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日本語版COPDアセスメントテスト(CAT)は普及するか?

「日本語版COPDアセスメントテスト(CAT)は、高い信頼性と妥当性を有する、短く簡単な質問表として、COPD患者の健康状態を的確に評価するうえで役立つ可能性がある」と霧ヶ丘つだ病院の津田氏らが報告した。CATはCOPD患者の健康状態を評価したり、心理特性を確認するために用いられる質問票であり、近年、海外で普及が進んでいる。Respiratory investigation誌2012年6月号(オンライン版2012年6月19日号)掲載の報告。言語的検証を加えながら翻訳された日本語版のCATが、信頼性や妥当性を有するかを評価するため、40歳以上で喫煙歴を有する日本人のCOPD患者301例を対象にインターネットによる調査が行われた。 主な結果は以下の通り。 ・日本語版のCATは高い内部一貫性を示した(クロンバックのα信頼性係数:0.891)・COPDにおける疾患特異的な健康関連QOLの評価指標であるSGRQ(the COPD-specific St. George’s Respiratory Questionnaire)と高い相関関係がみられた(相関係数:0.820)。・日本で広く用いられている健康関連QOLの質問票であるSF-12v2との相関関係も認められた。 (ケアネット 鎌滝 真次)〔関連情報〕  呼吸器疾患治療を考える第2回(医師限定)

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5大医学専門誌の情報提供の質は改善したか?

論文アブストラクトのミスリードを解消することを目的に、2008年1月にCONSORT(consolidated standards of reporting trials)ステートメントによって発表されたガイドラインの影響について、英国・オックスフォード大学のSally Hopewell氏らが5大医学専門誌(AIM、BMJ、Lancet、JAMA、NEJM)を対象に検討した。結果、媒体によって異なる傾向がみられたという。BMJ誌2012年7月2日号(オンライン版2012年6月22日号)掲載報告より。ガイドライン発表後の、5大誌のアブストラクトに含まれる推奨項目の変化を比較CONSORTガイドラインでは、アブストラクトで無作為化試験の主要な結果を報告する際に示すべき項目を定めている。Sally Hopewell氏らは、影響力の大きい医学専門誌5誌を対象に、ガイドラインに対する各媒体の編集方針、ガイドラインの推奨項目がアブストラクトでどれだけ採用されているかなどを分割時系列分析にて調査した。2006~2009年に発表された無作為化試験に関する主要な報告60題(アブストラクト電子版がPubMedに登録されたもの)を対象とし、電子版のアブストラクトのないもの、2次試験の報告論文や経済分析がなされていない報告は除外した。対象学術誌は、ガイドラインに関する編集方針に即して、「著者に対する指示でガイドラインについて言及していない」(JAMA、NEJM)、「著者に対する指示でガイドラインがあることを紹介はしているが、実行ポリシーは特段に示していない」(BMJ)、「著者に対する指示でガイドラインがあることを紹介し、実行するための積極的なポリシーもある」(AIM、Lancet)の3つに分類され、2人の本分析担当者が各々、CONSORTのアブストラクトチェックリストに基づいてデータを抽出した。主要アウトカムは、CONSORT推奨の9項目(2006年に刊行された医学専門誌5誌に発表されたアブストラクトにおいていずれも50%未満しか報告されていなかった項目)の、選択アブストラクトに含まれる平均項目数とした。BMJ、JAMA、NEJMは、推奨項目採用の増加みられず無作為化試験に関する955件のアブストラクトが選択され評価された。結果、ガイドライン準拠の積極的ポリシーを有する学術誌では、報告された平均項目数の即座の増加がみられた(1.50項目の増加、P=0.0037)。ガイドライン発表後23ヵ月時点で、アブストラクトにみられたガイドライン推奨平均項目数は5.41/9項目で、介入前の傾向を基に推定した期待値より53%増加した。一方、ガイドライン準拠のポリシーが示されていない学術誌(BMJ、JAMA、NEJM)では、項目や傾向の増加がみられなかった。結果を踏まえて研究グループは、「学術誌のCONSORTアブストラクトガイドラインの積極的ポリシーは、無作為化試験に関するアブストラクトの情報提供の改善につながる可能性がある」と結論している。

