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ICU患者に対し、鎮静中断による毎日の自発覚醒法+自発呼吸法が有効

ICUに収容された重症患者に対し機械的人工換気を施行する際は、ほとんどの場合大量の鎮静薬を要するが、これらの併用により多くの合併症が引き起こされるため、鎮静および機械的人工換気の低減に向けさまざまなアプローチが試行されている。Timothy D. Girard氏(アメリカ、バンダービルト大学健康サービス研究センター)らは、鎮静中断による毎日の自発覚醒法(SAT)と自発呼吸法(SBT)の併用が、鎮静とSBTによる通常ケアに比べ患者のアウトカムを改善することを明らかにした。Lancet誌2008年1月12日号掲載の報告。毎日のSAT追加の有効性を評価2003年10月~2006年3月の間に4つの第3次病院に336例が登録され、毎日のSAT後にSBTを施行する介入群(168例)あるいは通常ケアとして鎮静とSBTを行う対照群(168例)に無作為に割り付けられた。対照群は、毎朝SBTの安全性が評価されたのちSBTを施行された。介入群は、毎朝SATの安全性評価ののちSATが施行され、さらにSBTの安全性評価後にSBTが実施された。各評価で不適とされた症例は翌朝に再評価が行われた。SATの成功は、鎮静薬の中断と声かけで患者が4時間以上開眼した場合とした。無人工換気日数が有意に増加、1年死亡率は32%低下主要評価項目である試験期間中(登録日~28日後)の機械的補助なしの呼吸日数(無人工換気日数)は、介入群(14.7日)が対照群(11.6日)に比べて多かった(p=0.02)。副次評価項目であるICU退室までの期間(介入群:9.1日 vs. 対照群12.9日、p=0.01)および退院までの期間(14.9日 vs. 19.2日、p=0.04)の中央値も介入群で優れていた。介入群で自己抜管症例数が多かった(16例 vs. 6例、p=0.03)が、再挿管を要する症例の数は同等であり(5例 vs. 3例、p=0.47)、全体の再挿管率にも差は認めなかった(13.8% vs. 12.5%、p=0.73)。一方、1年死亡率は介入群が対照群よりも32%低く(ハザード比:0.68、p=0.01)、介入群における1例を救命するのに要する治療例数(NNT)は7.4例であった。Girard氏は、「鎮静中断による毎日のSATにSBTを併用する覚醒-呼吸プロトコールは、現行の標準的アプローチに比べ、ICUで機械的人工換気を施行されている患者に良好なアウトカムをもたらすことが示唆される」と結論したうえで、「日常診療においてルーチン化すべき」と主張している。(菅野守:医学ライター)

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激しい興奮状態の精神疾患患者を速やかに鎮静するには?

精神疾患症状としての興奮症状や暴力的行動に対し、速やかな鎮静を図る手段として、筋注olanzapine(オランザピンは筋注剤は日本未承認)と筋注ハロペリドール+プロメタジンとを比較する無作為化臨床試験の結果が報告された。インドVelloreにあるキリスト教医科大学精神医学部Nirmal S Raveendran氏らによる。BMJ誌オンライン版10月22日付け、本誌10月27日号で掲載。筋注olanzapineと筋注ハロペリドール+プロメタジンを比較本試験は、南インドVelloreにある総合病院精神科部門の救急サービスを基点に行われた。激しい興奮状態あるいは暴力的行動を呈する成人患者300例を無作為に、筋注olanzapine投与群150例と筋注ハロペリドール+プロメタジン投与群150例に割り付け、同剤投与による介入から治療を開始した。主要評価項目は、15分後、240分後時点で、落ち着きを取り戻し眠っている患者の比率。副次評価項目は、15、30、60、120、240分時点での、「落ち着いている」「眠っている」「抑制されている」「逃走」「臨床的に好転」した患者の各比率。さらに4時間を過ぎた時点でのさらなる医療行為介入と副作用の状況、2週間にわたる経口薬のコンプライアンスと副作用の状況も評価された。追跡調査されたデータは298例(99%)。ハロペリドール+プロメタジン群のほうが追加介入が少ない15分後「落ち着きを取り戻し眠っている」患者の比率は、olanzapine群 131/150(87%)、ハロペリドール+プロメタジン群136/150(91%)で同程度だった(相対リスク比0.96、95%信頼区間:0.34-1.47)。240分後もそれぞれ、144/150(96%)、145/150(97%)(同0.99、0.95-1.03)で同程度。しかし、4時間を過ぎた時点で追加投与を必要とする患者が、olanzapine群65/150(43%)で、ハロペリドール+プロメタジン群31/150(21%)よりも多かった(同2.07、1.43-2.97)。副作用は、いずれの治療群でもまれだった。これらからRaveendran氏らは、「いずれの筋注も興奮状態あるいは暴力的な精神病患者を鎮静するのに効果的だったが、ハロペリドール+プロメタジン群のほうが追加介入の割合が低かった。多忙かつ無秩序な状況では併用群を選んだほうがよいということだ」とまとめている。

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