統合失調症患者の再発リスクを低下させるためには 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/04/05 統合失調症患者でも抗精神病薬の効果が続く長時間作用型治療(LAT)による治療を行っているにもかかわらず、再発することが少なくない。米国・セントルイス大学のLarry Alphs氏らは、LATによりアドヒアランスが確保されているにもかかわらず再発する要因を検討した。International clinical psychopharmacology誌オンライン版2016年3月11日号の報告。 著者らは、安定期統合失調症または統合失調感情障害患者323例に対し、リスペリドン長時間作用型注射剤を1年間使用した研究の事後分析を行った。対象患者は、抗精神病薬の経口剤を中止し、52週間のリスペリドン長時間作用型注射剤50mg(163例)または25mg(161例)の隔週投与に割り付けられた。再発の要因の推定にはCox比例ハザード回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・323例中59例(18.3%)は、持続的なLATにもかかわらず12ヵ月間で再発が認められた。 ・再発リスクと関連した要因は、罹病期間(年6%増加、p=0.0003)と調査国(カナダ対米国で4.7倍リスク増加、p=0.0008)であった。 ・罹病期間を、5年以下、6~10年、10年超で分類した場合、10年超対5年以下で再発リスクが最も高かった(4.4倍リスク増加、p=0.0181)。 著者らは「罹病期間が長い慢性化した患者では、アドヒアランスを維持したにもかかわらず再発リスクが高いため、早期の介入が必要である」としている。 関連医療ニュース 統合失調症の再発予防プログラムを日本人で検証:千葉大学 統合失調症“再発”の危険因子は 統合失調症再発予防、遠隔医療に改善の余地あり (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Alphs L, et al. Int Clin Psychopharmacol. 2016 Mar 11. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 初発統合失調症の再発予防に対する抗精神病薬の用量とその効果 医療一般(2022/04/22) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 低用量経口セマグルチド、過体重/肥満者で優れた減量効果/NEJM(2025/10/06) てんかん患者の突然死、発作期無呼吸がリスクマーカーに/Lancet(2025/10/06) 内視鏡鎮静に新たな選択肢、レミマゾラムが覚醒時間を半減/ムンディファーマ(2025/10/06) 家事をしない人は認知症リスクが高い?米国65歳以上の10年間調査(2025/10/06) PS不良の小細胞肺がん、デュルバルマブ+化学療法の有用性は?(NEJ045A)/ERS2025(2025/10/06) ネット上の血圧測定の写真の多くが間違った測り方を示している(2025/10/06) 献血前のカフェイン摂取が赤血球の質に影響か(2025/10/06) [ あわせて読みたい ] エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09) 「後継者採用」という甘い誘いに乗ったら…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第41回(2022/07/08) 「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第40回(2022/06/06) Dr.金井のCTクイズ 初級編(2022/05/17)