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医学専門誌の別刷部数、医薬品企業からの資金提供と関連

英国・オックスフォード大学のAdam E Handel氏らは、資金提供と研究デザインが医学専門誌の別刷の大量注文とどれだけ関連するかを評価するケースコントロール研究を行った。その結果、医薬品企業による資金提供と大量の別刷注文との関連が認められたという。BMJ誌2012年7月2日号(オンライン版2012年6月28日号)掲載報告より。Lancetグループ3誌とBMJグループ4誌を評価出版された論文の別刷は、情報を広める有益な手段で、論文執筆者自身が別刷を要請する場合もあるが、最大の発注者は医薬品企業で、別刷は贈り物やサンプル品に次いで、医師の間で流通する主要な製薬会社のプロモーション材料となっている。製薬会社が資金提供した論文が掲載された学術誌の別刷を発注する場合もあるため、論文の別刷は利害関係を生む基ともなり、出版バイアスを招く可能性が示唆されている。Handel氏らは、医学専門誌7誌の2002~2009年のトップ論文を評価対象として別刷注文数による比較研究を行った。対象となったのは「Lancet」「Lancet Neurology」「Lancet Oncology」(以上Lancetグループ)、「BMJ」「Gut」「Heart」「Journal of Neurology、Neurosurgery & Psychiatry」(以上BMJグループ)で、別刷大量注文リストになかった同時期掲載の記事と照合した。主要評価項目は、資金提供と無作為化試験デザインまたはその他試験デザインとした。医薬品企業からの資金提供がある論文は大量の別刷注文の傾向7誌の別刷注文数の中央値は3,000部から12万6,350部の範囲に及んだ。大量の別刷注文があった論文は、対照論文と比べて医薬品企業からの資金提供を受けている傾向がみられた。企業資金提供vs. 他の資金提供または提供なしのオッズ比8.64(95%信頼区間:5.09~14.68)、資金提供が複数(mixed funding)vs. 他の資金提供または提供なしのオッズ比3.72(同:2.43~5.70)だった。また、無作為化試験の論文がその他試験の論文よりも、大量の別刷注文が多いという傾向はみられなかった(オッズ比:1.04、95%信頼区間:0.70~1.54)。

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慢性歯周炎の患者は乾癬の発症リスクが高い?

乾癬と慢性歯周炎(chronic periodontitis:CP)は共通して免疫異常が疾患発症の根底にあるとされているが、今日までに、小規模な横断的パイロットスタディのみでしかその可能性は研究されていない。台北医科大学のKeller氏らは台湾におけるコホートデザインと人口データベースを利用し、CPの診断後における乾癬の発症リスクについて調査を実施した。British Journal of Dermatology誌オンライン版2012年7月号の報告より。研究コホートには115,365例のCP患者が含まれ、対照コホートには同数のCPに罹患していない患者が含まれた。個別の患者を5年間追跡し、乾癬の診断の有無を調べていった。CP診断後の5年間の乾癬発症リスクを割り出すために、Cox比例ハザード回帰分析を行った。 主な結果は以下の通り。 ・5年間における乾癬の発症率は、CP罹患患者では1,000人年あたり、1.88 (95% CI:1.77~1.99)、CP非罹患患者では1.22 (95% CI:1.14~1.32)であった。・フォローアップ期間中の被験者死亡による追跡の打ち切りや、被験者の月収や地域などで調整したうえで対照コホートと比較した結果、CP罹患者では、乾癬発症のハザード比は1.52 (95% CI:1.38~1.70)であった。・さらに、歯肉切除術やフラップ手術(歯肉剥離掻爬手術)を受けた被験者は対照コホートと比較して、調整後の乾癬発症のハザード比がわずかに高かった (HR=1.26)。・今回の結果から、CPに罹患している患者においては、その後の乾癬の発症リスクが高くなることが示された。なお、CPの治療によって乾癬発症のリスクは減少するものの、完全に消えることはなかった。 (ケアネット 藤井 美佳) 関連コンテンツ【レポート】第111回皮膚科学会総会【投票受付中】皮膚科医師のための症例検討会「右鼠径部に掻痒、紅斑が認められる症例」

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がん患者の悪夢に有効な治療法は?(大阪大学 緩和ケアチーム)

がん患者では不眠の有病率が高いことはよく知られている。また、悪夢をみることは睡眠の快適度や満足度に強い悪影響を及ぼす。大阪大学 谷向氏らはがん患者における不眠症および悪夢に対する抗うつ薬トラゾドンの治療効果を検討した。Am J Hosp Palliat Careオンライン版2012年7月9日号の報告。対象は、2008年~2010年に、大阪大学病院の緩和ケアチームにおいて不眠症(悪夢の有無にかかわらず)を訴え、トラゾドンを処方されたがん患者30例。 主な結果は以下のとおり。 ・15例(50%)で治療効果が認められた。・4例で重症な悪夢を経験していた。そのうち2例で悪夢の軽減が認められた。・トラゾドンは進行性がん患者における不眠の治療および悪夢の軽減に有用である可能性が示唆された。 (ケアネット 鷹野 敦夫) 関連医療ニュース ・せん妄対策に「光療法」が有効! ・生活と治療を支える緩和ケア ・旬レポ!“キーワード”~がん臨床現場の道しるべに~

