる。大抵は積極的な治療をしなくても2~12週間のうちに自然治癒するが、白癬菌との鑑別を要する場合もある。上気道症状が先行することが多く、HSV6.7が関与しているとも言われている。猩紅熱の発疹は大抵、上半身体幹から全身へ広がるが、手掌や足底には広がらない。膿痂疹は表皮の細菌感染であり、子供では顔や四肢に出やすい。自然治癒する疾患でもあるが、合併症や広がりを防ぐために抗菌薬使用が一般的である。伝染性紅斑は、微熱や倦怠感、咽頭痛、頭痛の数日後にSlapped Cheekという顔の発疹が特徴的である(筆者注:この皮疹の形状から、日本ではりんご病と呼ばれる)。中心臍窩のある肌色、もしくは真珠のようなつやのある白色の丘疹は伝染性軟属腫に起こる。接触による感染力が強いが、治療せずに大抵は治癒する。白癬菌は一般的な真菌皮膚感染症で、頭皮や体、足の付け根や足元、手、爪に出る。アトピー性皮膚炎は慢性で再燃しやすい炎症状態にある皮膚で、いろいろな状態を呈する。皮膚が乾燥することを防ぐエモリエント剤(白色ワセリンなど)が推奨される。もし一般的治療に反応がなく、感染が考えられるのであれば組織診や細菌培養もすべきであるが、感染の証拠なしに抗菌薬内服は勧められない。※本内容にはプライマリ・ケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) Allmon A, et al. Am Fam Physician. 2015;92:211-216.

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SSRIはむしろ心血管リスクを低下させる?/BMJ

 プライマリケア受診のうつ病患者約24万例のデータを用いたコホート研究で、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、心血管リスクの増加と関連しないことが示された。英国・ノッティンガム大学のCarol Coupland氏らによる検討で、BMJ誌オンライン版2016年3月22日号で発表された。先行研究で指摘されていたシタロプラムの不整脈リスク増加のエビデンスも認められなかった。分析の結果、むしろSSRIに心筋梗塞リスクを低下する効能がある可能性が示され、とくにfluoxetineで有意な低下がみられたという。リスク増加が示されたのは、三環系抗うつ薬のロフェプラミンであったと報告している。プライマリケア受診のうつ病患者23万8,963例のデータを分析 検討は、英国一般医が関与するQReseachプライマリケアデータベースを用いて行われた。2000年1月1日~11年7月31日の間に、初発のうつ病と診断された20~64歳、23万8,963例のデータを包含し、処方された抗うつ薬の種類(三環系抗うつ薬、SSRI、その他抗うつ薬)、用量、投与期間、また各薬剤の別に、3つの心血管アウトカム(心筋梗塞、脳卒中/一過性脳虚血発作(TIA)、不整脈)との関連について分析した。 主要評価項目は、追跡期間5年間の心筋梗塞、脳卒中/TIA、不整脈の初発の診断とした。Cox比例ハザードモデルを用いて、潜在的交絡因子を補正後、ハザード比(HR)を推算し評価した。不整脈・心筋梗塞・脳卒中/TIAのリスク増加と関連するエビデンス見つからず 5年間の初発診断例は、心筋梗塞772例、脳卒中/TIAは1,106例、不整脈は1,452例であった。 5年の追跡期間中、抗うつ薬の種類ベースで、心筋梗塞との有意な関連はみられなかった。 追跡1年目において、SSRI治療患者で抗うつ薬未治療患者と比較して、心筋梗塞リスクの有意な低下がみられた(補正後HR:0.58、95%信頼区間[CI]:0.42~0.79)。薬剤別にみると、同リスクの低下が顕著であったのはfluoxetineであり(同:0.44、0.27~0.72)、一方でロフェプラミンのリスク増大が顕著であった(同:3.07、1.50~6.26)。 脳卒中/TIAとの有意な関連は、抗うつ薬の種類ベースおよび薬剤別においてみられなかった。 不整脈との有意な関連は、5年の追跡期間中、抗うつ薬の種類ベースではみられなかった。ただし、三環系抗うつ薬について治療開始28日間における同リスクの有意な増加がみられた(補正後HR:1.99、95%CI:1.27~3.13)。fluoxetineは5年の間、不整脈リスク低下との有意な関連がみられた(同:0.74、0.59~0.92)。シタロプラムは、高用量の投与であっても不整脈リスクの有意な増加は認められなかった(用量40mg/日以上での補正後HR:1.11、95%CI:0.72~1.71)。 以上を踏まえて著者は、「今回の大規模観察研究で、うつ病と診断された20~64歳の集団において、SSRIが不整脈・心筋梗塞・脳卒中/TIAのリスク増加と関連するというエビデンスは見つからなかった。むしろ心筋梗塞や不整脈リスクを低下する関連が、とくにfluoxetineで示された。シタロプラムが不整脈リスクを増加するとのエビデンスは、CI値は広域にわたっていたが、高用量の場合でも見つからなかった」と述べ、「今回の結果は、最近のSSRIの安全性に関する懸念を払拭するものである」とまとめている。

