BRAF変異メラノーマのPFSを著明改善。dabrafenibの第III相試験

BRAF変異阻害薬dabrfaenibは、BRAF変異陽性の転移性メラノーマに対する臨床効果と安全性プロファイルが第I・II相試験で示されている。Hauschild氏らは、dabrafenibの臨床効果を検証するためオープンラベル第III相試験を実施し、その結果をLancet誌オンライン版2012年6月22日付で報告した。
今回の試験の対象は、年齢18歳以上、未治療のStageIVまたは切除不能StageIIIBのBRAF V600遺伝子変異陽性の転移性メラノーマ患者で、2010年12月~2011年9月に登録された。登録患者中、250名が無作為にdabrafenib群(187例)とダカルバジン群(63例)に3:1に割り付けされた。プライマリエンドポイントは無増悪生存期間(PFS)であり、intention to treatで解析された。
その結果、PFS中央値はdabrafenb群で5.1ヵ月、ダカルバジン群で2.7ヵ月でありdabrafenib群で有意に長かった(HR:0.30、95%CI:0.18~0.51、p<0.0001)。データカットオフ時、dabrafenib群では107例(57%)、ダカルバジン群では14例(22%)の患者が治療を行っていた。
grade2以上の有害事象は、dabrafenib群では187例中100例(53%)に、ダカルバジン群では59例中26例(44%)に発現している。dabrafenib群でもっとも頻度が高い有害事象は、皮膚障害、発熱、倦怠感、関節痛、頭痛であった。grade3~4の有害事象は両群とも頻度は高くなかった。
転移性メラノーマによる死者は世界で年間約46,000名いるが、標準療法は化学療法(ダカルバジン)あるいは高用量IL-2のどちらかであった。一方、転移性メラノーマの50%はBRAF遺伝子変異を来しており、近年vemurafenibのようなBRAF阻害薬が登場している。
(ケアネット 細田 雅之)
[ 最新ニュース ]

がんやコロナで使用されるマスタープロトコル試験、適切な報告の方法は/BMJ(2022/06/28)

コロナの血栓塞栓症予防および抗凝固療法の診療指針Ver.4.0発刊/日本静脈学会(2022/06/28)

筋肉量減少に、睡眠の満足感・夕食時刻・朝食の有無が関連/日本抗加齢医学会(2022/06/28)

生後6ヵ月以上へのモデルナ製とファイザー製コロナワクチンを承認/FDA(2022/06/28)

精神疾患患者の認知症リスク(2022/06/28)

多発性骨髄腫患者におけるCOVID-19重症化のリスク因子の検討/ASCO2022(2022/06/28)

切除不能なRAS/BRAFV600E変異大腸がん肝臓転移例への導入療法はトリプレットかダブレットか(CAIRO5)/ASCO2022(2022/06/28)

空港の検疫探知犬はCOVID-19を正確に嗅ぎ分ける(2022/06/28)