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テネリグリプチンの日本人での有効性

2012年6月に国内での製造販売承認を取得した、新規DPP-4阻害薬「テネリグリプチン(商品名:テネリア)」の日本人2 型糖尿病患者におけるデータが発表された。テネリグリプチン1日1回投与の安全性および24時間にわたる血糖コントロールを評価したところ、テネリグリプチンが、プラセボと比較して低血糖の発現なく、食後2時間血糖値、24時間平均血糖値、空腹時血糖値を有意に改善することが明らかになった。この結果は、ピーエスクリニックの江藤氏らによりDiabetes Obes Metab誌Early Online Publication 2012年7月10日付で報告された。対象は、食事・運動療法でコントロール不十分な日本人2 型糖尿病患者99例。被験者を無作為にテネリグリプチン10mg群、同20 mg群、プラセボ群に割り付け、4週間、朝食前投与を行った。無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験である。主な結果は以下のとおり。 ・テネリグリプチン投与群は10mg、20mg両群とも、プラセボ群に比べ、食後2時間血糖値、24時間平均血糖値、空腹時血糖値を有意に低下させた。・食後2時間血糖値について、テネリグリプチン10mg群のプラセボ群に対する差は、朝食後:-50.7±7.8 mg/dL、昼食後:-34.8±9.2 mg/dL、夕食後:-37.5±7.5 mg/dLであった(最小二乗平均(LS means)±標準誤差(SE)、すべてp

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出産後のうつ病リスクは「10~15%」新スクリーニングツール期待

 先進諸国で最も頻度の高い妊娠合併症である「産後うつ病」。産後うつ病(PPD)は新たに母親になる女性の10~15%で発症する。PPDの発症が高い要因として、PPD自体に対する関心の低さや出産後の不安への対応を含むメンタルヘルスの不足が考えられる。その対策として、出産後だけでなく出産前からのメンタルヘルスが重要である。しかし、現在用いられる出産前スクリーニングツールは感度や特異性が低かった。そこで、McDonald氏らは新たなスクリーニングツールの開発を行った。Paediatr Perinat Epidemiol誌2012年7月号(オンライン版2012年5月9日号)報告。 本研究の目的は、出産前にPPDリスクを有する女性をスクリーニングできるツールを開発し、運用化することである。カルガリーで実施された妊婦対象の前向きコホート研究より得られた1,578名のデータを用い、PPDの有病率に対するスコアベースの予測尺度を開発した。PPDの定義は、出産後4ヵ月のエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)10点以上とした。 主な結果は以下のとおり。・最良なモデルとして、既知のPDDリスクファクター(妊娠後期のうつとストレス、虐待歴、夫との関係性の不足 )を含んだ。・本スクリーニングツールの感度は、妊娠後期のEPDSと比較して、有意に良好であった。・出産後の不安症状発現リスクを予測するために有用であることが示された。関連医療ニュース増加する青年期うつ病 、早期発見へうつ病治療におけるNaSSA+SNRIの薬理学的メリット統合失調症の高感度スクリーニング検査 「眼球運動検査」

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BRAF変異メラノーマのPFSを著明改善。dabrafenibの第III相試験

BRAF変異阻害薬dabrfaenibは、BRAF変異陽性の転移性メラノーマに対する臨床効果と安全性プロファイルが第I・II相試験で示されている。Hauschild氏らは、dabrafenibの臨床効果を検証するためオープンラベル第III相試験を実施し、その結果をLancet誌オンライン版2012年6月22日付で報告した。今回の試験の対象は、年齢18歳以上、未治療のStageIVまたは切除不能StageIIIBのBRAF V600遺伝子変異陽性の転移性メラノーマ患者で、2010年12月~2011年9月に登録された。登録患者中、250名が無作為にdabrafenib群(187例)とダカルバジン群(63例)に3:1に割り付けされた。プライマリエンドポイントは無増悪生存期間(PFS)であり、intention to treatで解析された。その結果、PFS中央値はdabrafenb群で5.1ヵ月、ダカルバジン群で2.7ヵ月でありdabrafenib群で有意に長かった(HR:0.30、95%CI:0.18~0.51、p

