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地域で暮らす70歳以上の高齢者を対象としたプラセボ対照無作為化試験で、アトルバスタチンは主要心血管イベントリスクを抑制したが(追跡期間中央値5.9年時点)、障害のない生存期間の延長には寄与しなかったことが示された。オーストラリア・モナシュ大学のSophia Zoungas氏らSTAREE Investigatorsが、同国の一般診療所(general medical practice)で行った「STAREE試験」の結果を報告した。高リスク成人において、スタチンが心筋梗塞や虚血性脳卒中のリスクを低減させることは十分に確立されているが、臨床ガイドラインにおいて、70歳以上の高齢者へのスタチン処方を強く推奨する記述はなく、とくに75歳以上の高齢者への処方を推奨するエビデンスは乏しい。また、認知症や障害への影響に対するエビデンスも不足していることから、研究グループは、主要心血管イベントおよび障害のない生存へのアトルバスタチンの影響を評価した。NEJM誌オンライン版2026年8月29日号掲載の報告。なお、本研究は2026年8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)で発表された。アトルバスタチン40mgを1日1回vs.プラセボ STAREE試験では、心血管疾患、糖尿病、認知症の既往がない、地域で暮らす70歳以上の高齢者を対象とした。 研究グループは被験者を、アトルバスタチン40mgを1日1回またはプラセボを投与する群に1対1の割合で無作為に割り付け、追跡評価した。 主要評価項目は2つで、心血管死、非致死的心筋梗塞または脳卒中、冠動脈血行再建術の複合(主要心血管イベントへの影響を評価)と、全死因死亡、認知症、持続的な身体機能障害の複合(障害のない生存への影響を評価)で、階層的に評価された。主要心血管イベントは有意に減少、障害のない生存期間は延長せず 2015年7月~2023年3月に9,971例が無作為化された(アトルバスタチン群4,984例、プラセボ群4,987例)。被験者の平均年齢(SD)は74.7±4.5歳で、女性は51.9%であった。 ベースラインで、被験者の大半は現在飲酒の習慣があり、喫煙歴なしと申告した。服用薬数中央値は2(四分位範囲:1~4)で、最も多かった薬剤は降圧薬(46.3%)、胃酸関連疾患の治療薬(27.1%)などであった。過去にスタチン服用歴ありと報告した被験者は5.2%。既往歴として多かったのはがん、うつ病であった。また、認知機能スコアは良好であることが示され、88.7%の被験者が日常生活動作(ADL)の自立度を評価する修正Katz Indexの6項目について、いずれも困難はないと報告した。 追跡期間中央値5.9年後において、主要心血管イベントの発生はアトルバスタチン群297例(1,000人年当たり10.9イベント)、プラセボ群412例(1,000人年当たり15.5イベント)であった(ハザード比[HR]:0.70、95%信頼区間[CI]:0.61~0.82、p<0.001)。 障害のない生存への影響を評価した、全死因死亡、認知症、持続的な身体機能障害の複合の発生は、アトルバスタチン群637例(1,000人年当たり21.6イベント)、プラセボ群676例(1,000人年当たり23.0イベント)であった(HR:0.94、95%CI:0.84~1.05、p=0.25)。 重篤な有害事象の発現は、アトルバスタチン群で131例(2.7%)、プラセボ群で129例(2.7%)に認められた。筋骨格系、肝胆道系、および糖尿病関連の有害事象はアトルバスタチン群でより多く認められた。