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前立腺がん骨転移治療に進展、塩化ラジウム223「ゾーフィゴ」が前立腺がんの承認取得

 2016年3月28日、バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:カーステン・ブルン)は、骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌の効能・効果で、塩化ラジウム223(商品名:ゾーフィゴ静注、以下、ゾーフィゴ)の製造販売承認を取得したと発表。ゾーフィゴは、日本で初めてのアルファ線を放出する放射性医薬品。 今回の承認は、国際共同第III相試験ALSYMPCA(ALpharadin in SYMptomatic Prostate CAncer)試験のデータ、および日本人の患者を対象に塩化ラジウム223の安全性と有効性を評価した試験のデータに基づいている。ALSYMPCA試験は、症候性の骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)の患者を、標準的治療下で、塩化ラジウム223投与群とプラセボを投与群に無作為に割り付けた二重盲検プラセボ対照国際共同第III相臨床試験。中間解析では、塩化ラジウム223投与群のOS中央値14.0ヵ月に対し、プラセボ投与群11.1ヵ月と、塩化ラジウム223投与群が有意に延長した(HR:0.681、95%CI:0.542-0.857、p=0.00096)。盲検解除後に実施した2回目の解析では、塩化ラジウム223群14.9ヵ月と、プラセボ群の11.3ヵ月に比べ、OS中央値のさらなる延長が認められた(HR:0.691、95% CI:0.578-0.827)。 ALSYMPCA試験において、塩化ラジウム223群で発現頻度の高かった有害事象(25%以上で発現)は、骨痛(塩化ラジウム群 51.7%、プラセボ群 63.5%)、悪心(35.5% vs. 33.9%)、貧血(31.2% vs. 30.6%)、疲労(26.5% vs. 25.9%)、下痢(25.7% vs. 15.0%)であった。発現頻度の高かった血液学的事象は、貧血(31.2% vs. 30.6%)、好中球減少症(5.0% vs. 1.0%)、汎血球減少症(2.0% vs. 0%)、血小板減少症(11.5%vs. 5.6%)、白血球減少症(4.2% vs. 0.3%)、リンパ球減少症(0.8% vs. 0.3%)であった。 ゾーフィゴは、2013年にEUおよび米国で発売以来、世界40カ国以上で使用されている。有効成分であるラジウム223は、アルファ線を放出する放射性同位元素。骨塩(ヒドロキシアパタイト)複合体を形成することにより、骨、とくに骨転移巣を選択的に標的とする。高LET(線エネルギー付与)放射線であるアルファ線は、腫瘍細胞に対して高頻度でDNA二本鎖切断を誘発し、強力な殺細胞効果をもたらす。また、アルファ線の飛程は 100 µm未満であるため、周辺正常組織へのダメージを最小限に抑えるという。バイエル薬品株式会社のプレスリリースはこちら

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妊娠高血圧症候群は、周産期を過ぎても心筋症の発症リスクである(解説:神谷 千津子 氏)-510