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5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン 7月20日より販売開始

MSD株式会社は13日、5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン「ロタテック内用液」(以下「ロタテック」)の販売を、7月20日より開始すると発表した。ロタテックは、ロタウイルスの感染によって引き起こされる乳幼児のロタウイルス胃腸炎を予防する5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン。ロタウイルスには多くの血清型があると報告されているが、そのうちG1P[8]、G2P[4]、G3P[8]、G4P[8]およびG9P[8]の5種類の血清型の組み合わせで、ロタウイルス胃腸炎の原因の約90%を占めている。ロタテックは、G1、G2、G3、G4およびP1A[8]型の5つの血清型のロタウイルス株を含む5価のワクチンであり、G1P[8]、G2P[4]、G3P[8]、G4P[8]およびG9P[8]に起因するロタウイルス胃腸炎に対して予防効果が示唆されている。また、疫学研究において、ロタウイルスに複数回感染することで、ロタウイルス胃腸炎に対する自然免疫をより高く獲得することも報告されている。その研究結果から、ロタテックは3回接種のロタウイルスワクチンとして開発されたという。ロタテックは、Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.によって開発され、2005年にメキシコで承認されて以来、2012年3月時点で、世界107の国と地域で承認されている。日本では、2012年1月18日に厚生労働省より製造販売承認を取得している。詳細はプレスリリースへhttp://www.msd.co.jp/newsroom/msd-archive/2012/Pages/product_news_0713.aspx

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統合失調症患者は“骨折”しやすいって本当?

近年、統合失調症患者では骨粗鬆症の罹患率が高いことが明らかになってきているが、著しい骨密度(BMD)の減少にいたる機序や臨床的意味はまだわかっていない。慶応義塾大学の岸本氏(Zucker Hillside Hospital留学中)らは統合失調症患者における骨粗鬆症と骨折リスク、さらに抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症の骨代謝への影響について、最近の知見をもとにレビューを行った。Curr Opin Psychiatry誌オンライン版2012年6月30日付の報告。主な結果は以下のとおり。 ・16報告中15件(15/16:93.8%)において、統合失調症患者は対照群と比較して、低BMDまたは骨粗鬆症の高い罹患率のうち、少なくともいずれかと相関していた。ただし、全体の一貫性はなかった。・高い骨折リスクは、統合失調症と関係し(2/2)、抗精神病薬投与とも関係していた(3/4)。・これらの要因として、運動不足、栄養不足、喫煙、アルコール摂取、ビタミンD不足が示唆された。・抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症とBMD低下との関係を調べた報告(9/15:60.0%)では、高プロラクチン血症の影響が少なからず認められた。・本結果は、サンプルが少なく効果の小さなものが含まれており、またプロスペクティブ研究は2報だけであった。・高プロラクチン血症や不健康な生活による影響はまだ明らかになっていないが、統合失調症患者ではBMD低下や骨折リスクとの関係が示唆されることから、予防や早期発見、早期介入が必要であると考えられる。(ケアネット 鷹野 敦夫)関連医療ニュース ・肥満や糖尿病だけじゃない!脂質異常症になりやすい統合失調症患者 ・せん妄対策に「光療法」が有効! ・厚労省も新制度義務化:精神疾患患者の「社会復帰」へ

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新生児パルスオキシメトリー検査、先天性心疾患のスクリーニング法として有用

