双極性障害の再発予防に有効か?「Lam+Div療法」 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/07/05 双極性障害の治療では発現している躁症状やうつ症状を治療することだけでなく、予防することも重要である。現在わが国において「双極性障害における気分エピソードの再発・再燃抑制」に適応を有する薬剤にラモトリギン(Lam)がある。Bowden氏らはLamとジバルプロエックス(バルプロ酸とバルプロ酸塩の1:1配合剤:Div)の併用が双極性障害のうつ病相予防に有用であるかを検討した。Acta Psychiatr Scand誌オンライン版2012年6月18日付報告。大うつ病エピソードを有する双極性障害Ⅰ型およびⅡ型患者86例を対象に、Lam+プラセボ(Lam群)またはLam+Div群にランダムに割り付け、8ヵ月の二重盲検比較試験を実施した。なお、患者はオープンフェーズでうつ症状および躁症状がコントロールされていた。分析はカプランマイヤー生存曲線によるカイ二乗検定(Χ[2])を利用した。主な結果は以下のとおり。 ・うつ病エピソードまでの時間に有意差はなかった(Χ[2]=1.82、df=1、p=0.18)。・維持期におけるMADRSスコア15以上が少なくとも1項目認められた患者の割合は、Lam群67%(30/45)、Lam+Div群44%(18/41)であり、有意な差が示された(Χ[2]=4.51、p=0.03)。・とくに、双極性障害Ⅰ型患者においてMADRSスコア15以上が少なくとも1項目認められた患者の割合は、Lam群71.4%(25/35)、Lam+Div群36.7%(11/30)であり、有意な差が示された(Χ[2]=7.89、df=1、p=0.005)。(ケアネット 鷹野 敦夫) 関連医療ニュース ・「双極性障害に対する薬物療法レビュー」WPAでの報告 ・双極性障害患者の「うつ症状」は心血管イベントリスクを高める ・高齢者のてんかん患者が増加! 原著論文はこちら Bowden CL, et al. Acta Psychiatr Scand. 2012 Jun 18. doi: 10.1111/j.1600-0447. 2012.01890.x. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] LVEF保持/軽度低下例へのβ遮断薬、死亡・MACEの複合を抑制/NEJM(2025/09/18) 前立腺がん診断、bpMRIは標準検査になりうる/JAMA(2025/09/18) タルラタマブ、サイトカイン放出症候群の警告追記/厚労省(2025/09/18) 「また、にしない。まだ、にしない。」認知症早期対応のための合言葉を発表/リリー(2025/09/18) 医療費適正効果額は1千億円以上、あらためて確認したいバイオシミラーの有効性・安全性(2025/09/18) インフルワクチンの効果、若年には有意だが80歳以上で認められず/日本臨床内科医会(2025/09/18) 抗不安薬の有効性と受容性の比較〜ネットワークメタ解析(2025/09/18) GLP-1受容体作動薬は気候変動対策にも有益(2025/09/18)
Bowden CL, et al. Acta Psychiatr Scand. 2012 Jun 18. doi: 10.1111/j.1600-0447. 2012.01890.x. [Epub ahead of print]