 周産期(産褥性)心筋症は、「心疾患既往のない女性が、妊娠中から産後5ないし6ヵ月以内に、原因不明の心機能低下と心不全を発症する」と定義される、2次性心筋症の1つである。周産期心筋症患者の4割が、妊娠高血圧症候群を発症した後に心筋症を診断されているため、妊娠高血圧症候群は周産期心筋症の最大危険因子といえる。しかしながら、妊娠高血圧症候群が、周産期を過ぎた後にも心筋症の危険因子となりうるかについては、これまでまったく知られていなかった。今回Behrens氏らは、デンマークの全国コホート研究から、妊娠高血圧症候群が周産期を過ぎても心筋症の発症リスクであると、JAMA誌2016年3月8日号に初めて報告した。 対象は、デンマークで1978~2012年に最低1回は分娩した107万5,763人(既存の心疾患や糖尿病、母体死亡症例や周産期心筋症の患者などを除外)、206万7,633妊娠である。The National Patient Register、the Medical Birth Register、Causes of Death Register with cardiomyopathyから対象者・病名などを抽出し、妊娠高血圧症候群の有無と産後6ヵ月以降の心筋症診断率を検討した。 206万7,633妊娠中、7万6,108妊娠が妊娠高血圧症候群を合併しており、その内訳は、重症妊娠高血圧腎症1万2,974妊娠、軽症妊娠高血圧腎症4万4,711妊娠、妊娠高血圧症1万8,423妊娠であった。妊娠高血圧症候群のなかった女性における産後6ヵ月以降の心筋症診断率は7.7/10万person-yearsであったのに対し、重症妊娠高血圧腎症では15.6/10万person-years、軽症妊娠高血圧腎症では14.6/10万person-years、妊娠高血圧症では17.3/10万person-yearsの診断率であった。妊娠高血圧症候群のない群をreferenceにし、母体年齢・母体出生年・経産回数・多胎妊娠や死産の有無で補正した後のハザード比はそれぞれ2.20、1.89、2.06倍であった。 また、産後5年以降に限定した心筋症診断率の検討において、妊娠高血圧症候群のなかった女性では10.9/10万person-years、重症妊娠高血圧腎症では22.5/10万person-years、軽症妊娠高血圧腎症では19.9/10万person-years、妊娠高血圧症では26.1/10万person-yearsの診断率(各ハザード比2.22、1.86、2.25倍)であり、妊娠高血圧症候群は産後5年以降も心筋症の発症リスクであった。 心筋症の中でも拡張型心筋症に限定した診断率や、虚血性心疾患を合併した女性を除外し、糖尿病で補正した心筋症診断率においても、同様に妊娠高血圧症候群は発症リスクであった。 以上から、妊娠高血圧症候群を発症した女性において、周産期以降に心筋症を発症する率は、決して高くはないが、有意差をもって非発症女性よりも増加していることが判明した。妊娠高血圧症候群と周産期心筋症においては、血管新生障害や血管内皮障害や炎症、循環動態変動の関与が示唆されている。今回明らかになった、妊娠高血圧症候群と周産期以降の心筋症の関連については、今後さらなる研究が期待される。

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禁煙なんて、もっと先の話!?

禁煙なんて、もっと先の話!? あなたがタバコを吸い始めたきっかけは、単なる“好奇心”や“反抗心”など、ごく軽い気持ちからではなかったでしょうか。そして20年後… そんなきっかけでも、いったん習慣になってしまえば、タバコの持つ中毒性により、いずれ止めたいと思っても、簡単には止められなくなるのです。 そうなる前に、思い切って今、禁煙を始めてみませんか?「若者にとってタバコを吸い始めるという行為は、象徴的な意味もあります。すなわち『オレはもうおふくろべったりのガキじゃねえ。タフで、命知らずで、イケてる…』といった具合です。いずれにせよ、こうした心理的な動機づけが薄れていったとしても、今度はタバコの薬理学的な作用が働くようになり、禁煙は困難になるわけです。」(日経BP社刊『悪魔のマーケティング タバコ産業が語った真実』より引用)社会医療法人敬愛会 ちばなクリニックCopyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.清水 隆裕氏

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うつ病患者にみられる認知機能の変化は

 うつ病の青年には、実行機能、注意、記憶の欠損が見られる。神経認知機能の変化は寛解期ではなく急性期に見られるものもあるという事実にもかかわらず、縦断的研究も不足している。米国・ニューヨーク市立大学クイーンズ校のAl Amira Safa Shehab氏らは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)による急性期治療中のうつ病青年の神経認知機能の変化を調査した。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2016年3月14日号の報告。うつ病青年を治療する際に認知症状についてもチェックする必要 うつ病青年24人と健康対照者24人を対象に、ベースライン時および6、12週にケンブリッジ神経心理学テスト(CANTAB)のサブテストおよび臨床スケールを評価した。うつ病青年には、ベースライン評価後、fluoxetineを投与した。 うつ病青年の神経認知機能の変化を調査した主な結果は以下のとおり。・うつ病青年では、抑うつ症状の著しい改善にもかかわらず、健康対照者と比較して、視覚的記憶の継続的な欠損が認められた(p=0.001)。・持続的な注意および抑制の課題は、健康対照者では12週までより良い状態であったが、うつ病青年では持続的注意欠損が残存していた。・実行機能(計画)課題は、健康対照者では課題を学習し、12週にわたり改善したにもかかわらず、うつ病青年のパフォーマンスでは有意な変化がみられなかった(p=0.04)。 結果を踏まえ、著者らは「うつ病青年を治療する際に、臨床医は気分症状の改善後にみられる認知症状についてもチェックする必要がある」としている。

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