重度先天性心疾患の検出法として、新生児に対するパルスオキシメトリー法は高い特異度と中等度の感度を有し、普遍的なスクリーニング法の適格基準を満たすことが、英国ロンドン大学クイーン・メアリー校のShakila Thangaratinam氏らの検討で示された。先天性心疾患は他の先天性異常に比べ死亡率が高く、先天性異常による死亡の最大40%、乳児死亡の3~7.5%を占めるとされるが、手術によって予後は大きく改善するため早期発見が重要だという。新生児スクリーニングは早期発見の一助となる可能性があり、パルスオキシメトリー法が有望視されている。Lancet誌2012年6月30日号(オンライン版2012年5月2日号)掲載の報告。パルスオキシメトリーの有用性をメタ解析で評価研究グループは、無症状の新生児における重度先天性心疾患のスクリーニング法としてのパルスオキシメトリー法の有用性を評価するために、系統的なレビューおよびメタ解析を行った。Medline(1951~2011年)、Embase(1974~2011年)、Cochrane Library(2011年)、Scisearch(1974~2011年)を検索し、無症状新生児における重度先天性心疾患のスクリーニング法としてのパルスオキシメトリー法の正確度(accuracy)を評価した試験を抽出した。2名の研究者が別個に、事前に定義された適格基準(患者集団、検定法、アウトカム)を満たす試験を選定した。個々の試験の感度、特異度およびそれぞれの95%信頼区間(CI)を算出した。階層的受信者動作特性(ROC)曲線を適用し、ランダム効果モデルを用いて全試験の感度、特異度の推定値を算定した。感度76.5%、特異度99.9%、偽陽性率0.14%13試験(新生児22万9,421人)が解析の対象となった。重度先天性心疾患の検出におけるパルスオキシメトリー法の全体の感度は76.5%(95%CI:67.7~83.5%)、特異度は99.9%(同:99.7~99.9)で、偽陽性率は0.14%(同:0.06~0.33)であった。偽陽性率は、パルスオキシメトリー法を出生から24時間以内に施行した場合に比べ、24時間以降に施行したほうが低かった(0.05%[95%CI:0.02~0.12] vs 0.50%[同:0.29~0.86]、p=0.0017)。著者は、「パルスオキシメトリー法は、重度先天性心疾患の検出法として高い特異度と中等度の感度を有し、普遍的なスクリーニング法の適格基準を満たす」と結論し、「この感度は、出生前診断などに基づく現行の戦略よりも高い。本試験の知見は、一般診療へのパルスオキシメトリー法導入の高度なエビデンスである」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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せん妄対策に「光療法」が有効!

入院患者においてしばしば問題となる「せん妄」。せん妄は、ほぼすべての診療科で遭遇する可能性のある精神症状である。一般的にせん妄の治療には、抗精神病薬が用いられるが、Yang氏らは抗精神病薬リスペリドン(RIS)投与に加えて補助療法として「光療法」を行い、せん妄治療への影響を検討した。Gen Hosp Psychiatry誌オンライン版2012年6月18日付の報告。意識障害で精神科のコンサルテーションを受けた36例の せん妄患者を、RIS単独群16例とRIS+光療法群20例にランダムに割り付け、1~5日目の せん妄評価尺度(DRS)、せん妄の重症度評価尺度(MDAS)にて評価した(検査当日:ベースライン)。また、睡眠パラメータは睡眠ログにて測定した。 主な結果は以下のとおり。 ・DRSとMDASの平均スコアは両治療群ともベースラインと比較し有意な改善を示した。・RIS+光療法群では、RIS群と比較し有意なDRSスコアの減少を示したが(F=2.87、p=0.025)、MDASスコアは両群間で同等であった。・RIS+光療法群では、RIS群と比較し総睡眠時間(F=2.07、p=0.037)および睡眠効率(F=2.79、p=0.029)が有意に改善した。・せん妄治療におけるRIS+光療法は有用な選択肢であることが示された。 (ケアネット 鷹野 敦夫) 関連医療ニュース  ・ヨガ で精神症状とQOLが改善 ・日本人統合失調症患者の認知機能に影響を与える処方パターンとは ・パリペリドンはリスペリドンより安全性プロファイルが良好

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IBS患者の結腸鏡検査におけるCO2注入は苦痛軽減に有効か?

 過敏性腸症候群(IBS)患者では結腸鏡検査に伴う苦痛が有意に大きく、検査時の二酸化炭素(CO2)注入が苦痛軽減に効果的であることが示唆された。北海道大学の今井氏らがJournal of gastroenterology and hepatology誌オンライン版2012年6月13日号に報告した。 結腸鏡検査には痛み・不快感が伴うが、CO2注入がその痛みと不快感を有意に低下させることが報告されている。しかし、これまでIBS患者の結腸鏡検査について検討した報告はなかった。本試験では、IBS患者における結腸鏡検査に伴う苦痛の重症度と、CO2注入の有効性について検討した。 本試験は、結腸鏡検査の被験者を対象とした無作為化二重盲検比較試験であり、分析対象者はIBS/空気群18例、IBS/CO2群19例、対照/空気群25例、対照/ CO2群26例の計88例であった。患者の症状は、視覚的評価スケール(VAS)により評価された。 主な結果は以下のとおり。・結腸鏡検査後の膨満感と、検査中から検査後1時間の痛みに関する平均重症度はIBS群でより高く、これらの症状はCO2群でより早期に軽減された。・結腸鏡検査のCO2注入は、検査後15分から1時間の間、IBS群でより効果的であった。

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脂質異常症になりやすい統合失調症患者、肥満や糖尿病だけじゃない

統合失調症患者では肥満や糖尿病の罹患率が高く、とくに抗精神病薬の使用でこれらの発生率 が上昇することが問題となっている。脂質異常症もまた、統合失調症患者によくみられる合併症のひとつである。Hsu氏らは台湾の統合失調症患者における脂質異常症の罹患率・発症率を調査し、Gen Hosp Psychiatry誌2012年7月号(オンライン版2012年3月27日号)で報告した。2005年、18歳以上の766,427人の被験者を無作為抽出し、統合失調症の診断を受けた患者、脂質異常症を有する患者または薬物治療を行っている患者 を特定したうえで、統合失調症患者の脂質異常症の罹患率および発症率を一般集団と比較検討した。主な結果は以下のとおり。 ・統合失調症患者における脂質異常症の罹患率は一般集団より高かった(8.15% vs 8.10%、オッズ比:1.17、95%信頼区間:1.04~1.31)。・リスクファクターは、50歳以上、高保険料支払者、台湾北部または中部・都市部の生活者であり、青年期で非常に高い脂質異常症の罹患率であった。・2006年~2008年に第二世代抗精神病薬を使用していた統合失調症患者の脂質異常症平均年間発症率は、一般集団より高かった(1.57% vs 1.29%、オッズ比:1.31、95%信頼区間:1.11~1.55)。(ケアネット 鷹野 敦夫) 関連医療ニュース ・ケアネット 7月の特集「動脈硬化」 ・アルツハイマーの予防にスタチン!? ・精神疾患患者におけるメタボリックシンドローム発症要因は?

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SGLT1/2阻害薬LX4211の有効性

新しい作用機序を持つ経口の2型糖尿病治療薬であるSGLT1/2阻害薬LX4211の試験結果が、B Zambrowicz氏らによりClinical Pharmacology & Therapeutics誌Early Online Publication 2012年6月27日付で報告された。この結果、LX4211はプラセボと比べて、消化器症状などの有害事象を増加させることなく、空腹時血糖値やHbA1c値を有意に改善させることが明らかになった。SGLT2は腎臓のグルコース再吸収に関与する輸送体である。SGLT2阻害による血糖コントロール改善が示されており、現在、複数のSGLT2選択的阻害薬が開発段階にある。SGLT1を介さず、SGLT2に選択性の高い阻害薬が多く開発されているのは、主に腸管のグルコース輸送体として存在するSGLT1の腎臓のグルコース再吸収への貢献がわずか10%であることや、SGLT1欠損患者ではグルコースとガラクトースの吸収不良に起因する重篤な消化器症状が示唆される等が理由とされていた。しかしRoux-en-Y法による肥満外科手術や難消化性でん粉摂取後は、遠位小腸および大腸へのグルコース輸送が増加しても、消化器症状を発現することなく耐糖能を改善できている。これは、GLP-1分泌によるものと考えられている。このことから、SGLT1/2阻害薬も、選択的SGLT2阻害薬同様に、消化器症状に影響を与えずに、腸管からのグルコース吸収を遅延させ血糖コントロールを改善できるのではないかと、今回検討が行われた。試験対象は、38歳~64歳の2型糖尿病患者36例。プラセボ群、LX4211の150mg投与群、同300 mg投与群、の3群に無作為に割り付け、1日1回経口投与を28日間継続した。主な結果は以下のとおり。 ・LX4211群はプラセボ群と比較して、28日後の空腹時血糖値、耐糖能、およびHbA1c値を含む血糖コントロール指標を有意に改善した。・24時間UGE値は1日後、14日後、28日後においてプラセボ群と比較し、LX4211群で有意に増加した。・LX4211群は、プラセボと比較して、血清トリグリセリド値を有意に低下させた。また、有意差は認められなかったが、体重と血圧は減少傾向、GLP-1濃度は増加傾向を認めた。・有害事象発現は3群間で同等であり、緊急性尿路感染症、性器感染症、低血糖などはみられず、重篤な有害事象の報告はなかった。心血管イベント発現、心電図所見の有意な変化も認められなかった。(ケアネット 佐藤 寿美)〔関連情報〕 動画による糖尿病セミナー (インスリンなど)

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“ヨガ”で精神症状とQOLが改善

Vancampfort氏らは統合失調症患者の精神症状(陽性症状、陰性症状)や健康に関連する生活の質(HRQL)に対し、ヨガセラピーを行うことが補助的治療として有用かを無作為化比較試験(RCT)のシステマティックレビュ―にて検討した。Acta Psychiatr Scand誌7月号(オンライン版2012年4 月6日号)報告。2人の評価者により、統合失調症患者に対するヨガセラピー介入のRCT研究を選定し、データの抽出、質の評価を行い、基準を満たした3件のRCTをもとに解析を行った。精神症状はPANSSトータルスコアおよびサブスケールスコア、HRQLは短縮版WHOQOL-BREFにて評価した。主な結果は以下のとおり。 ・精神症状の改善はエクササイズや待機コントロールと比較し、ヨガセラピー後に認められた。・身体的、心理的、社会的、環境的HRQLも同様に、ヨガセラピー後に、より有意な改善を示した。・いずれのRCTにおいても、有害事象は認められなかった。・統合失調症患者に対する抗精神病薬の補助的治療として、ヨガセラピーは有用であると考えられる。(ケアネット 鷹野 敦夫) 関連医療ニュース ・厚労省も新制度義務化:精神疾患患者の「社会復帰」へ ・統合失調症の病態にメラトニンが関与?! ・日本人統合失調症患者の認知機能に影響を与える処方パターンとは

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シタグリプチンの上乗せ効果~54週の試験~

複数薬剤での併用療法がしばしば必要となる進行した2型糖尿病患者の血糖コントロールには、新たな治療手段が必要とされている。今回、メトホルミン(商品名:メトグルコなど)とロシグリタゾン(国内未発売)で継続治療中の2型糖尿病患者に54週間、DPP-4阻害薬であるシタグリプチン(商品名:ジャヌビア/グラクティブ)を上乗せしたところ、プラセボと比較して血糖コントロールを有意に改善し、有害事象発現率も同程度であることが示された。Dobs AS氏らによりJ Diabetes誌Early Online Publication 2012年6月28日付で報告された。対象はメトホルミン(≥1500 mg/日)とロシグリタゾン(≥4 mg /日)の併用療法にもかかわらず、HbA1c(NGSP:以下同)値が7.5%以上11.0%以内にある2型糖尿病患者278例。対象患者は、1日1回シタグリプチン100 mg投与群とプラセボ群とに無作為に割り付けられた。北米、南米、ヨーロッパ、およびアジアの41施設において実施された54週にわたる無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験。主要アウトカムは18週時のHbA1c値のベースライン時からの変化とされた。主な結果は以下のとおり。 ・ベースライン時のHbA1c値の平均は8.8%・HbA1c値のプラセボ調整平均変化量は、シタグリプチン群で18週で -0.7%(P

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新たな冠動脈疾患の予測モデル、有病率が低い集団でも優れた予測能

オランダ・エラスムス大学医療センターのTessa S S Genders氏らが新たに開発した冠動脈疾患の予測モデルは、有病率が低い集団においても優れた予測能を示すことが、同氏らが実施した検証試験で確認された。検査前確率は、患者にとって最も有益な検査法を決めるのに有用とされる。ACC/AHAやESCの現行ガイドラインでは、安定胸痛がみられる患者における冠動脈疾患の検査前確率の評価には、Diamond and ForresterモデルやDuke臨床スコアが推奨されているが、いずれの方法にもいくつか欠点があるという。BMJ誌2012年6月23日号(オンライン版2012年6月12日号)掲載の報告。新規予測モデルの予測能を後ろ向き統合解析で検証研究グループは、有病率の低い集団における冠動脈疾患の検査前確率の評価に有用な予測モデルを開発するために、個々の患者データのレトロスペクティブな統合解析を行った。ヨーロッパおよび米国の18施設から、冠動脈疾患の既往歴のない安定胸痛患者が登録された。CTあるいはカテーテルベースの冠動脈造影所見に基づき、低有病率または高有病率の集団に分類した。主要評価項目は閉塞性冠動脈疾患(カテーテル冠動脈造影で1つ以上の血管に≧50%の狭窄)とした。予測モデルは、基本モデル(年齢、性別、症状、有病率の高低)、臨床モデル(基本モデルの因子、糖尿病、高血圧、脂質異常症、喫煙)および拡張モデル(臨床モデルの因子、CT冠動脈造影によるカルシウムスコア)で構成された。低有病率の集団のデータセットを用いて、交差検証法(cross validation)による解析を行い、識別能(C統計量)、キャリブレーション、純再分類改善度(net reclassification improvement; NRI)ついて評価した。冠動脈カルシウムスコアを加えると予測能がさらに改善解析の対象となった5,677例(男性3,283例[平均年齢58歳]、女性2,394例[同:60歳])のうち、5,190例(91%)でCT冠動脈造影が施行され、1,634例(31%)が閉塞性冠動脈疾患と診断された。このうち1,083例(66%)にカテーテル冠動脈造影が施行され、886例(82%)に閉塞性冠動脈疾患が確認された。CT冠動脈造影で閉塞性冠動脈疾患がみられなかった3,556例のうち、526例にカテーテル冠動脈造影が施行され、閉塞性冠動脈疾患が否定されたのは498例(95%)だった。全体として、カテーテル冠動脈血管造影が施行されたのは2,062例(36%)で、そのうち閉塞性冠動脈疾患と診断されたのは1,176例(57%)であった。単変量および多変量解析では、すべての予測因子が疾患の発現と有意に関連した。臨床モデルの予測能は、基本モデルに比べ優れていた(交差検証されたc統計量が0.77から0.79に改善、NRI:35%)。拡張モデルの冠動脈カルシウムスコアは主要な予測因子であった(同:0.79から0.88に改善、102%)。著者は、「年齢、性別、症状、心血管リスクなどから成る新たな予測モデルにより、有病率が低い集団における冠動脈疾患の検査前確率の正確な予測が可能となった。この予測モデルに冠動脈カルシウムスコアを加えると、予測能がさらに改善された」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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双極性障害の再発予防に有効か?「Lam+Div療法」

双極性障害の治療では発現している躁症状やうつ症状を治療することだけでなく、予防することも重要である。現在わが国において「双極性障害における気分エピソードの再発・再燃抑制」に適応を有する薬剤にラモトリギン(Lam)がある。Bowden氏らはLamとジバルプロエックス(バルプロ酸とバルプロ酸塩の1:1配合剤:Div)の併用が双極性障害のうつ病相予防に有用であるかを検討した。Acta Psychiatr Scand誌オンライン版2012年6月18日付報告。大うつ病エピソードを有する双極性障害Ⅰ型およびⅡ型患者86例を対象に、Lam+プラセボ(Lam群)またはLam+Div群にランダムに割り付け、8ヵ月の二重盲検比較試験を実施した。なお、患者はオープンフェーズでうつ症状および躁症状がコントロールされていた。分析はカプランマイヤー生存曲線によるカイ二乗検定(Χ[2])を利用した。主な結果は以下のとおり。 ・うつ病エピソードまでの時間に有意差はなかった(Χ[2]=1.82、df=1、p=0.18)。・維持期におけるMADRSスコア15以上が少なくとも1項目認められた患者の割合は、Lam群67%(30/45)、Lam+Div群44%(18/41)であり、有意な差が示された(Χ[2]=4.51、p=0.03)。・とくに、双極性障害Ⅰ型患者においてMADRSスコア15以上が少なくとも1項目認められた患者の割合は、Lam群71.4%(25/35)、Lam+Div群36.7%(11/30)であり、有意な差が示された(Χ[2]=7.89、df=1、p=0.005)。(ケアネット 鷹野 敦夫) 関連医療ニュース ・「双極性障害に対する薬物療法レビュー」WPAでの報告 ・双極性障害患者の「うつ症状」は心血管イベントリスクを高める ・高齢者のてんかん患者が増加!

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抗てんかん剤「Zonegran」の単剤療法、EMAより承認取得

エーザイ株式会社は3日、英国子会社であるエーザイ・ヨーロッパ・リミテッドが抗てんかん剤「Zonegran」(一般名:ゾニサミド)について、新規に診断されたてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する単剤療法の追加適応の承認を欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)より受領したと発表した。Zonegranは、大日本製薬(現、大日本住友製薬)が創製した抗てんかん剤。欧州では同社が開発を行い、2005年3月に成人てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する併用療法として承認を取得した。また、2012年6月22日に欧州において、6歳以上の小児てんかんにおける併用療法の追加適応の申請が受理された。今回の承認は、新規に診断された部分てんかん患者様583人を対象に、1日1回投与のZonegranと、1日2回投与のカルバマゼピン徐放製剤を比較する目的で実施された多施設共同、無作為化、二重盲検試験の結果に基づいて行われたという。同試験の主要評価項目には「6ヵ月間の発作未発生率」を用い、Zonegranは高い忍容性をもって、てんかん発作の抑制効果を示したとのこと。主要評価項目の両投与群間の統計比較では、国際抗てんかん連盟(International League Against Epilepsy: ILAE)の治療ガイドラインで推奨されている非劣性基準を満たした。また、同試験で報告された主な有害事象は、頭痛、食欲減退、眠気、めまい、体重減少、けん怠感、発疹、発熱であった。詳細はプレスリリースへhttp://www.eisai.co.jp/news/news201241.html

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